見出し画像

【レトロゲーム回顧録】ウィザードリィ外伝2 古代皇帝の呪い 後編


地下4階のサンドクラッドとの戦闘とハギルスとの戦闘

 2冊の攻略本を交互に読みながらゲームを少しずつ進めていった。
 地下4階の中ボスであるサンドクラッドとの戦いは転生したパーティー達で挑んだが、敵は強く苦戦が続きティルトウェイトやマバリコの全体攻撃魔法の複合攻撃でも中々倒れず、もし敵が先制攻撃した場合、彼らの攻撃力は高くHPの低いキャラクター達に当たれば一撃で倒される事があって勝てるまで何度もリセットを繰り返すことになった。
 サンドクラッドを倒して彼らが持つ「砂のメダル」を入手して地下4階の流砂地帯を止めて地下4階から地下9階の直通エレベーターを使える様にした。
 地下9階と地下10階をどう探索してハギルスをどうやって倒したかは今では良く分らないが、多分マハマンを使用して「魔法からの保護」を選んで前衛3人で殴って無理矢理ゴリ押しをして倒したと思います。 


五行の謎を解け!五行の謎の答えはまさかの畑違いの作品だった!?

 無事に(?)地下10階のハギルスを倒して無事に地上に戻ったもののマナヤにかかった呪いは解けず、再度地下10階の迷宮をくまなく探索して地下11階に降りる階段を見つけ下の階に降りる事ができた。
 地下11階の敵は手強く、それと同時に四方を守護する四聖獣との戦闘はそれぞれ大変で、攻撃力と防御力、HPや特殊能力や魔法抵抗力、魔法無効化率だけではなく彼らが従えているモンスター達も強力であった。
 
東の神獣(青龍)、サファイアドラゴンはHP回復、ブレス攻撃、睡眠、(即死?)8レベルの魔法使いの魔法、属性は木
南の神獣(朱雀)、ルビーフェニックスはHP回復、炎のブレス攻撃、属性は火
西の神獣(白虎)、アイボリータイガーは石化、クリティカルヒット、後列攻撃、属性は金。
北の神獣(玄武)、オブシディアントータス冷気のブレス、7レベルの僧侶魔法、(毒)属性は水
 
 問題だったのは四聖獣との戦いではなく、地下11階のイベントである五行の祭壇の封印の謎を解く事だった。
 私は五行の法則など何も知らなかったし、四聖獣の名前は魔界塔士サガで覚えた程度の低い知識でしかなく、昔から西洋型のファンタジーに深く馴染んでいた私には新鮮な驚きであった。
 地下11階の探索で大変だったのは、四聖獣を倒した後に五行の法則の答えを出すため、あれこれ試行錯誤を繰り繰り返したが、五行の祭壇の封印をまったく解く事が出来ず攻略本を読んでもある程度は理解できたが肝心な部分は何も分からなかった。敵との戦いでキャラクター達のレベルが上がり、そのうちに季節は冬から春に変わろうとしていた。
 ある時に漫画「うしおととら」をコンビニで立ち読みをしていた時に、たまたまその回の話に、たしか五行の法則の事が書いてあってそれがヒントになり突破口となった。
 それからしばらくして試行錯誤の末に五行の祭壇の謎を解き、守護者であるウォーマスターと戦いパーティーが全滅しそうになればすぐにリセットを繰り返して何とかウォーマスターを倒して「黄泉の宝玉」を入手して最下層である黄泉界へ足を進める事になった。
 ウィザードリィ外伝2や漫画「うしおととら」で五行法則の事を始めて知った人は多かった事でしょう。 


迷宮最下層の黄泉界の六魔王達

 迷宮最下層の黄泉界に出てくる敵は皆強く、中でも各部屋にいる六魔王達は高レベルの魔法を使い、高い攻撃力と高いHP、即死攻撃のクリティカルヒットやレベルを下げるエナジードレインなど、シリーズお馴染みの陰湿な特殊攻撃と高い魔法無効化率は当たりで、生半可なレベルでは勝つ事は難しい。
 少しの油断と読み違えがパーティーの壊滅を招き、もし魔王や他の敵に先制攻撃で何人かが戦闘不能になればすぐにリセットをした。
 六魔王の出現する部屋は、毎回ランダムでどの部屋にどの魔王がいるのかは部屋に入ってみないと分からない。また六魔王達の属性は様々で彼らとの戦いは常に緊張を強いられ、勝った後の経験値やお金と宝箱の報酬に多くのプレイヤー達が一喜一憂しただろう。
 地上に戻り毎回黄泉界に訪れる度に六魔王達は何故か復活して、スケイリーエンプレスを倒しプレイヤーが称号を得た後も何故か六魔王達だけ居残っているのは、ちょっとした謎ではあるが……。 


スケイリーエンプレスとの戦い

 私がラスボスであるスケイリーエンプレスを倒した日は、いつもの様に転生したパーティーを使用した。この時は運良く私のパーティーは大きな被害もなくすべての六魔王を倒していった。
 ラスボスである彼女(?)の部屋の前で前に進んで戦うか、それとも町に戻り再度挑戦するのか少し悩んだが悩んだ末に、前に進みラスボスと戦う事を選んだ。
 ラスボスの彼女のメッセージを読んだ後そのまま戦闘を開始、ラスボス相手に魔法抵抗を上げるコルツとマハマンを何回か使ってゴリ押し同然でラスボスのスケイリーエンプレスを無事に倒して彼女を倒した証である「女帝の鱗」を持ち帰り無事にアルマールの領主ウディーンの娘であるマナヤの呪いを解きエンディングとスタッフロールを見た。
 エンディングを見た後に残っていたのは、ウィザードリィお馴染みのアイテム収集が待っていた。


犠牲を払う勇気があるならば、朽ちた刃蘇る――苦闘のベイキングブレード獲得記

 何度も迷宮最下層の黄泉界を探索して様々なアイテムを獲得した。何度目かの探索と戦闘の末に不確定名アイテムである「ブレード」を発見。すぐにキャンプをはってビショップでアイテム鑑定をして錆び付きし刃を見つけた。「イマジネーションガイドブック」に載ってあったベイキングブレードの紹介とイラストや説明文と共に、ベイキングブレードを構えた人間のロードのイラストは、カッコよくロマンに溢れており、説明の最後の文章に「犠牲を払う勇気があるならば、朽ちた刃蘇る――」の言葉は最高にカッコよかった。
 前作から転生した人間の善のロードに錆び付きし刃のスペシャルパワーを使い待望のベイキングブレードを獲得したが、人間の善のロードは灰になってしまい地上に戻ることが難しい状況になってしまった。
 私はしばらく考えた末、少し危険であったが、迷宮最下層の黄泉界で灰になってしまった人間の善のロードを甦らせることにした。ちょうどその頃には僧侶とビショップはキャラクターが、灰の状態からでも蘇生できる魔法であるカドルトを覚えていた。余談ですが、灰になってしまった善の人間のロードもカドルトを覚えていたが……。
 キャンプ中にカドルトの魔法で復活に失敗すれば、キャラクターのロスト(消失)の危険性の事を考えれば、1レベル下がってでもマハマンを使って「健康と復活」を選んで灰になったキャラクターを復活させた方がいくらかマシだった。
 当然の事ながら敵との戦闘は、運も非常に絡んでくるので、2度や3度のリセットは当たり前で、マハマンを使って「健康と復活」が出るまで何回もリセットを繰り返して灰になった善の人間のロードを無事に復活させることに成功。
 もしこれで地上に戻りカント寺院で高いお金を支払って、灰になったキャラクターが無事復活できれば良いのですが、運悪く失敗すれば、キャラクターはロスト(消失)して支払ったお金は戻らない。
 プレイヤーが何も知らずにキャラクターの装備品とお金を所持したままでカント寺院に運ばれる事になり、最悪の場合、蘇生に失敗してキャラクターが消失すれば、お金と装備品やレベルと経験値等をすべて失う危険性があったので、灰になった善の人間のロードを黄泉界で復活させるしか方法がなかった。
 2回目以降は前回の教訓を踏まえて、ベイキングブレードの獲得と人間の善のロードをマハマンで復活させる為に敵が弱い安全な地下1階の所を選んだ。
 ある時暇だったので訓練場で、レベル1で人間(男性)の悪の戦士とレベル1のエルフ(女性)で悪のビショップをキャラクターメイキングで作って、希少価値の高いエクスカリバーのスペシャルパワーを使って人間の悪の戦士レベル1を無理矢理ロードに転職。
 転職したてのレベル1の悪のロード(男性)を地下1階で錆び付きし刃のスペシャルパワーを使ってベイキングブレードを入手した後、レベル1の悪のロードは灰になったが、すぐにマハマンを使って「健康と復活」を選んで無事に(?)復活させた。
 一時期ベイキングブレードを使っていたのですが結局、私はデーモン系の敵に2倍打撃と長距離射程の武器であるファウストハルバードを愛用する事が多かった。
 最下層の黄泉界でベイキングブレードのスペシャルパワーを使って時に人間のロードがいきなり灰になった事で慌てたプレイヤー達は多かったでしょう。


アイテム収集

 キャラクター達のレベルが上がって、装備が着実に整ってくると迷宮最下層の黄泉界の強敵達や六魔王達に少しずつ勝てるようになり、それと同時にアイテム収集も少しずつ集まってきた。
 私のパーティーの編成では常にビショップがいたのでアイテム鑑定はスムーズに行われて、売値の安いアイテムはすぐに捨てて、希少価値の高いアイテムだけが、HPの回復アイテムである「ダイヤの指輪」以外何も持たないホビットの忍者にアイテムを預けて地上にあるボルタック商店に売っていた。
 やがて最後のアイテムを習得してその場にいたビショップでアイテムを鑑定、無事に地上に戻りボルタック商店に売った後に、ボルタック商店からお礼の証として転生の書をもらい続編に期待していた。
 
 ウィザードリィ外伝2は、冒険の舞台設定を東西文明の交易拠点である交易都市アルマールを登場させた事で、今までトレボーの城塞やリルミガンの町ばかりの世界に対して一線を画してウィザードリィの世界観を上手く広げる事に成功した。
 ストーリーの完成度は高いが、ゲームの難易度は前作「女王の受難」より高く、特に地下4階の強敵であるサンドクラッドのHPの自動回復と高い攻撃力や毒による特殊攻撃は多くのプレイヤー達が手を焼いてゲーム序盤の最大の難所だった。
 本作は五行思想を取り入れた斬新なアイデアと上手く名前をアレンジされた四聖獣との戦いと、五行を巡る謎解きのイベントは多くのプレイヤー達が色々と頭を悩ませ、試行錯誤の末に無事五行の謎を解いた後に起きる地下11階の現実世界と黄泉界を繋ぐ守護者であるウォーマスターが持つ黄泉の宝玉を巡る緊迫した戦いは、本作屈指のイベントである。
 地下10階の中ボスのハギルスを倒してもゲームは簡単に終わらず、迷宮最下層である黄泉界にいる六魔王達の登場前のメッセージと演出後の手に汗握る戦いと、六魔王達の背後にいる真の敵の存在は忘れる事のない思い出として多くのプレイヤー達に強い印象を与えた事になった。
 侍や忍者専用の武器と防具も揃っており、五行思想を元にした職業と種族限定の最強武器は人間のロード以外の種族が無理に転職しなくてもゲームを進めていく事ができた。 
 本作はアスキーコミックから1993年にコミック化されて、1994年にログアウト冒険文庫から「ウィザードリィ外伝Ⅱ砂の王(1)」として小説化されたが1巻のみ刊行され未完の作品となっている。
 ゲームは前作、ウィザードリィ外伝1「女王の受難」同様に高い人気があり1999年に復刻版が発売され多くのウィズのプレイヤー達から高い支持受けている作品となっている。



  • 執筆 現地改修

  • ©DIGITAL butter/EUREKA project

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?