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金八先生。

3年A組と言えば、

菅田将暉さんの代表作の一つである。

これはもちろん3年B組のもじりだろう。

ちなみに僕は金八先生を全シリーズ見ている。

ただ、しばらく見ていない時期があった。

第5シリーズの評判が良くて、レンタルで見て泣いた。

ガラスの少年。

風間俊介さん演じる、一見優等生ながら、実はクラスメイトの弱みにつけこんで裏から支配する彼は、家庭では誰よりも繊細で弱い少年という何とも難しい役を見事に演じ分けた。

続く第6シリーズは性同一障害を演じる上戸彩さんの熱演。

第7シーズンでは八乙女光さんが覚せい剤の幻覚に苦しむ役を熱演。濱田岳さんの演技も胸を打つ。

第8シーズンは、これまでのテーマの加熱ぶりから少しおとなしめだけど、僕はこれくらいの方が好きだったりする。

そして、ファイナルの卒業式。東北の震災で日本中が騒然とする中、それは放送された。これまでに出演した多くの生徒が出席する姿はまるで本物の卒業式だった。

見ている世代によって金八先生の名シーンは違う。

学校は社会の縮図だから、時代に合わせて内容も変わる。生徒と先生の関係も昔と今ではずいぶん違う。

教師も人であり、職業である。

ただ子ども達を相手にする以上、仕事だからと割り切れないところに難しさがあるのは言うまでもない。

子どもの頃、一番身近な職業は先生だった。

今思えば、理不尽なことを言われたり、平手打ちされた記憶もある。

現代なら不祥事なのだろうけど、僕にとってはいい思い出だし、それで学んだこともあるから別に嫌ではない。

もし自分が子どもに何かを教えるなら、どうするだろうと考えると到底僕にはできない仕事だと思う。

ある手作りイベントで子どもに教えた時「先生」と呼ばれた。その子にとっては何かを教えてくれる人=先生というだけのことだと思うけど、僕はとても嬉しかった。

子どもの笑顔は素晴らしい。かつての自分をそこに見るにはずいぶん時が経った。

子どもには子どもなりの悩みがあり、もしかしたら誰かを傷つけているかもしれない。けれども子どもには未来がある。僕にも未来はあるのだけど、彼ら彼女らには無限の、と言いたくなるくらいの未来がある。

金八先生には今でも大人気のスターがたくさん出ていると同時に、全く無名の生徒もたくさん出ている。

武田鉄矢さんがかつてバラエティ番組で田原俊彦さんと対談していた。

田原さんは武田さんが他の生徒には優しいのに、自分に冷たいと嫌っていた。

しかし、武田さんは強い上昇志向を持つ田原俊彦さんを、一人の人間として認め、接していたのだという。

武田さんは今でも金八同窓会を開いているそうだ。

金八先生の主役は、武田鉄矢さんだと僕はずっと思っていた。しかし、武田さんに言わせれば生徒が主役だという。

一人一人の適正を見て、どういう風に接すればその子の良さが出るかを考えて演じていたという。

そういう意味で、武田さんはドラマの中でも外でも先生だった。

金八先生はただのドラマではない。見る者と演じる者の成長記録である。

だから生徒である僕も成長したくて、また見るのだ。


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