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断末魔の叫び地獄のハイレゾ体験記〜mnk(T.美川 沼田順 近藤祥昭) at GOK SOUND Lスタジオ

ツイッターでこの告知を見た瞬間に速攻で行くことを決意した。だってこれどー考えても衝撃的な体験できるやつじゃんか。限定30名とあって我先にと予約ぶっこんで当日を楽しみにしていた。

会場であるGOK SOUNDのスタジオは数多くの名盤が録音された聖地のような場所で去年GOK FESTIVALというイベントで初めて訪れた時は人知れず感動したものである(その時のことを書いた記事はこちら

開演少し前に入場。受付で清算を済ませていたら傍らにいたJOJO広重さんが冷蔵庫のなかからドリンクを取ってくれた。下戸な俺はウーロン茶にしたんだけどそれが栓抜き必須な瓶仕様でさ。生きている価値なしな俺に対してJOJOさんが栓を抜いてくれたのよ。

JOJOさんごめんなさいΣ(゚д゚lll)

JOJOさんごめんなさいΣ(゚д゚lll)

JOJOさんごめんなさいΣ(゚д゚lll)

血がどばぶしゅーって噴き出すのも厭わず俺が齧ってでも栓を抜きますよΣ(゚д゚lll)

このまま死んでしまいたい或いはJOJOさんが死ねって言えば死ぬからという気持ちを抱えながらLスタジオに移動する。中央に向かい合うようにmnの機材があって取り囲むように客席が用意されていた。四隅に配置されているレスリースピーカーの存在感が熱い。

第一部はmnによる演奏を近藤さんがオープンリールテープレコーダーで録音するという流れ。この段階ではノイズならではの暴力性を発揮すると言うものではなかった。美川さんは不穏な緊張感を形成しつつもどこか糊代のようなものをきちんと残しながら展開の中で敢えてリズムを刻んだりもして規則性という傷跡を残しているようにも感じた。先々の事を意識している演奏と言ったらいいのかな。一方の沼田さんはギター、カオシレーター、テルミン(のようなもの)を駆使していまこの瞬間の衝動をダイレクトに鳴らしているような印象を受けた。

休憩を挟んでからの第二部は第一部で録音した演奏の逆再生をレスリースピーカーから流しながらmnが更に音を重ねるといったもの。これがさ…

ギィィィィャァァァアァァ!!!!Σ(゚д゚lll)

グゥゥゥゥオォォーー!!!!!!Σ(゚д゚lll)

くぁwせdrftgyふじこlp!!!!! Σ(゚д゚lll)

実演数秒で断末魔の叫び地獄のハイレゾver.を体感するという極上のバイオレンス。第一部で録音されたノイズの亡霊(っていうか音量や音質)を揺らがせ狂ってる四隅に置かれたレスリースピーカーの猛威が俺の意識を中央に追い込んでいく→待ち構えているmnのリアルノイズにぶっ飛ばされるという最高に幸せな八方塞がり。自分の頭を鷲掴みにされて脳汁ゴッソリ搾り取られたような生絞り地獄を味わうことができた。

とはいっても俺だって一応ノイズ大好きっ子なわけで。ただ死んでるわけにもいかないじゃんか。好奇心が先走ったこともあって途中から席を離れて可能な限り動き回りながら音の聴こえ方の違いを検証していたんだけど定点観測では得られない楽しみをたくさん見つけることができた。ノイズを構成する音の層ひとつひとつの輪郭を味わったり、超至近距離でmnの手元を見ながら仕組みを学んだり、どさくさに紛れてレスリースピーカーに耳突っ込んだりもした。ライブなんだから自ら音を捕まえにいってナンボっしょ。嗚呼めっちゃ楽しかっただよ。

終演後には美川さんや近藤さんがお客さんと談笑する場面がみられた。お二方ともネタばらしというのでもないけど、興味深い話をいくつか聞かせていただくことができた。まあ人見知りなので完全に盗み聞きなんだけどさ。んなこたあどーだっていいのだ。去年GOK FESTIVALに遊びに行った時も思ったんだけど、GOKスタジオの人って近藤さんを筆頭に意外とウェルカムな姿勢をもっておられるというかすごく人当たりも良いのでこういう企画がある時には積極的に皆で遊びに行こーよ。他では体験できない音楽との接し方ができるから。とりあえず今年もGOK FESTIVAL\お願いしまーす/

近藤さんのインタビュー記事

そういえばこれの意味がよくわかんなかったんだった…キングオブ異物。

補足:美川さんが謎の異物に関して説明してくれましたので引用しておきます。

バイノーラル録音 - Wikipedia
バイノーラル録音(バイノーラルろくおん、 英語: Binaural recording)とはステレオ録音方式の一つで、人間の頭部の音響効果を再現するダミー・ヘッドやシミュレータなどを利用して、鼓膜に届く状態で音を記録することで、ステレオ・ヘッドフォンやステレオ・イヤフォン等で聴取すると、あたかもその場に居合わせたかのような臨場感を再現できる、という方式である。

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