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映画業界からスタートアップへ。1か月経って振り返る想いと経緯、そしてforiio insightsについて

クリエイターのためのポートフォリオプラットフォーム「foriio」を運営するスタートアップ、1ne studioに6月1日にジョインし、はや1か月。
本日、こんなブログメディアをはじめました。「foriio insights」です。

クリエイティブの価値を高め、クリエイターの活躍の場を広げていくために、foriioは「クリエイティブプラットフォーム」としてさらなる成長を目指していきます。入社して1か月、まだまだやらなければならない事、出来ていない事が山積みな中ですが、このforiio insightsの自己紹介にはパーソナルすぎて書けなかった事、そしてforiioに参加するまでの経緯やもう一つの想いをここにまとめておきたいと思います。

何をしていた人?

中学時代から映画が好きだった私(映画の話は後ほど)は、早稲田大学を卒業後、迷う事なく映画会社に就職しました。そこでは、自社で運営していたCSチャンネルの広告営業や、保有するコンテンツの版権を各テレビ局や配信サービスへ提供するライセンスセールスなど、映画会社といえばすぐに皆さんの頭に浮かぶような「企画製作」「配給」「宣伝」とは少し異なる業務を担当。私が勤めていたのは日活という会社で、大きな会社ではありませんでしたが、長い歴史の中で“ロマンポルノ”という非常に“特色ある”、そして謂れのない偏見にもさらされてきた作品たちを多く保有していました。そのロマンポルノのリブートプロジェクトとして、過去の傑作たちを“発掘”し、そしてそれらの価値を見出していくことはとてもエキサイティングで、「営業=価値の創出と提案」という発想が自然と根付いていきました。(ちなみにその時提案させて頂いた事がきっかけで、今ではiTunesなどでもR-15版を視聴する事が出来ます。日本アカデミー賞とってたり、著名な監督たちを輩出したり、素晴らしい作品群なんでまじで観てほしい…!!)

その興味が膨らみ、「価値ってどうやって生まれるの?そして人はそれをどう感じ取るの?」ということをもっと広く知りたい、学びたい、実践したいと思い、博報堂DYメディアパートナーズという広告代理店へと転職しました。ここでは、コンテンツの企画プロデュース、そしてエンタメ領域を中心にプロモーション・コミュニケーションの企画などに従事。これまで自分が営業を行ってきたような“コンテンツ”を0から作り、広めていくことの面白さと難しさをもの凄い濃度で経験することができました。

充実した時間ではありましたが、同時にちょっとした挫折もあったり、そして自分のやりたいことを見つめ直すきっかけにもなりました。

映画が好きでしょうがなかった青春時代

ここで少し映画の話を。忘れもしない中学校3年の冬、初日で満席の劇場に母親に連れられて「ロード・オブ・ザ・リング」を観に行ったところから、映画好き歴は早十数年。「よくわからなかったわ~」という母親を尻目に、私はLotRにも、映画というものにもどっぷりはまり、その後ひたすらレンタルビデオ屋ウェアハウスに通っては過去の名作を借りまくり、なけなしのお小遣いでパンフレットや映画雑誌を買い漁り、どんどんのめりこんでいきました。初めての一人映画は、ちょっと背伸びして向かった池袋シネ・リーブルで観た「真珠の耳飾りの少女」。当時、同級生が誰も知らない尊いものを観てしまった!と高揚する気持ちを抑えきれず友人に話して、まったく共感されなかったという想い出があります笑。

ただ、長く映画業界にいましたが、業界の友人と話していて「あれ?」と思うことがありました。それは、私は映画において作ること以上に「広め、知ってもらい、好きになってもらう」ことに重きを置いているのかもしれない、ということ。「ロード・オブ・ザ・リング」にしろ「真珠の耳飾りの少女」にしろ、いつも素晴らしい作品を観たあと思うのは「こんな作品を作りたい」ではなく「こんなにいいものに気づかずにいる人がいるなんてもったいない!」だったのです。この事に気づき、それがいったいなぜなのかを分解して考えていくと、「映画は素晴らしもの」と「素晴らしいものを人が知らずにいることは不幸である」という二つの考えが掛け合わさって生まれたものなのでは?という仮説が自分の中で生まれました。「映画が好き=映画業界で働く」ということが私にとっての唯一の正解ではないのかも知れない、と。

そしてもう一つ、私は映画の何が一番好きなのか?を考えたとき、それは「あらゆるクリエイティビティの集合体」であることなのではないかという結論に至りました。例えば「ロード・オブ・ザ・リング」に登場する「エルフ」。その甲冑、質感の良い衣装、尖った耳の特殊メイク、流れるような長い髪、そして威厳あふれる俳優陣、とあらゆる要素が作用しあう事で架空の種族でありながら肌触りさえ感じられる存在感を持たせる事に成功しています。「真珠の耳飾りの少女」でも、絵画から抜け出たかのようなスカーレット・ヨハンソンと彼女を包む衣装、唇の艶をなまめかしく再現したメイク、そして拘り抜かれたフェルメール・ブルーのターバンに一粒の真珠の耳飾りの輝きが、その少女像と物語に血肉を通わせています。脚本、演出、撮影、音楽、衣装、ヘアメイク、編集・・・そして演技。そこに集うあらゆるクリエイティビティが有機的に絡み合って出来上がるものとして、映画を愛しているのだなあと。

さらに、作品そのものだけが好きなわけではありませんでした。作品を告知する予告、ポスターアート、キャッチコピー、ライターさんの寄稿、SNSコンテンツ、パンフレット、設定資料集…。作品のビジョン・世界観を伝えるそうした様々なクリエイティブまでひっくるめて楽しんでいました。しかも、広告代理店に入り世界の様々なクリエイティブ事例に触れる機会が増えると、その興味関心は映画だけに収まらず、様々なプロダクト・サービスの広告、PR、商品パッケージ、キャンペーン、ポスター、SNS動画…etc、世界中で日々生み出される素晴らしいクリエイティブの数々にまでどんどん広がっていきました。暇さえあればAdGangを眺めるのが広告代理店時代の日課でした(もちろん、企画案を作る為のインプットです!)。

クリエイティブの価値を高め、クリエイターの活躍の場を広げたい

そんな私がなぜスタートアップ企業へ転職したのかというと、それは代表・山田のクリエイターやクリエイティブに対する熱い想いに大いに共感したからに他なりません。
(代表・山田がforiioのリリースにあたって寄せたnoteはこちら)

映画やドラマといったコンテンツの1つ1つを企画し、伝えていくこともまた非情にやりがいがあり魅力的なお仕事の一つでした。何より、自身が携わったコンテンツでは、そのビジョンを実現するために多くのクリエイターの方々とお仕事をさせて頂き、彼らの力があったからこそ形にする事が出来ました。foriio insightsの記事にも書きましたが、この素晴らしい経験がよりクリエイターの方々の活躍を願うようになったきっかけである事は間違いありません。
ただこのままコンテンツ作りを続けるのかどうかという次のステップを考えた時に、「素晴らしいものを人が知らずにいることは不幸である」という自身がずっと持っている信念と、映画に限らず広くクリエイティブの魅力に触れてきた自分がやりたい事の掛け算として、「クリエイティブの価値を高め、素晴らしい才能が埋もれない世界を作る」ことを「プラットフォーム」という形で目指していく事で、より広がっていく事もあるのではないか、と強く感じました。
そうしてジョインして1か月。全然思うように出来なくて凹む場面も沢山あります。だけど、お会いするクリエイターのみなさんの熱量、日々foriioにUPされる作品の素晴らしさにわくわくする事ばかり。また、同じくスタートアップ業界で働く人たちと会うことも増えましたが、ビジョンについて語る際の目の輝きに沢山の刺激を受けます。とにかくやりたい事、成し遂げたい事、目指す未来に向かってひたすらに一直線。そうしたビジョンの実現をクリエイティブの力でブーストさせたいし、そうしたチャレンジングな試みはクリエイターにとっても面白い挑戦になるんじゃないかな。そんなクリエイティブの力を借りたい人とクリエイターとをお繋ぎするサービス「foriio match」もβ版で展開していますので、お困りの方はご連絡ください!

ちなみに、foriio insightsの最初の記事はCinemallyについて書きました。映画好き×スタートアップ勤務として、このサービスについて書かないわけにはいかなかった。めちゃくちゃ応援してます!

そんなわけで、大変さと面白さに挟まれながら日々奮闘中です。
もし、このnoteを読んでforiioや私が気になったら、このnoteにコメントか、TwiiterのDMにご連絡頂ければ嬉しいです。色々な方のお話聞きたいです。

◆ここからは告知◆

foriioランチ会vol.1 やります!
日付:2019年7月11日(木)12時〜
場所:弊社オフィス2F
(〒111-0052 東京都台東区柳橋2-1-11 barq shinso bldg 2F)

「スタートアップ企業での、セールスのマインドセット」について、もう一人のばりばりのセールス・ウーマンいっこちゃんと共にお話しします。彼女のnoteはこちら。

スタートアップで働いているセールス担当の方だけでなく、セールスマインドを知りたい広報・PR・事業企画、そしてクリエイターの方も大歓迎。

ちなみにこのランチ会はこの後も続けていきます!
こんなテーマで話聞きたい~等あればコメントください!

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