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[05/03~05/10] 生成AI Weekly News

今回も社内で話題になった生成AIに関するニュースをご紹介します。
ローコードで LLM アプリを作れる「Dify」が注目されたり、Assistants API でも “Vision”機能が利用可能になったりと、今週もたくさんの話題に溢れていました。

それでは今週のニュースです!


プロダクト・サービス


ローコードで LLM アプリを作成 「Dify」

4月の記事でもご紹介した「Dify」が今週話題になってました。
「Dify」はローコードで LLM アプリを作れるサービスです。

DifyはオープンソースのLLMアプリ開発プラットフォームです。RAGエンジンを使用して、エージェントから複雑なAIワークフローまでLLMアプリを編成します。
LangChain よりも本番環境に適しています。

公式HPより

RAGも試せるようです。

追加予定の機能も公開されているようで、期待感が高まっています。


Assistants API でも “Vision”機能が利用可能に

OpenAI Assistants APIで、メッセージコンテンツに外部の画像URLやFile APIでアップロードしたファイルIDを含めることができるようになりました。アシスタントは会話のコンテキストの一部としてビジュアルを使用します。

ただし、画像をサポートしているモデルのみが利用可能です。画像を含むメッセージを作成するには、image_url または image_file パラメータを使用します。image_url は外部の画像 URL を指定し、image_file は File API でアップロードしたファイルのIDを指定します。

OpenAI Assistantsでも画像を活用できるようになり、よりリッチなコミュニケーションが可能になりそうですね。ただし現時点ではまだ一部のモデルに限られているようです。

https://platform.openai.com/docs/assistants/how-it-works/how-it-works/creating-image-input-content


リアルタイムボイスチェンジャー 「Supertone Shift」

読み込んだ音声を元に、特定の声質にリアルタイムでボイスチェンジができるサービスです。
ここまで遅延が少なくできるのはすごいですね。


Stability AI、日本語特化の言語モデル「Japanese Stable LM 2 1.6B」をリリース

Stability AI Japanは16億パラメータで学習した日本語の言語モデルJapanese Stable LM 2 1.6B(JSLM2 1.6B)のベースモデル指示応答学習済みモデルをリリースしました。

ポイント:

  • 16億パラメータで学習した日本語の小型言語モデル

  • SLM2 1.6Bのモデルサイズを16億パラメータという少量にすることによって、利用するために必要なハードウェアを小規模に抑えることが可能であり、より多くの開発者が生成AIのエコシステムに参加できるように

性能評価:
高性能な小型言語モデルをリリースすることで、言語モデル開発の敷居を下げ、より高速に実験を反復することを可能にします。なお、少ないパラメータ数の小型モデルであるため、より規模の大きいモデルで発生しうるハルシネーションや間違いをおかす可能性があります。

6億パラメータという小型モデルでありながら、40億パラメータ以下のモデルのスコアよりも高いスコアを達成し、70億パラメータのモデルに近いスコアを獲得


Sunoに続くAI音楽プラットフォーム「AIRaaga」登場

生成AI で作られた音楽をまとめて視聴することができるプラットフォームです。



ニュース


Microsoft 「AI at Wotk Is Here. Now Comes the Hard Part」(AI 導入が進む職場とその課題とは)

Microsoft から大変興味深い調査結果が公開されました。
マイクロソフトと LinkedIn が共同で行った調査によると、AI の職場での利用が急速に進んでおり、全世界の知識労働者の75%が生成AI を使用しています。しかし、多くのリーダーは、個々の影響からビジネスの底上げに AI を応用する計画やビジョンが組織内に欠けていると感じています。
この調査は、31,000 人以上の人々を対象に 31 カ国で行われ、LinkedIn の労働および採用トレンド、Microsoft 365の生産性シグナルの兆単位の分析、フォーチュン 500 企業との研究を基にしています。AI が労働市場に与える影響と、リーダーや専門家が知るべき洞察と行動指針が示されています。

AIの職場での普及状況、AI導入の課題、AIの労働市場への影響の3つに絞って要点を整理します。

AIの職場での普及状況

  • 生成AIの使用が 6ヶ月で ほぼ2倍に

  • 知識労働者の 75% がAI使用し、ユーザーの 46% は 6ヶ月以内に AI を使用し始めている

多くの従業員が自分の AI ツールを持ち込む(BYOAI : Bring-your-own-AI)現象が見られ、特に中小企業で顕著。

  • AI ユーザー

    • 独自の AI ツールを仕事に持ち込んでいる(78%)

    • 中小企業ではさらに一般的(80%)

    • Z世代だけでなく、あらゆる世代を対象

AI導入の課題

多くのリーダーはAIがビジネスに不可欠であると認識しているものの、すぐに ROI を示さなければならないというプレッシャーが、リーダーの動きを鈍らせている。

  • リーダーの意見

    • 競争力維持のために AI 導入の必要性を感じている(79%)

    • AI の生産性向上を定量化することに懸念を抱いている(59%)

    • 組織全体でのAI戦略やビジョンが不足していると感じている(60%)

即時の投資収益(ROI)を示す圧力があり、これがAI導入の障壁となっている場合があります。

AIの労働市場への影響

AI 技術人材は、過去8年間で採用率は 323% 増加した

  • リーダーの回答

    • AIスキルのない人材は雇用しない(66%)

    • AIスキルを持たない経験豊富な候補者よりも、AIスキルを備えた経験の浅い候補者を採用する(71%)

AIをほとんど利用しない、初心者、探索者、熟練者(パワーユーザー)の4分類に対するアンケート

  • パワーユーザーの 考える AI 活用の利点

    • 膨大な作業負荷が管理しやすくなる ( 92% )

    • 創造性が向上する ( 92% )

    • 最も重要な仕事に集中できるようになる( 93% )

    • よりモチベーションが高まる ( 91% )

    • 仕事をもっと楽しんでいる ( 91% )

(以下、他の調査回答者との比較数値)

  • パワーユーザーへの道

    • 新しい習慣を身につけることから(地道にコツコツやるしかない)

      • AI のさまざまな使用方法を頻繁に試す可能性が高い(+68%)

      • タスクの前に頻繁に一時停止し、AI が役立つかどうか自問する傾向が高い ( +49% )

      • 最初に完璧な回答が得られなかった場合でも試し続ける ( +30 % )

      • 新しいプロンプトを調査して試す ( +56% )

  • パワーユーザーが AI 活用をする作業

    • 情報を分析する ( +51% )

    • ビジュアルコンテンツをデザインする ( +49% )

    • 顧客と対話する ( +49% )

    • ブレインストーミングや問題を解決するために AI を使用する可能性が高い(+56%)

    • 個別のタスクを超えて、AI を使用してビジネス プロセスとワークフローを再設計する可能性が高い(+66%)


Microsoft が自社の LLM 「MAI-1」を開発中

マイクロソフトは、OpenAIへの100億ドル以上の投資と、そのAIモデルを再利用する権利の取得以来、初めて社内でAIモデルを開発しています。「MAI-1」と名付けられたこのモデルは、GoogleやAnthropicなどの大手企業のモデルに匹敵する性能を目指しており、約5000億のパラメータを持つ大規模なモデルになる予定です。MAI-1の開発は、マイクロソフトがAI分野で競争力を維持するための重要な一歩となります。

https://www.theinformation.com/articles/meet-mai-1-microsoft-readies-new-ai-model-to-compete-with-google-openai


OpenAI、ChatGPT の内部挙動(Model Spec)を公開

OpenAI から、ChatGPT の Model Spec が公開されました。
EU では生成AI に関する規制が進んでいるので、その影響でしょうか。


論文・技術系


LLM を利用した小さなwebスクレイピングツール 「ScrapeGraphAI」

ScrapeGraphAI は、LLM とダイレクトグラフロジックを使用して、ウェブサイト、ドキュメント、XML ファイルのスクレイピングパイプラインを作成するウェブスクレイピング Python ライブラリです。どの情報を抽出したいかを言うだけで、ライブラリが実行をしてくれます。

コードを見ればわかりやすいのですが、プロンプトを使って Webサイトから情報を抽出することができます。


ChatGPTと実際に交わされた会話の世界最大規模データセット「WildChat」


GPT4 レベルの高性能で、コストが圧倒的に低い 「DeepSeek」


自然言語プログラミング 「Zoltraak」



その他ニュース


Zenn のトレンド記事を、AI がラジオ風に紹介 「zenncast」

エンジニア向け情報共有コミュニティの Zenn のトレンド記事を、まとめて AI にラジオとして解説させるサービスです。

参照記事へのリンクが貼られているところ、スクリプトが表示されている、というのが使いやすくていいですね。


高校生が LLM を開発 「ArrowPro-7B-KUJIRA」

とある高校生が高性能なモデルを開発したとのことです。すごい。


Stack OverflowとOpenAIが業務提携


コニカミノルタ、生成AIが小中学生を個別指導


Softbank 生成AI等への成長投資、AI計算基盤の計算能力を37倍に増強

決算書の中で、AI 計算基盤への投資強化が強調されていました。

https://www.softbank.jp/corp/set/data/ir/documents/presentations/fy2023/results/pdf/sbkk_earnings_presentation_20240509.pdf


ウクライナ外務省が声明を発表するAIアバターを発表

QRコードを記載し、そこのリンクに飛ぶことでリアル動画かディープフェイクかどうかを判別できます。



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今週もニュースが盛りだくさんの1週間でした。来週もどんなニュースがあるのか楽しみです!

今週もお疲れ様でした!

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