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阪田知樹さん ラフマニノフ全協奏曲演奏会、すごい瞬間に立ち会えた日



一度生で聴きたいと思っていた阪田知樹さん


阪田知樹さん、もちろんお名前は知っていましたし、BSプレミアムでは演奏を聴いたことがありました。リストの難曲をとても軽やかに可憐に弾かれていて、一度生で聴きたいと思っていました。

そして、X(旧Twitter)で阪田さんの素晴らしさをよく投稿されている方がいらして、より一層関心が高まっていました。

https://x.com/mimolette_amor/status/1694915788468339091?s=20


今年は大好きなラフマニノフ生誕150年。
ラフマニノフが演奏される機会が多くて嬉しいです。

ラフマニノフ全協奏曲演奏、本当に?


感動のコンサートでした。
ラフマニノフの全協奏曲一挙演奏。

パンフレットを見た時、
「えーーっ!?本当に1日でやるの?」と驚きました。
普通2日に分けるのでは???
プレトニョフさんは、今月2回に分けて全曲シリーズを日本で開催中です。

ラフマニノフコンチェルト2曲演奏は、
藤田真央さんと牛田知大さんを聴きました。

https://note.com/ezl01242/n/n5f0c299b32a6

ただでさえ難曲で、体力消耗しそうなラフマニノフのコンチェルトを2曲弾くのは、かなり大変なのだろうなと想像。

それが・・・5曲です。
13時半開演で16時半終演予定(実際は17時近く)。
手に負担かかるフレーズの連続のはず。攣らないのだろうか。

完璧なエネルギーと集中力に巻き込まれ、感動の嵐



結果は、本当に素晴らしい演奏会でした。

ご自身も「今日という日を、私は一生忘れることはないでしょう。」とプログラムに書かれていましたが、聴衆も同じように感じた方は多かったと思います。

順番は、ピアノ第一番→第二番→第四番→パガニーニの主題による狂詩曲→第三番。阪田さんの巧さが際立つ演奏でした。

第一番は伊藤みどりさんが五輪で3A跳んで銅メダル取った時に使われた曲。最初の出だしから、心の痛みに触れるような旋律で涙。

第二番は最も演奏されるもので、伊藤みどりさんも第一番とともに使っていましたし、浅田真央さんもソチ五輪の伝説のフリーで使っていました。私は、子供の頃から、何か悲しくて泣きたいときに使用。今日もところどころ、ぐっと来ました。

第四番はほとんど演奏されないもので、聴くのもお初。ラフマニノフがアメリカに亡命してからの曲で、第三番から20年近く経過。曲調が全く違う。何か明るいというか、楽しいというか。あちこちにラフマニノフらしくない試みがあって、タンバリンが目立ったりしていました。マーラーみたいな曲を創りたかったのかなあ。

パガニーニの主題による狂詩曲、あらゆる種類が入った健康弁当みたいないろいろな感性を刺激される曲。阪田さんの第18番変奏、美しすぎました。

第三番、一番難しいのを最後に弾く・・・。
お疲れだろうに、最後までエネルギーが低下することなく駆け抜けました。大迫力。オケをグイグイ引っ張っていました。もうブラボーです!

第四番以外は、琴線に触れる旋律があちこちにあって、その度に目がうるうるしていました。
大曲、かつ難曲を、オケ、指揮者とともも。信じられない集中力で演奏。
2,000人の観客もそのうねりに飲み込まれていっています。
終わった瞬間、1階席は全員スタンディング。
2階席もかなりの人が立って拍手していました。
ブラボーもあちこちから。
近くの席の男性「さかた~!!!」って叫んでいました😂
すごかったー。またまた涙出ました。

それにしても、どうやったらあんな大迫力の音で、手に負担かかるフレーズばかり長時間引き続けられるんでしょうか?たった1.5時間の練習でも後半疲れで指がもつれて動かなくなる私からすると、超人としか思えません。
生で拝見した阪田さん、かなりの大柄。恐らく手も大きそう。だからこそあそこまでのテクニックとパワーで弾き続けられるのでしょうか。

終わった瞬間の会場の盛り上がり、そして、阪田さんと指揮者、オケの皆さんのやりきった感をみるに、今後このプログラムを見られるかどうかはわかりません。
この瞬間に立ち会えたことは幸せなことと思います。

さて、サントリーホールのあるアークヒルズでは、休日恒例のマルシェが開催。美味しそうなベーグルをゲット。


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