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深海メトロ完全乗車しました【Splatoon2オクト・エキスパンション/スクショ有】

水曜のE3で、任天堂から突如「明日(木曜)配信な!」と言われたSplatoon2のDLC、オクト・エキスパンション。トレーラーがめちゃくちゃ格好良くて、プレイアブルキャラクターに主人公のタコちゃんが使えるようになるというので楽しみにしていたやつです。裏ボス以外はひととおりクリアしたので、メモリーを練る意味で書いています。

上で書いたように、オクト・エキスパンションの主人公はイカではなくタコ。無印Splatoonの主人公、New!カラストンビ部隊のコードネーム「3号」と戦っていたこのタコは戦闘中に意識を失い、気づけばどことも分からない地下鉄の駅。傍にいたのはオールドスクールファッションのジジイ(イカ)、アタリメ司令。

不気味な無人駅、二人で道なりに廃線を辿って辿り着いた巨大なホームで、鳴り響くレトロな電話。主人公が受話器を取ると、電話は「約束の地へ向かう権利を得た」と告げた。かくて二人はメトロに乗って、約束の地……地上を目指すため、駅に設置された訓練施設をクリアして「四つのアレ」を集めるのだ……!

歯ごたえのあるアクションゲーム

ゲームの内容はTPSのアクションで、1ステージは結構短めとなっています。メトロの駅は全部で80ちょいもあるので、短く集中して遊ぶにはちょうど良いのかな。時間制限があるステージは短いと30秒。これは筋トレニュービーのわたしがプランクを1セットやるのと同じ長さです。(Switchは30秒録画機能がついているので、この制限時間は動画をアップロードする事も織り込み済みなんだと思います)

「1ステージが短い? もしや手数だけ多くて薄味のおまけコンテンツなのでは?」とんでもない。ステージの短さの代わりに難易度を上げてあるので、さながら噛み応え抜群のグミのような美味しいゲームです。たまにタイヤの味がするけれども。ジョシリョ区駅とオール内藤駅、お前らのことだぞ。

各駅(ステージ)にはミッションが設定されていて、それをクリアすれば次の駅へ進んだり、新たな路線を発見したりできるようになります。ミッションは、敵から逃げるもの、ガチマッチのルールを再現したもの、敵を全て倒すもの、射的、タワーディフェンス、立体パズル、ビリヤードと様々です。

▲大砲を使ってオブジェクトを守るミッションもある

また、使うブキは指定された中から選ぶもの、ひとつのブキしか使えないもの、ブキを使わせて貰えないものがあります。ブキなしで隠密移動とか、攻撃を避け続けるとかでストレスが溜まる場面では、ブキを手に入れた時に「やったぁ暴力だァ!」と大喜びしていました。

プレイヤーの得意不得意によって、同じステージでも難易度が上がったり、拍子抜けするほど簡単だったりする感想が見られて面白く、わたしはジェットパックとタワーディフェンスがむちゃくちゃ苦手なので、この要素があるステージは厳しいかった……。

ポエットなオマケ要素がついてくる

駅のミッションをクリアすると「ネリメモリー」と呼ばれるコレクションアイテムがゲットできるんですが、そのネリメモリーは主人公のタコちゃんのメモリーを練り上げたもの。コレクションページには57577の一句が添えられており、その句がクスっとしたり、ちょっと泣けてしまうような趣があったりする名句揃いで良いんですよね……イカ世界が派手で賑やかなカルチャーなのに対して、タコ世界は短歌とか俳句なんだな……という作中での文化の違いがこういうところに落とし込まれているの凄く好きです。

▲何食ったら「メッシュ加工の避暑地」なんて単語出てくるんだ……悔しい……

アートワークと音楽

▲ヒノオビクラゲの乗客と、インスマスに見える女子高生

深海メトロの乗客は深海に住む生き物がモチーフで、イカやタコほど地上に適応した姿になっていません。オクト・エキスパンション全体にどこか不気味な雰囲気が漂っている、その雰囲気を担っているのが彼らのデザインです(深海メトロの乗客については、jamstecとのコラボサイトで詳しい生態を知ることができます。読み応えがあるのでぜひどうぞ)

▲ピンポンツリースポンジのお姉さんが好きです

メトロの中はちょっと不気味だけれど、駅を降りたらポストアポカリプスSF世界で、人間達が使っていたカルチャーの名残がそこかしこに散らばっています。Splatoonの世界は海面上昇によって哺乳類が絶滅しているので、この世界の深海には名残が堆積しているんだな……ということをおもに三十路以上の人間へ視覚で分からせてくるんです。

▲アメリカンクラッカーだ……子どもの頃家にあった……

▲おっお前はMD! まさかここで出会うなんて……!

あとはリリアンとかスライムとか紐ガムがあったり、任天堂のゲームハードやゲームソフトがあったり、特に娯楽系のカルチャー遺物が多く見受けられます。背景を眺めるのも楽しいので、ステージで疲れた時は背景を見て、スライムで遊んでいたのを放置していたら乾いて落ちなくなった事やMDプレイヤーが無かった悲しみを思い出したりして気を紛らわせていました。ネタバレにならないように言及を避けているステージも、Portalのステージめいた広い空間と無機質さがたまらないです。

彩度低め、ちょっと不気味な本編の世界に対して、ゲームのロゴ、インターフェース、クリアムービーはレトロかつポップでキラキラしています。

▲アレをゲットしたムービー。70~80年代のレトロ未来感がカワイイ

この彩度や色彩の温度差がとても気持ちがよくて、これらのアートワーク見られただけでも価値がある……

その上音楽も最高なんですよ!

上記で紹介されている動画はゲームBGMのメドレーになっているカタログミックスなのでちょっと聞いてみて欲しい。設定も込みで格好いいので是非。チルっぽい感じのミックスがあったり、抑えめのビートで緊張感を持たせたり、アガる、というよりは集中できるけど耳を澄ますと良い音楽が流れている、という感じです。良い。

他にも拾っていくと小さなネタが沢山あって、中でもダイオウグソクムシのおじさんが好きでした。彼は集めた練りメモリーに応じてアイテムをくれるのだけれど、その時ブレードランナーから引用する場面があるんです。ポストアポカリプスSF世界でこういう引用がなされるのがとても好きです。紅の豚とかシェイクスピアも引っ張ってくるので、もしかしたら引用で喋るタイプのおじさんなのかもしれない。


オクト・エキスパンション、とても楽しいゲームだったんですけれど、もう一回やってくれと言われたら「いやこれは無理」って言うタイプの面白いゲームでした。後は裏ボスを頑張ってやっつけてやろうと思います。前の自分を……越える!(1時間戦って勝てない)