エルスース財団記念館

詩とダンスのミュージアム by 野村喜和夫

ちょうど一週間前の4月22日、新詩集『単調にぼたぼたと、がさつで粗暴に』『小説』二冊の同時刊行を記念するトークイベントが行われました。一緒にお話してくださったのは蜂飼耳さんと藤井貞和さん。その内容はいずれビデオでご紹介できると思いますが、今日お話したいのはその会場。世田谷の閑静な住宅街にある詩とダンスのミュージアムなんです。

なんとこのスペース、詩人の野村喜和夫さんと奥さんのフラメンコダンサー眞理子さんが、自分たちの住んでいた家を改造して作ったもの!4月1日にオープンしたばかりだとか。

事前に見せていただいたパンフレットには、「詩人野村喜和夫の書斎(蔵書貸し出し可)」とか「詩人野村喜和夫の歩み」の展示コーナーとかが載っていて、まさか野村さん、生きているうちに自分の文学館を作っちゃったの?とびっくりしましたが、行ってみるとそのとおり、ちゃんとありました。

一階に三十名くらい入れるカフェがあって、当日のトークはそこで。壁に暖炉の嵌め込まれた洋風の部屋で、聴衆はワイングラス片手に話を聴けるいい雰囲気。詩の朗読や話をするにはぴったりの空間でした。

それにしても思い切ったことをやりましたね、と訊いてみると、野村さんいわく、草野心平さんがバー学校を開いて詩人の溜り場にしたみたく、東京で気軽に詩を愛する人たちが集う場を作りたかったとのこと。これから定期的に詩のイベントを開催してゆくおつもりだそうです。

野村さんは僕がもっとも信頼する詩人にして詩の批評家のおひとりですが、詩を詩集の黙読から解放して、声と生身の肉体を与え、ライブの批評の場を設けることによって豊かにしてゆこうとする強い心意気を感じました。だって私財なげうって、人生賭けてるわけですからね。一般の人を招いてのイベントはその日が最初だったとのこと。へえ、こけら落とし!と言うと、モルモットですよ、と笑ってらっしゃいましたが。

日本に帰国する楽しみがひとつ増えました。また使わせてくださいね。

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