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動的体幹トレーニングの初級編(四つ足編)

こんにちは。

Jungle Gym週末担当の菅原です。

今回のトレーニングも【四足動物の動きを応用したエクササイズ】です‼
前回,前々回と続き,更に発展版です‼

今回のJungle Gymは無料公開となっています‼
どうぞ,ご覧いただき日々の患者さんのトレーニング指導にご利用ください‼


1.体幹の可動域と筋力に働きかける四足訓練


 四足動物の姿勢は体幹の前面を鍛えるような体幹トレーニングの初歩の運動になります.進化の過程から4つ足動物から徐々に2足歩行へと進化していきます.

人間も,赤ちゃん時代からハイハイにより,立位に必要な体幹や下半身,上半身を鍛えた末に1歳ころから,歩行が習得できます.

反対に言えば,4つ足歩行がしっかりと取れないと,2足歩行はできないのです。

 しかし,人間は長年生きていくと,体の筋肉を使わなくても,立ったり,歩いたりする癖が生まれてしまいます.正しい使い方ではなく,疲れない楽な使い方を覚えてしまうのです.そのため,筋肉を使わずに,靭帯や骨で姿勢を支えてしまったり,だらしない姿勢で行動したりしてしまう様になります.

 見栄えだけ崩れるだけであれば,まだいいのですが,人間は楽な姿勢をとっていると筋力を全く使わない姿勢(自分が得意な筋肉だけを使う姿勢)になってしまうので,機能的にも体が使いにくくなってしまいます.

っと前回のコラムでも書かせていただきましたね‼

 私も,普段北海道の小学生の日本代表レベルの子どもたちを観察しています。しかし彼らも,チームで体幹トレーニングなどを行っているようですが,私の目から見るとはっきり言って,自分たちのレベル以上のトレーニングをしており,全く正しい運動ができていない子供が9割以上います.

子供のうちにできてしまった癖を戻すことはなかなか難しいです。

だからこそ,今のうちに修正する必要があります。

なぜこのようなエラーが生まれるのか?
それは赤ちゃんのときからの発達の際にエラーが生まれてしまった結果なのです。


2.四足トレーニングの進化

前回のコラムで,四足トレーニングの姿勢保持訓練からの発展動作を行いました。

「4つ足姿勢から脊柱に動きを入れていく動作」です。

前回の動作では体幹部の柔軟性とトレーニングを兼ねた運動でしたが,そこから徐々に抹消に運動を変化させていきます。


3.今回の四足トレーニングはAnterior &Posterior スライド


前回の運動「キャット&カウ」では四肢の4点を固定した状態から,体幹の自由度を高め,柔軟性と体幹の筋肉を使う練習を行いました。

そして,今回はよりフィットネスやスポーツに近づけて行くために,体幹を固定した状態で,四肢の近位部(股関節や肩関節)を動かしていくトレーニングを行います。

4.理学療法士的 Anterior &Posterior スライド 実演


まずは↓動画をチェック


5.Anterior &Posterior スライドの細分化

していきます。

まずは基本姿勢から。

① 今回の4つ足トレーニングは膝を付きます。なので6つ足トレーニングです。
 膝はできるだけオヘソの下に落ちるように設置します。

② 肘のくぼみが正面を向くようにしっかりと力を入れます.指先も合わせて正面を
 向かせます.

③オヘソは内臓が落ちてこないように軽く凹ますことを意識します.

④骨盤・背中・後頭部のラインをそろえます

⑤顎を引き,顎が上がったり,頭が下がったりしないようにします.

これが基本姿勢です.この姿勢から動きをスタートさせます.


そして,動作の開始【Anteriorスライド】

①  基本姿勢と同様に骨盤から後頭部までのラインを一直線にします

② 肘のくぼみが正面を向くようにしっかりと力を入れます.指先も合わせて正面を
 向かせます.

③オヘソは内臓が落ちてこないように軽く凹ますことを意識します.

④実際に運動を行うのは股関節と肩関節(注:体幹は動かないように)前方にスライドしていくように。

⑤顎を引き,顎が上がったり,頭が下がったりしないようにします.


【基本姿勢】→【Anteriorスライド】→【基本姿勢】→【Anteriorスライド】

この動きを連続して行います。

※運動が正しく行えていない場合は体幹が動いたり,頭が下がったりします。


次に【Posteriorスライド】

Anteriorスライドと基本的に注意点は同様です。

※股関節の屈曲の可動域が足りない場合,骨盤や腰部の動きが入りやすくなりますので,注意‼

① 基本姿勢と同様に骨盤から後頭部までのラインを一直線にします

② 肘のくぼみが正面を向くようにしっかりと力を入れます.指先も合わせて正面を
 向かせます.

③オヘソは内臓が落ちてこないように軽く凹ますことを意識します.

④実際に運動を行うのは股関節と肩関節(注:体幹は動かないように)

⑤顎を引き,顎が上がったり,頭が下がったりしないようにします.


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<効果>

 ・体幹前面の筋の活性化

 ・殿筋の活性化

 ・肩甲帯周囲の活性化

 ・背筋の活性化

 ・体幹を固定しながら,四肢の動きを行う練習

 ・姿勢調整

 ・複合的な荷重訓練のため,多くの筋の動員が得られる.

【回数】

 ・5往復ずつ(3〜4セット)


↓最後にもう一度動画を確認


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 この運動は体幹を固定しながら四肢を動かすという,運動やフィットネスにとても重要な要素になります.

 例えば,スクワットが困難な患者さんなどもこのような運動から行うと,正しいスクワットの姿勢が取りやすくなります。

 私自身,普段の病院臨床で用いているエクササイズです.70歳や80歳の高齢者に対しても用いることが可能です.

 また,プロゴルファーやサッカー選手、野球選手などといったスイングモーションやシュートモーションに入る練習などにも有効なトレーニングとなります。
このようなスポーツの場合,体幹のための四肢の自由度を高めることでパフォーマンスが劇的に改善していきます。

そのため,体のコントロールや体幹トレーニングにも有効なトレーニングです‼

いわゆる動的体幹トレーニングです‼

 歩行が不安定な患者さんや,体幹が弱い方,腰痛がある方に対する初歩の運動としても良好な運動となります.ぜひ,みなさんも自分がまずはできるようになってから,患者さんに処方してみましょう‼

以上‼

Jungle Gym 週末担当のアニマルフローインストラクター 菅原 でした‼

また,来週の土日お会いしましょう‼

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