1トンのウンチと向き合った日々 ①

今日は日曜日。いつもなら映画を観に行ったり、友達と「明日の自分頑張れ」と深夜までお酒を酌み交わし酔っぱらっているはずの週末を謳歌しているはず。だけど自宅待機。先が見えない。いつ気兼ねなく、そして人様に迷惑をおかけしない程度に、ウォウォとドンチャラ騒ぎをする時が来るのかしら。ド素面モードにチェンジしてから、実家の玄関を開ける僕の演技力を皆にも見せてあげたい。ま、そんなことはさておき、やることを失った僕は、部屋掃除というテスト前に多発する、最終奥義に取り掛かった。

一冊のノートが出てきた。僕は大学生の時、ウシ1000頭を育てる北海道の大牧場で酪農生活をしたことがある。普通生きていたら歩むことのない人生を送ってみたい、世界観を広めたい、そこから浮き上がる自分の弱さと向き合いたい、など今の自分に満足できず、行動しなきゃの一心でアポを取り、航空券を押さえ、帯広に旅立った。その時の出来事や感情を綴ったノートだ。

その時の見聞を書いていきたいと思う。


季節は夏。七月の雲一つない真っ青で、海を泳いでるみたいな帯広行きの飛行機に乗っていた。なんだかんだ一人で飛行機の乗るのは初めてだったので、乗り過ごしたらどうしようと、かなり早めにロビーin。充電が無くなったのを覚えている。

空港に到着すると、お世話になる女社長が5人乗りの白のノートで迎えに来てくれた。女社長は50歳ほどで小柄で眼鏡をかけていて、いかにも作業着が似合いそうな風立ち。でも本当にこの人が巨大なウシ達を飼育しているのかなとも思った。

車内では〝どんな学生生活を送ってるの?〟〝家族はどんな人たち?〟〝体力勝負だから気合い入れてね〟など矢継ぎ早に質問が飛んできて、緊張もやすらいでいった気がする。でも、たぶん僕の返答内容を女社長は一切聞いていないし、覚えていないと思う。(笑) 肉声返答BGM

ファームに着いた。

柵が広大に設けられている。しかしウシは一頭もいない。なんでだろ。聞けば、昔は放し飼いをしていたこともあったが、牛舎に戻すことが面倒で今は行っていないという。とは言いつつも、車が牧場の沿道を走った時に牛が放し飼いされてたら景色として楽しんでもらえるよね。と息子(29)と家族会議で決まったらしい。この僕が訪れる前に取り決められた決定法案が後に僕の重労働に繋がるとは、この時思いもしなかった。(笑)

そして、広大な柵で覆われた広大な土地の横に牛舎が4つ並び、事務所、そして僕が暮らすことになるペンションがある。

車から降りると、、ううぅ臭い。鼻の奥をつく激臭。これがマザー牧場など観光牧場でないリアルな牧場の姿。慣れないと。時刻は既に18時を回っていて、「明日から働いてもらうね。明日の5時にはつなぎを着て、牛舎に集合」と言われた。牧場の朝は早い。

そして、翌日から、僕はウンチ地獄と敵対心丸出しのオス牛恐怖など様々な体験することになる。。。続く

#ウンチ #大学生 #ウシ #牧場 #コロナ #暇

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