SONICMANIAから数えると幕張生活の三日目。夜更かしを終えて熟睡を試みようにも昨日と同様に太陽がゴキゲンすぎて二時間も寝れず強制起床。この三日間がクソ長い一日のような地続き感である。

太陽のせいで眠れないというのもフジロックで毎年のように経験しているが、あそこではそもそもそんなに夜更かしをしないし、照りつけ狂ってきたとしても日陰に避難するとかできる。だけどSeaside Villageにはそのような場所が一切ないのがつらたみ。

気力や体力が回復しづらい環境ではあったが美浜茶房には本当に助けられた。朝食を食べることで一日の始まりを強く実感できたし、二日間で会場内外問わずいろんなものを食べたけどいちばん美味しかったのはここだったような気がする。屋根もあるし広い店内にソファやリクライニングチェアがあるのも良かった。

朝食を食べてから幕張メッセに移動。前日から狙いをつけていたキッズエリアの片隅にひっそりと佇むリクライニングチェアのある休憩スペースに座席を確保。この場所の近くにサマソニに来ると必ず立ち寄る静岡県茶商工業協同組合のブースがあったので冷茶購入。600mlで250円とかどう考えてもコスパ最強。また来年もお目にかかれますように。

●Sheppard
男女ヴォーカルが牽引するオーストラリアのインディー・ポップバンド。口ずさみたくなるようなキャッチーなメロディ、温かみのあるバンドアンサンブルは聴いていて心が弾んでくる。日本大好きオーラがゴリゴリに放出された感じも楽しくて疲労困憊ゾンビライクな我が肉体に魂が入った瞬間だった。お父さんに肩車された小さなお子ちゃまが「Say!Geronimo!」してんのチョー可愛かった…Σ（ﾟдﾟlll）

●CAST
ブリット・ポップ全盛期。俺は思いっきりそのブームに魅せられて周辺のバンドを聴き狂っていたんだけどCASTに関しては何故かほとんど聴いていなかった。興味がなかったわけではないが彼らのデビュー作「ALL CHANGE」がブックオフでよく投げ売りされてたこともあっていつでも聴けるだろうから後回し的なイメージのまま現在に至る。実際に観たライブは思いのほかギターの情報量が多くてそれまで抱いていた彼らに対するイメージが完全に払拭された。近くで観ていた若い男の子が俺の友達に「このバンド超かっこいいっすね」とか声かけてたの萌え。

●THE SOUL REBELS
ヒップホップやレゲエを取り込んだニューオリンズのミクスチャー・ブラスバンド。前日のTUXEDOと同じくビルボード・ジャパンがビーチステージに送り込んだ刺客であることから無駄に楽しいことは容易に想像できたんだけど案の定クソ楽しい場所になっていた。ライブもぶっちゃけステージはあんまり観ていない。どこにいても心地よく聞こえる音楽の豊かさを味わいながら波打ち際できゃっきゃうふふしてるだけで最高。Daft Punkの「Get Lucky」のカバーをやってくれなかったことだけが殺。彼らのミックステープは無料でダウンロードできるからみんなも聞くといいよ。

●NATHAN EAST
ガキの頃、両親が運転する車でいろんな所に連れて行ってもらっていたが車内BGMは必ず母親が狂愛していたエリック・クラプトンであった。その当時、彼のバックでベースを弾いていたネイザン・イーストをまさか自分が観ることになるとは思わなかった。全体的な印象としてはゴリッゴリにYAMAHAに支配されたバンドサウンド。ツインベース編成ということもあり彼が前面に出て弾き狂うわけではなかったがキメの部分で体感できるグルーヴは達観した人にしか出せないであろう凄みを感じた。聴きたかったスティービー・ワンダー「Sir Duke」のカバーは夕暮れに染まるガーデンステージで完璧にハマっていた。

残すライブはあとひとつ。

D'ANGELO AND THE VANGUARD

期待と緊張でゲロ吐きそうになる。

ネイザン・イーストの時にそれまで一緒にいた連れは疲労と体調不良のため大事をとってライブは観ずにキャンプサイトで休むことにしていた。そしてネイザンが終わったら合流して一緒にディアンジェろうと思っていた。

で、薄暗いなかキャンプサイトに戻ったら妙なタイミングでデコられたテントの横で連れが一杯飲みながら俺のことを待っていてくれた。体調も少しは回復したようだがまだ辛そうにも見えた。なんかそんな姿を見てしまってはさすがにディアンジェろうとも言えなかったので潔く諦めることにした。最後はのんびりしながら打ちあがる花火を横目に楽しかったサマソニを振り返るのも悪くない。美浜茶房で牛・豚・鳥すべての肉が盛られた1500円もするワンプレートを買ってきて、さあこれからという時に場内スタッフから衝撃的な一言を告げられる。

ス「あと10分で雨が降りますので注意してください…」

Σ（ﾟдﾟlll）Σ（ﾟдﾟlll）

しかも本当に10分後に雨ざーざー降りだしたもんだから泣きながら宴会の全てをテント内に押し込んだ。せっかくのまったりムードも台無しである。その時俺は思ったぜ。

ディアンジェれば良かった…Σ（ﾟдﾟlll）

でも、テントの中で迎えた終演後の打ち上げ花火は今までサマソニやフジロックで見てきたものを凌駕するほど美しく綺麗なものだった。ちょうど真正面に打ちあがっていたので立地的にベストだったのよね。忘れられない光景がまたひとつできた（ような気がする）

4年ぶりにサマソニに来て思ったけど幕張開催において言えば環境面はほぼ完成されたといえる。

【良くなったところ】

・プレミアムチケットやキャンプサイト購入者に対しての待遇が手厚い

・ビーチステージ、ガーデンステージの充実

・主要ステージ以外の場所でも音楽を鳴らそうという意気込み

・ビルボードやホステスなど外部団体によるステージプロデュース

サマソニってフジロックと比較するとどうしてもライブ単体でチケット代の元を取ろうと考えがち、っていうか今までは常にそういう気持ちでいたけど今年に限っては場所としてもすごく楽しかった。カラダは自業自得でボロボロだったけど心は満たされ狂っていた。サマソニいいよサマソニ。