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牛田智大さんのラフマニノフ、名演でした

千歳JAL国際マラソンのことを書こうと思ったのですが、北海道から帰ってきて聴いたコンサートがあまりにも素晴らしかったので、こちらを先に。

牛田智大 ラフマニノフを弾く @サントリーホール

牛田智大さんは天才少年として10才でデビュー。私もこれまでに10回弱コンサートに足を運んでいます。
ラフマニノフピアノ協奏曲、第2番は聴いたことがありました。牛田さんの演奏は繊細でロマンティック。美しい旋律をもつ第2番がピッタリという印象。

今回は、「パガニーニの主題による狂詩曲」と「ピアノ協奏曲第3番」。難曲であり、迫力も求められる。どうなるんだろうと楽しみに。ただ、先月だったかコロナになられたはずなので、体力的に大丈夫なのかと若干心配にも。かなり細身だし、10代の時、ステージで倒れたこともあった。

演奏は・・・・・素晴らしかった。
いつものような真摯さ、繊細さはそのままに、ダイナミックさとキレが加わり、魂のこもった演奏。凄まじくて、こちらも瞬きも息するのも忘れて聴き入りました。あまりやらないスタオベも、曲が終わった瞬間、弾けるように立ち上がってやってしまいました。
こんなに凄い演奏する人だったんだ。
指揮の飯盛範親さん、東京フィルとも息がピッタリ!
まさに名演でした。

プログラムには、いつもご自身の言葉でメッセージを。

牛田さんは一昨年のショパンコンクールで優勝候補に名前が挙がっていたのにもかかわらず、2ndラウンド以上に進めませんでした。クラシックファン達は驚いたりショックを受けたりしたのですが、ご自身もさぞ傷ついたことでしょう。その直後のコンサートでは、心なしか元気なく見えました。

でも、国内でとても精力的に演奏会を続け、いろいろな方々とコラボしたり、演奏の幅を広げている様子。ポーランドにも留学中とか。

今回の、一皮も二皮もむけた演奏を聴いて、大きな階段を上られたなと感じました。ショパンコンクールは、次の飛躍に向けての一休みだったのかも。

指導者として有名な下田幸二氏が、近くの席で拍手喝采。牛田さんのことを可愛がっている方なので、さぞ嬉しかったのではないでしょうか。それをみて、じーんと来てしまいました。

今回、テレビカメラも何も入っていませんでした。
この名演を映像に残せていないのが、本当に残念!
NHKさん何してんのよ・・・。

下田先生、インスタで評論をされていました。
あらためて心を打たれました。


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