諸星きらりちゃんへの愛

アイドルマスターシンデレラガールズというゲームの、好きな女の子の話をする。

身長180cmを越えるにょわにょわ原宿系アイドル、諸星きらりちゃんである。わたしは346プロダクションで諸星きらりちゃんがいっとう好きだ。

最初はあまりの作られたキャラクター感に「うわぁ」と思った。もっと売りようがあるだろ、なんでそのタッパにそんな喋りで行けると思ったんだと。おまえはそのキャラいつまで通用すると思っているのかと。

▲ プロフィールと台詞。彼女はゲームがローンチされた当初からこのキャラでやっている。

けれど、諸星きらりちゃんのその喋りは彼女が編み出した苦肉の策であることを知り、高身長でもカワイイを貫く戦士であると知り、わたしはきらりちゃんにズボっとはまったのだ。

背の高い女の子にとって、カワイイを身にまとうのは大変なことだ。

まず、合うサイズがない。例えば既製服。着丈や肩幅に合わせて大きいサイズを買うと、身幅が合わないからダボついてしまう。トールサイズ(背の高い人向けサイズ)がなかった頃だと、着丈の丁度良い大きいサイズ(またはメンズ)の服を買うか、丈の短さを妥協してワンピースがチュニックになるのを我慢するしかないのだ。

ここで押さえるべきは、きらりちゃんは原宿系デコラファッションが好き、ということだ。デビュー当時の篠原ともえとか、きゃりーぱみゅぱみゅとか、そういう雰囲気だ。背の高さを活かすなら大人っぽいクールな雰囲気で良いのでは、とか、メンズラインをサラッとかっこよく着こなす、とかは、きらりちゃんの目指す理想とはちがうのだ。

また、子供の頃から背が高いと、学校でからかわれる。特に人の身体的特徴を笑う輩に目をつけられると、カワイイを身につけても背が高いから似合わないと笑われる。更に、高身長女児が小学生時分にショートヘアだと「おとこおんな」とか言われてスカートを履いたら女装呼ばわりされるメキシコが存在する。した。そういた笑われる体験が、次第に憧れへ手を伸ばす事を諦めさせてしまう。

背の高い女の子がカワイイを貫くのは戦いだ。そんな過酷な世界で、きらりちゃんは「着たい服を作る努力とくふう」と「カワイイをあきらめないという意志」で、今まで戦ってきたのだ。嶽本野ばらの小説に出てくる、着たい服をまとうことを諦めない少女たちのすがたに似ている。

さらに、きらりちゃんには、カワイイを諦めない強さと同時に、他人への臆病さが存在している。

彼女は、背が高いことで他人を威圧したり萎縮させることがイヤなのだ。怖がられるぐらいなら、変なやつだと思われるほうが良い。そう考えた結果が、あの素っ頓狂な喋りなのだ。あれは彼女なりに必死にこしらえた、道化の鎧だ。

最初は変な子でも、自分のつらさは後回しで気配りができて、ひとのことを思いやれる優しさも、きらりちゃんと付き合うと見えてくる。だから、どうか、諸星きらりちゃんを「変なやつ」の一言で終わらせないでほしい。鎧の下には等身大の17歳の女の子がいる。

かつて高身長がコンプレックスであり、カワイイを諦めた自分にとって、諸星きらりちゃんは、その名の通りまぶしい女の子だ。だから過分に肩入れをしているところがあるのは認める。けれど、もし彼女と出会うのが早かったら、もう少し憧れていた可愛いを諦めなかったかもしれない。諸星きらりちゃんはファッションと優しさで、女の子にさえ希望を与えてくれる女の子なのだ。

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