見える魚は01

見える魚は。 2016.3.29

連日の晴れ。随分暖かくなってきた。平地ではダウンはもう要らない。

3月はヤマメ釣りを愛する人間にとっては、特別な月。前年の9月末日をもって始まった禁漁が、1日から解禁になる。言わば正月。春は名のみの厳しい天候も珍しくないが、ヤマメは流れの中で、しっかりコンディションを整えている。さあ、暖かくして出掛けよう。

もう10年か、それ以上、ライズ・フィッシングという釣りにはまっている。ライズとは、魚が水面の餌をついばむ行動のこと。ヤマメは水面を流れてくる羽虫、カゲロウやトビケラやカワゲラなどを、水面を割って食べる習性があり、そのとき水面には痕跡の波紋が広がるのだ。俗に、見える魚は釣れないと言うが、この状況下ではその原則は当てはまらない。
魚体が一瞬見えることも多く、緩やかな流れでは、水面下に定位している魚を視認することもある。こうしたポイントのヤマメは、多くは選り好みをしており、それに合った毛鉤を選び、細心の注意でキャストしなければならない。コトが首尾良く運んで、その毛鉤を咥えてくれたとき、その後のファイトと併せ、強い恍惚が訪れる。辞められるはずがあるまい。

今週はヒタモノつくり解散式や山田別荘定例など。川が呼んでいる。

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・水面に浮くカゲロウの成虫。水面下で羽化し、漂うところを襲われる。

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・なぜかこの手の魚は、体色が銀色になることが多い。それを銀毛という。

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・人間にとって快適な日は、なぜかあまり釣れない。面白いものだ。