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Expolis Column vol.4 映像から始める社会課題への取り組み【NPO法人ブラックスターレーベル】

行く先行く先で「噂」を聞いていた「映像制作会社」

私がNPO法人ブラックスターレーベルさんを知ったのは、EXIT FILMさんの活躍を様々な自治体さんからお伺いしたことがきっかけです。まずは、それらの取り組みからご紹介したいと思います。

横瀬クリエイティビティー・クラス

埼玉県横瀬町さんとの取り組みがこちらです。

「横瀬クリエイティビティー・クラス」は、クリエイティブを用いた地域の課題解決と人材育成を目的とした教育プロジェクトです。
人口流出と高齢化という課題を抱える人口8500人弱の町(平成28年時点)、埼玉県横瀬町の中学生を対象に、半年間展開しました。
プロジェクトの柱となったのは3つ。クリエイティブアイデアソン、トップクリエイターによる多様なキャリアについての授業、そしてPBL(Project Based Learning)型の映像制作です。
プロジェクトを通じて、参加した中学生たちが自らの可能性に気づき大きく成長しただけでなく、関わった町の大人たちの意識も変わり始め、町の持続的な発展のための基盤が形成されていきました。

https://exitfilm.jp/service/

KUROKAWA WONDERLAND

熊本県南小国町さんとの取り組みがこちらです。

『KUROKAWA WONDERLAND』は、2015年に実施した、阿蘇の山腹に位置する南小国町と黒川温泉に住む方々と、都内で活躍するクリエイターによる合同プロジェクトです。海外をターゲットに映像・Web・音楽・写真の作品群を制作。国内外のアワードを多数受賞しました。
当プロジェクトは、熊本県阿蘇の南小国町/黒川温泉郷の国内外での認知向上、ひいては日本全体の文化や観光資源をより多くの海外の方々と共有することを目的として行われました。少子高齢化が進み、地域の様々な伝統や文化の担い手が減っている中、地域のリソースをクリエイターの力で、エンターテイメントとしてオープンソース化することで、日本の文化・伝統・精神性を世界全体で共有したい。そんな想いで制作いたしました。
地域で暮らす当事者とクリエイター、関係者全員が明確な課題意識を持ち、各々のリソースを出し合う設計にすることで、短期的な地域プロモーションではない、クリエイティブを用いた持続可能(サステナブル)な地域活性のあり方の実現を目指しました。

https://exitfilm.jp/service/

Dance with the Issue

このように、EXIT FILMさんは地域の中に入り、新しい目線でその特徴を捉
え、映像化を行っている稀有な会社さんです。いつかは弊社でもご一緒させていただきたいと願い、その活動を追っていたところ、今回試写会のご案内をいただき、「Dance with the Issue」を見ることができました。

解決困難な社会課題に立ち向かう

あなたとみつける未来。 身近な問題とアートが組み合わさり、対話を促す90分の体験。 映画『Dance with the Issue』は、映画の持つ新しい可能性を目指して作られた作品です。 本作品が目指すのは『つながりのアップデート』。 エネルギー課題という解決困難な社会課題を、コンテンポラリーダンスというアート表現を通じて体感することで、市民一人ひとりが自分と社会とのつながりに思いを巡らせ、未来の新しい可能性に自ら気づくことを促します。
制作:EXIT FILM inc.
製作:Black Star Label 公式サイト:https://dwi.blackstarlabel.org/
劇場公開:2023年11月10日 シモキタ - エキマエ - シネマ『K2』他

https://www.youtube.com/watch?v=2KYtQJe0Y4o
より抜粋

「Dance with the Issue」はどのような映像作品なのか、公式資料から説明文を拝借します。

企業や地域の本質を引き出し映像化してきた監督 田村祥宏。彼が経済産業省、東京電力、そして自然エネルギーに取り組むキーマンたちから、エネルギー問題ついて自分の言葉で語る本心を引き出すインタビュー映像。浮かび上がる電力を取り巻く実情に、東京2020開会式での振付も手がけたダンサー・振付家の大宮大奨氏による美しく雄弁な身体表現が加わることで、観るものの思考を新しい感覚に誘う。
温暖化や気候変動を実際に体感する現代に生きる私たちの世界に何が起きているのか。戦後の復興、高度経済成長期から続く都市化や効率化を進めることで生まれる亀裂。立場ごとに信じるものが多様性を帯び、その課題は複雑にからみ合っている。インタビューによって導かれた事実と本音を耳にした時、自らに問う――「わたしはどうしたい?」。
映画『Dance with the Issue』』も90分間の作品として完成をいたしました。

内省を伴う映像作品

「Dance with the Issue」の目的は『つながりのアップデート』であり、

  • 電力問題という解決困難な社会課題に対し、様々な立場の有識者たちが課題の本質を語るドキュメンタリーパート

  • 答えの無い複雑な問題について思考するダンスパート

  • 観客が意識を自分の内側に向けるリフレクション(内省)パート

の3つのパートに分かれています。私の中では内省のパートで自分の中に生まれてくる感情がありました。

30minのシネマティック・リフレクションタイム
(ブラックスターレーベルPRtimes配布資料より)

今回は「電力問題」がテーマでしたが、私が博士号を取得したテーマはスマートシティにおける電力データに関するものでしたので、電力に関しては思い入れがあり、かつ課題を感じつつもいつの間にか離れていたテーマでした。現状は理解していたものの、映像でみた課題に関してまだ自身が貢献できていない点を痛烈に感じ、また地域課題のひとつとしてこのテーマに取り組んでいきたいと自身の中で大きな変革が起きたことが内省パートで起きた変化です。

試写会では他の視聴者の方々とお話するパートがあったのですが、参加者の方々の感じられた内容は三者三様であり、ひとつの映像を通して全く異なる変容を共有できたことは、自身にとって大きな成果につながりました。

地域課題を映像から抽出し、自身の意識変容、一緒に映像を見た方々の変容につながる貴重な経験であったため、コラムにさせていただきました。シモキタ - エキマエ - シネマ『K2』にて2023年11月10日(金)より上映開始となりますので、気になる方はぜひ足を運んでいただければと思います。

文責:松井

本コラムに関連する情報

  • Black Star Label HP


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