サイドスローへの挑戦

※この記事は全て無料で読めます

先日、ありがたいことにNumber webに記事が掲載されました。

2月に千葉ロッテマリーンズの石垣島キャンプに関わるアルバイトをさせてもらったんですが、そのときに記者の永田さんに気にかけていただき、取材に至りました。

まだ読まれていない方はぜひご一読ください!
https://number.bunshun.jp/articles/-/838904

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この記事にも触れられていますが、
本日のテーマは、自分の投球フォームの変遷について書いていきたいと思います!

1.過去
2.現在
3.未来

の時系列に沿って述べていきます。

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1.過去

今から9年ほど前、高校2年生のときに監督からサイドスローを提案されたのが始まりです。
高校の同期には140キロを超える右投手が2人いたこと・当時は線も細く、上から投げても130キロも出なかったこと・身体の使い方が横回転の方が適している
といった理由からの提案でした。

実際に投げてみたところ身体にハマる感じはあり、少し試してみた時期もありましたが、当時はこれからの自分の可能性を狭めたくない思いが強く、選択肢として残しつつも上から投げていました。

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大学時は、何度もフォームを見直す機会がありました。

大学1年までは全身を大きく使い、縦振りを意識したオーバースローでしたが、冬に肩を痛めてしまいました。
制球面の安定感も乏しかったため、テークバックを大きく見直し、元ホークスの攝津投手をモデルとしたフォームへの変更に踏み切りました。
ここ数年の自分のフォームの基礎はここにあります。

そこでの取り組みは今回のテーマからはズレるため深掘りしませんが、この変更によって大学2年時はわずかながら安定した成績を残すことができました。

しかし、球速が上がってこないこと、自分の投げやすさ、打者の打ちづらさ、今後の投手像を追求していった結果、またここで2年の冬にサイドに挑戦することとなりました。

一冬かけて作り上げたサイドスローでしたが、春先に全く思うようなボールが投げられませんでした。
チームに迷惑をかけてしまうことが懸念されたため、目先の春のリーグ戦を乗り切るため結局また上からに戻してしまいます。

このときの経験は今に活きていますが、なかなか自分の芯を確立できなかった4年間だったと思います。

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クラブチームの1年を経て、四国アイランドリーグの香川へ入団。
前期を終えて、また一度サイドへの打診をしたものの、安易な考えだったこともあり、すぐにまた上に戻します。

いかに自分がフォームに関して迷走していたかが分かると思います…笑

付け焼き刃というか、安直にサイドで投げてみるといった経験は何度もありますが、そこで毎回ぶつかる壁は球速が落ちることです。

もともと上から投げてもスピードボールが投げられないため、そこからさらに球速が落ちてしまえば、いくら打ちづらいフォームや素晴らしいスライダーがあっても圧倒した成績を残すことは難しいです。

結局、上からに戻したほうが球速も出ますし、過去の経験値として上からの方が配球面での引き出しも多いので大きく踏み切ることができずにここまで来てしまいました。

2年目の香川→徳島を経て、現在は独立リーグ3年目。
新潟での生活が今年から始まりました。

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2.現在

新潟で清水監督に出会ったことで、腕の位置を下げる決断をすることができました。

自分は上から投げる際、
踏み出し足着地時にまだトップができておらず、そこから無理やり引き上げて投げてしまいます。
僧帽筋を使って力づくで引き上げるために、捕手方向に向くべき力のベクトルが上方向に逃げてしまいます。

(このあたりに関しては、文字で説明するのが難しいのでTwitterで過去にあげている動画を見ていただけると伝わると思います)

トップを後から強制的に作ることで、
腕が遅れて出てくるというメリットがあるものの、肘へのストレスが強く、また力のロスがある分だけ強い球は投げられません。

こうした部分を、清水監督はすぐに指摘してくれました。
そして腕の位置を下げることによる自分の適性も伝えていただき、長年モヤモヤしていたフォームの悩みが解消される光が見えた瞬間でした。

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下げるといっても、極端に下げて、綺麗なサイドスローというわけではありません。
並進運動時に上体が前傾しやすいクセがもともとあるため、そこは強調してしまうと、頭がよりツッコミやすくなることも分かりました。

現在はグラブ腕の使い方や、首の使い方で自然な並進運動を行い、その中で「自分が最も腕を出しやすい位置」から投げるようにしています。
その結果として、現在はやや低いスリークォーターからのリリースとなり、自称サイドスローとしてフォームを固めている段階です。

腕の位置を下げることで、再び球速面での不安もありますが、無理やり引き上げる上投げよりはむしろ強い球がいく割合も多いですし、何より変化球の質が上がっています。

スライダーの曲がり幅は大きくなりましたし、曲がり方の大小も調整しやすくなりました。
ツーシーム・チェンジも制球しやすくなったため、逃げていくボールに頼らない配球をしていければと思っています。

あとはトレーニングとフォーム固めを重ねて、球速の向上に繋げられればと思っています。

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3.未来

今回のフォーム変更は、今の自分の年齢で上に行くための最後のあがきだと思っています。
近年のNPBでは「シチュエーショナル・レフティ」と呼ばれる左殺しがブルペンで必要とされています。

ここの枠に割って入るためには、何をしなければいけないかを日々考えながら、自分にしかない特異的な武器を磨いていければと思います。

この取り組みが正解とは自信を持って言えませんし、今後どういった成績を残せるかは全くわかりません。

ですが、冒頭の記事にもあるように今からオーバーで150キロを投げることは非現実的ですし、20歳からやり直すこともできません。

シーズンではとにかく左打者を封じ込めることを第一に考え、チームのピンチを救えるように最善の準備をしていきたいと思っています。

これからもフォームに関して何度も迷路に入ることと思います。
良い時も悪い時も、投球の動画や考え方を積極的に発信していきたいと考えていますので、ぜひみなさんのご意見や率直な感想を今後も聞かせていただければと思います。

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長文でしたが最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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新潟アルビレックスBC
三木田 龍元

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