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後ろ向きに考えるnote

変なタイトルに惹かれてここへ来たあなた。

ちょっとだけお時間を分けてください。

今、僕はとても熱いのです。

風呂上がりのせいかもしれません。外気の温度が高いせいかもしれません。

いや、それだけじゃない!!


熱さの原因はこの本です↓

4年前に文庫化されたベストセラーなので今さらという人もいるでしょう。

著者の森岡毅さんはUSJを辞め、現在丸亀製麺の改革に取り組んでいます。たまたまその舞台裏を取材している番組も見かけました。

ただ、個人的には関西人ながらUSJに一度しか行ったことがなく、できて間もないパークは想像以上に狭く、一日で全ての乗り物にも乗れたため、まぁそんなものかと思って以来訪れていない。今となってはE.Tに乗れたことは貴重ですが。

USJがどうも低迷しているらしいということはそれなりに聞いていて、森岡さんがV字回復の立役者であることも知っていたけれど、そして昔の職場は更衣室からUSJが見えてもいたので、夏になると花火が上がるのを見てもいたし、ライドに絶叫する声も聞いていたのだけど、まぁ今日までこの本を手に取ることは無かった。

そんな今、僕は激しく後悔している!

なぜならこの本は、実に胸アツなのである!

まず冒頭で、テーマパークは究極の集客ビジネスである。娯楽ビジネスであるがゆえに食品や生活用品のような安定した需要は無い。つまり、景気が悪ければ真っ先に削られるものとある。

しかし、だからこそ「集客アイデアの実験場」であると森岡さんは言うのだ。

なるほど、確かに。

では、そんなともすれば必要とされないテーマパークをどうやって現在の人気パークに変貌させたのか?

一時、年間来場者数が1000万人を突破したUSJも、森岡さんが着任する数年間は700万人台まで落ち込みました。しかしハリー・ポッターを導入した2014年度の年間集客数は開業年度の1100万人を大きく超え、なんと1270万人を記録。

また2015年10月にはUSJ月間集客記録の過去最高となる175万人を記録し、あの東京ディズニーランドやシーを超えたとあります。

本書はそのノウハウについて(マーケティングや数学的アプローチについては別の本に譲る)実に分かりやすく紹介してくれます。もし経営に興味が無い人でも、一体どうやってハリポタばりの魔法を使ったのかには興味がないだろうか?

森岡さんは3つの目的を打ち出します。

①映画だけではなく、「世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ」を目指し、より多くの消費者を顧客として取り込む

②関西だけに依存するのではなく、日本全国から集客できるパークを目指す

③USJの運営ノウハウを複数の場所に展開し、別軸のビジネスを世界展開させる。(補足:USJが成長することで、雇用、納税、経済効果を波及させ、社会経済を活性化させる)

これら一つ一つを見事に成功させ、現在もまた新たな挑戦を続けている。

具体的な苦労話は本書に譲るとして、僕がこの本を読んですごいなと思ったのは、夢の大きさもさることながら、とてつもないプレッシャーに耐え抜く精神力の強さだ。

450億ものコストがかかる無謀とも言えるハリポタの導入のため、向こう3年間を極小の資金で回さなければいけない。10周年という大きな節目を迎え、何とか準備を終えたまさにその時、震災の影響でガタ落ちする集客。周りの猛反対に耐えながら打ち出す起死回生のアイデアの数々は、ゆるぎない信念のもとに自分を信じ、自分も含めた周りを鼓舞することで成し得た努力の結晶である。

どこまでも顧客目線で現場にこだわり、アイデアを粘って粘って粘り抜いてひねり出す。とっくにご存知でしょうが、本のタイトルにもなっている後ろ向きのジェットコースターというのもその一つ。もちろん、それも簡単に実現したわけではない。

いささか神ががっているように思えるかもしれないが、彼には偶然性を排除したアイデアを生み出すノウハウがある。

それは目的→戦略→戦術だ。

ここではそれを基に僕のブログを例にして考えてみよう。

「目的」

僕がブログを書く目的はいろいろあるけれど、公開している以上その目的は「誰かに読んでもらいたい」だ。

「戦略」

目的の達成に必要な条件は何か?「読者を増やすこと」

「戦術」

では具体的にどうすればいいか?人気ブログや動画を分析すれば以下のようになるだろう。

・誰かのために役立つ情報やアイデアを公開する→特別な知識があればいいが、無い場合は、本やネットなどから仕入れることもできる

・よく読まれている記事の分析→自分の記事の中で閲覧数の多いものに関連する記事を増やす。また過去の記事をリンクさせ、なるべく多くの記事を読んでもらえるように工夫する

・思わず応援したくなるような熱意にあふれた記事を書く→そのためには自分で試して本当に良かったものを紹介する

・ハッシュタグをできるだけ多くつけて入り口を増やす

・フォロワーを増やす→手当たりしだいフォローしてとりあえずフォロワーを増やし、自分の記事を目にしてもらう(個人的にはしませんがw)

・無料の記事で一つか二つ有用な情報を公開し、有料記事へ誘う

・目をひくようなタイトルをつける(この記事のタイトルはそれです)

・参加型のブログにする→クイズなどでコメントを募集するような仕掛けを施す

・連続投稿してとにかく目立つ

・運営さんに紹介してもらえるようなしっかりとした内容の記事を書く

・読者への感謝を忘れないようにする

・読みやすい文章や言葉づかい、レイアウトの配置を工夫する

他にも記事を書く時に運営さんが右端にヒントをくれてますよね。

森岡さんはこういったアイデアの必要条件が明確になったら一人で考えこまずに、世界中から集めるそうです。

その理由は、すでに解決している類似事例を応用することで時間の節約になるし、今後の転用に役立つストックになるからだそうです。

いわゆるアンテナを立てるというやつですね。人は意識しないことは考えられませんし。

アイデアを考え抜いたら、それを実現させるべく実行します。絵に描いた餅では机上の空論です。森岡さんレベルになるとそれはとんでもないリスクを伴う重責です。

森岡さんは1000億円の売上がない企業は、守りに入って変革を怠ればすぐに潰れるから攻め続ける必要があると言います。多くの人は少し良いことがあるとすぐに満足し、それ以上の方策を立てようとはしません。

本の中の一例では、

ある音楽イベントのチケットを売ったときにわずか数分で完売した!と大喜びする部下を見て、森岡さんは値段のつけ方と売る数量を間違えたと後悔します。

外部条件が大きく変わらない時により良い結果(違う結果)を出すには、「違うことをやる」か「同じことを違うようにやる」しかないと断じます。変化を起こすには、大事な何かを捨てなくてはならず、最大の敵は「現状への満足」だと。

経営資源が潤沢にある大企業なら、失敗しても損失は補えますが、中小企業は目標が定まったら、一点集中で資金を注ぎこまないと勝てません。だから大企業よりもアイデアが必要なのです。

この時点での森岡さんの目標は、パークをもっともっと成功させ、世界最高のエンタメとして充実させれば、ストレス発散が必要な多くの老若男女がもっと元気になれるのではないかというもの。そしてそれは多くの人が身をもって体感したのではないでしょうか。

個人的にはハリポタよりもジュラシックパークの充実を望むのですが、本書を読むとそんな情熱がいっぱい詰まったUSJに久しぶりに行ってこの目で確かめてみようかなという気持ちになりました。

他の本もいつか読みたいです↓


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