私が「見たいと思うVTuber」について

個人Vと企業Vの違いといえば、やっぱり一番はその知名度と情報拡散性だと思う。ブランド力とマーケティング力を使って一気に知名度を上げられる企業V(もちろん全部がそういうわけじゃないと思う)と、地道な努力を行って一歩ずつ階段を駆け上がっていく個人V(もちろん全部がそういうわけじゃないと思う)では、どうしてもフォロワーや登録者数に大きな差ができてしまう。

加えて、情報の流れが速い現代において、始めたばかりの個人Vが見てもらうには並々ならぬ努力が必要……だと思う。確信がないのは私がVTuberではなく、一介のリスナーに過ぎないからだ。それでもたびたび個人Vが「どうやったらもっと見てもらえるか」と悩んでいる様子を見てきた。なので、ここで私個人の本業であるマーケティングと、Vを見るリスナーとしての見解をまとめて、「こういうVTuberは見たくなる」的なのを10個まとめてみた。

「それあなたの感想ですよね?」って言われたらその通りだし、じゃあお前は感想述べたことないんかって思うので無視するとして、マーケティングにはバイヤーペルソナという考え方がある。いろいろな情報を調べて、「理想の顧客」という架空の人格を作り、その人に向かって売り込もう、という考えだ。理想で架空の顧客に売り込んでどうするんだ、と思うかもしれないが、つまりは「明確なターゲットがあれば、売り込み方も具体性を帯びてくるし、万が一この理想で架空の顧客と同じか近しい人物がいた場合、この売り込み方がヒットする可能性が高い」ということである。なので、この記事は私というバイヤーペルソナだと思って参考程度に見てもらえれば幸いである。

1:あなたがどんなVTuberか一発でわかるような自己紹介と、自己紹介動画が欲しい!

VTuberを見るのはほとんどがオタクで、既に推しの存在がいる場合が多い。加えて、推しを推すのに忙しくて新しい推しを作ろう、という余裕がなかったり、そもそも頑固でそういう思考に至らない場合も多い。俺の推しが一番なんだ、と考えてる人の興味の隙間に入っていくのは並大抵のことではない。そういう人にどれだけ面白い配信を見せようとしても、動画時間に1時間とか2時間とか書いてあると、それだけでげんなりする。私はする。なので、長くても5分くらいでまとまってる動画があるとめちゃめちゃ嬉しい。「私を見るときはこういうのを期待してくれ」って紹介してほしい。そしたら「なるほど、このVはこういうタイプなんだな」と、そもそも興味あるかないかがしっかり判断できる。「一問一答自己紹介」とか「5分でわかる」とかのシリーズがあると思うけど、そんな感じでいいんだ。とにかく「一度見てもらう」には「短い動画」が必要だと思うし、私がそれがあれば、ひとまずは見てみようかな、と思う。1時間はかけられないけど、5分くらいならお昼食べながら見れるから。

2:主軸となるコンテンツを作ってくれてると助かる

ASMRでもグラブルでもポケモンでも朗読でも歌ってみたでもAPEXでもマイクラでもあつ森でもなんでもいいから、「私はこれをメインにやってるよ!」っていうのがあるとすごく助かる。流行りに乗っかるのも大事だけど、絶対にぶれない、この人はこれ!みたいな自分の代名詞になるコンテンツは継続して視聴する理由になる。これが2,3個あると、可能性が増えるのですごくいいと思う。でもその分労力も大変になるので強くはおすすめできない。1つのコンテンツを毎週1回は必ず配信します!って言われて、そのコンテンツに興味があったら多分迷わずフォローする。見る。だって定期的な供給があるんだもん。毎週更新されるチャンネルって登録しない?私は3つくらいしてる。「この人のあれ、好きだったんだけど次いつやるんだろう……?」って待つより、毎週何かしら動きがあるとわかってた方が個人的には追いかけやすくていい。テレビ番組と同じよ。

3:流行りには乗るけど、やりすぎない

好きなVTuberが流行りものを配信してると、その流行りものに興味がなくてもとりあえずは見てみようかな、って思う。そこで興味を持つかどうかはさておき、自分が絶対に触れなかったであろうものを紹介、解説してくれると、こっちの見識も広がるのですごく嬉しい。誰かがすでにやってるから、じゃなくてあなたの情報発信でこっちは見たいんだよ。なのでレッドオーシャンにも突っ込んでくれ。でも上で言った定期的な供給も忘れないでくれ。わがままだけど頼むよ……それでこっちは生きてんだ……。あ、それとストーリーモノだったら最後までやってくれると助かります。途中で投げ出されると忘れちゃうから、せめて途中で「ここまではやります」みたいな区切りを……「続きは君の目で直接確かめよう!」って便利ワードもあることだしさ!

4:定期的な宣伝は欠かさないでくれ!

動画ができました!アップしました!みんな見てね!終わり!は困らないけど、困る。一度の宣伝じゃ見逃してしまうこともあるので、少なくとも動画なら公開して一週間くらいはガンガン宣伝してもいいと思うし、マーケティング的な観点から言えばすべきだと思う。セルフ引用RTは毎回文面変えてくれれば鬱陶しく感じないよ。そもそも興味持ってフォローしてても、通知取ってるような奴じゃないと一発の情報発信で確実に見る、ってことはないので、毎日宣伝しても問題ないと思います。少なくとも私は「アップしたよ!何度もごめんだけど見てね!」は全然ノイズに感じません。頑張ってるんだなぁって思います。あ、でも「RTお願いします!」はちょっと……RTするかは委ねてくれると嬉しいです。好きなら一度はRTするんで……!

5:コラボには行って!来てもらうのもいいけど行って!

コラボ枠にはゲストとして参加してほしい。なぜかというと、お邪魔すると「ゲスト」となり、話の中心になりやすいから。ホストになると確かに配信の主導権はあるけど、聞き手側に回りやすい。なので語る側になりやすいコラボのゲストが最善だと思う。ただし注意してほしいのは、新規リスナーの獲得はやや難しいという点。ゲストVTuberのリスナーがホストVTuberのチャンネルに行くので、ホストVTuberのチャンネル登録はしやすいけど、逆にホストVTuberのリスナーがゲストVTuberのチャンネル登録をするにはそこまで移動しなきゃいけないので、ちょっと大変……なのでリスナーを増やすならホスト、ファンを喜ばせるならゲスト、でお願いします!

6:わかりやすい挨拶をくどいほどにしてくれ!

「どうもこんにちは、○○系VTuberの○○です!」と、自分がどんなVTuberなのかアピールするのはめちゃめちゃ大事だと思う。初見に「おは○○~」みたいな特殊な挨拶をふっかけるより、自分がどんなVTuberかわかってもらう方が重要なはず。既存リスナーには何度も伝えることで刷り込みが期待できる。なので、初見コメが来たら迷わず「○○系VTuberの○○です!」みたいなことを言って欲しい。こちらも初見の場合は「初見です」ってコメントするので。そこでどんな人かわかれば、何を期待したら良いか自然とわかるようになるので!

7:人は基本的に検索をしない生き物だということを念頭に置いて切り抜きを作って

これはもうマーケティングに近い話になるんだけど、リスナーは検索をしない。推しを推すのに忙しいので、大半の人は検索をかけてまで新しいVTuberを開拓して見ようとは思わない。大抵の場合、Twitterの切り抜きで知るか、興味あるコンテンツを配信しててたまたま見る、の二択だと思う。なので、配信が終わったら、その配信の自分で面白いと思ったところを雑に切り抜いただけでもいいので、動画にしてアーカイブのリンクと一緒にTwitterに張ってもらえると、めちゃめちゃ嬉しい。面白かったら共有したくなってRTするし、見て面白かった感情を思い返せる。TLに動画が流れてきたら、一度は再生するもの。

8:身内ネタはほどほどに……

身内ネタが楽しい人にはほんと申し訳ないけど、個人的にはめちゃめちゃ苦手。独特のノリがあって、笑いのツボが全く同じじゃないと楽しめないし、コメントのタイミングもわからなくなってしまって、最終的に離れちゃう。身内ネタが全部ダメとは思わないけど、少なくとも初見コメが来たらいったんストップしてそっちに挨拶して、なんなら軽めの質問を振って話に引き込んでもいい。身内ネタを楽しむにはまず身内にならないといけないのでね。それに、初見に優しい配信はぶっちゃけ常連がいつ見に行っても楽しいものだと思う。思うってかそういう体験があって、それに基づいて言ってる。

9:予定は早めに出してくれー!

これまじで下手すると一番大変なんじゃないだろうかと思う。一週間の配信予定とかあるとめちゃくちゃ助かる。リスナーのその時間を予約するってことなので。突発的に行う配信には行けないことも多いし、配信という形だとあとから見返そうって実はあまりならない。なので「この時間に配信するよ」って予約を入れてくれると、こちらとしてもそのつもりで動けるので助かります。もちろん予定通りにいかなくても全然いい。「今日やるって言ってたんですけど無理ですごめんなさい」は全然大丈夫。もしかしたらその時間に別な推しが配信予定してたかもしれないし、とにかく「予定通りにやらなきゃ」と義務を感じて配信をやる必要は全くない。似たような話で、配信の待機所も24時間~12時間前くらいに出してくれるとすごく嬉しい。待機コメしたいもん。もちろん、突発的な配信もタイミング合えば行くけど、そういうのはYouTubeでわざわざやる内容じゃないと思う。そういうのはREALITYとかでいいと思う。

10:自分が楽しいと思えることだけをして

色々グダグダ言ったけど、こっちは推しが楽しく遊ぶ様子を覗き見してるだけの変態なので、自分が楽しいと思わなかったらやらなくてもいい。VTuberだって生きてるんだし、何かに飽きたりすることがあるっての、よくわかる。体調的にしんどくて配信するって言ったけどできないーってなるのもよくわかる。なので今日は無理だ、と思ったら言って。このコンテンツちょっと休みたいと思ったら言っちゃって。それで離れていくファンはその程度だし、なんだったら「いついつまでに続けるか判断するね」みたいなのを教えてくれたら、じゃあいついつまでは継続して見よう、ってなる。世の中新しい情報で溢れてるから、その時一番楽しいと思えることをやって、その姿を見せてくれ。それでいいんだ。

正直これが正解じゃないし、この通りにする必要なんてないし、ましてややってみて失敗したからといって私は何も責任は取らないけど、がむしゃらにやるより、目的意識持ってやった方が結果を分析しやすいので良いと思います。

あと、参考までに私という個人に対するマーケティングをかけるためのバイヤーペルソナを置いておきます。

名前はExt。年齢は28歳、男性。外資系企業に勤めてて、年収はそんなに高くなくて、今は500万欲しいなーと思っている。最近家を買ってウハウハだが、浪費癖もあり、ハマったものにはとことんなのであまり新しい何かを探求するタイプの人間ではない。それでも新しいものに触れようとは一応する程度。歌や声の良いVTuberが好き。最近彼女ができて少し見る時間が減ってるので、長時間の配信よりも動画形式の方が嬉しい。

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