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IoTはまちづくりのためになる?【エクスポリス スマートシティレポートvol.3】

スマートシティにおけるIoTの役割とは

前回の記事でお話したように、スマートシティにおけるデータプラットフォームの役割は以下のような機能が挙げられます。

  • データ収集

  • データ蓄積

  • データ分析・解析

  • データ可視化

  • データ再配布

今回はデータ収集におけるIoT(Internet of Things)についてお話いたします。スマートシティは、情報通信技術(ICT)、人工知能(AI)、ビッグデータ、そしてIoTなどの最新技術を活用して、都市機能を最適化し、持続可能で質の高い生活を市民に提供するコンセプトを持っている、とお話してきました。

IoTはリアルタイム性の高いデータを収集し、そのデータを地域の営みに活かすというデータ収集の役割を果たす重要な技術です。


データ収集の役割

スマートシティの基盤となるのは、データの収集と分析です。センサーやカメラ、GPS、スマートデバイスなどから収集される大量のデータは、都市の運営における重要な意思決定を支援します。例えば、交通流のデータを解析することで、交通渋滞を減らす最適な道路使用計画を立案するなど、といったアクションです。

このようにセンサーや他のWeb APIから収集することが可能なリアルタイム性の高いデータを扱うシステムをデータ駆動型システムと呼びます。例えば自動運転車両は筐体に設置されたセンサーや他のデータを組み合わせ、次に進む場所を決めながら走行します。このように現在の状況に合わせた判断を行うシステムをデータ駆動型と呼びます。

IoTの活用

リアルタイム性の高い判断を行うためのデータを収集するために、IoTはスマートシティにおいて中心的な役割のひとつを果たしています。街のあちこちに設置されたセンサーが、エネルギー使用量、交通状況、環境データなどをリアルタイムで収集し、これらの情報を基にした効率的な地域管理が可能になります。

例えば、スマート照明システムは、必要なときにのみ街灯を点灯させることでエネルギー消費を削減します。利用する時にはエネルギーを使う、利用しない時にはエネルギーを使わないというシンプルな動作を24時間365日続けていくには、人間ではなくデータから判断して自動化し、制御をするシステムが必要となります。

IoTの動向

IoTは、スマートシティの中核を成す技術ですが近年の動向を見てみましょう。IoTは大きな進展を遂げ、都市インフラと市民生活のあらゆる側面に影響を与えています。以下は、IoTの主な動向です。

  1. センサー技術の進化:小型化された高感度センサーが、都市のあらゆる場所に設置されています。これにより、より詳細で正確なデータ収集が可能になりました。

  2. 通信技術の進歩:5GやLPWAN(低電力広域ネットワーク)の展開により、大量のIoTデバイスが低遅延で高速通信を行えるようになり、リアルタイム性の高いデータ処理が実現しています。

  3. エッジコンピューティングの台頭:データ処理をセンサー近くで行うエッジコンピューティングのおかげで、データの応答時間が短縮され、効率的なデータ処理が可能になりました。

  4. 統合プラットフォームの開発:異なるIoTデバイスからのデータを一元管理し、分析するための統合プラットフォームが開発されています。

スマートシティで活用されるデータの種類

このように進化したIoTですが、スマートシティではどのようなデータを収集する役割を持っているのでしょうか。スマートシティでは、以下のような様々なデータが収集、そして活用されています。

  1. 交通データ:道路上の車両の数、速度、流れのパターンなどのデータ。これにより、交通の流れを最適化し、渋滞を緩和する計画が立案されます。

  2. エネルギー消費データ:家庭やビルのエネルギー使用量やパターンを分析し、エネルギー効率の向上とコスト削減に貢献します。

  3. 環境データ:空気質、水質、騒音レベルなどの環境関連データ。これにより、都市の環境保全や公衆衛生の向上が図られます。

  4. 公共安全データ:監視カメラやセンサーからのデータを活用して、犯罪の予防や早期対応、災害時の対策を行います。

  5. 市民の健康データ:ウェアラブルデバイスやヘルスケアアプリからのデータを集め、公衆衛生の改善やパーソナライズされた医療サービスの提供に役立てます。

これらのデータは、スマートシティの運営をより効率的かつ効果的にするために不可欠です。IoT技術の進化により、これらのデータはよりリアルタイムで、より正確に収集・分析され、スマートシティの様々な側面において最適な意思決定が行われるようになります。

今回は「データ収集」におけるIoTの役割について説明しました。データ収集にはIoTだけではなく、様々なデータのソースを扱う必要があります。このような新しいデータを、既存のデータと組み合わせ、リアルタイム性の高いデータから得られた知見を既存の地域マネジメントのオペレーションに組み込む必要があります。次回のレポートでは現場のデータ収集の状況について説明し、具体的なオペレーション方法の解説につなげていきます。

過去の連載

私たちの役割

エクスポリスでは、スマートシティの概念を現実に変えるための技術と戦略をサービスとしてご提供しています。本レポートを通じてスマートシティについての理解を深めるためのひとつの手がかりとなれば幸いです。また、アクションを取りたい際にはお気軽にお問い合わせください。

弊社ではデータ流通プラットフォーム「Expolis Cloud Platform」を提供しております。既存のデータとリアルタイム性の高いデータを組み合わせ、目的に合わせたパフォーマンスを成し遂げたい時、ぜひお声がけください。

スマートシティにおけるデータプラットフォーム(データ基盤)についてはその利点がなかなか見えてこない、というお声をいただくことも多々ございましたので、本レポートにてなぜデータが必要となるのかについて明らかにしてきたいと考えています。

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