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理学療法士的シンギュラリティー【PTver1.0からPT4.0へ】

 シンギュラリティー「技術的特異点」
 簡単に言うと,「人類に変わって,日々進化を続ける人工知能が人類に変わって,文明を進化させますよ!その主役を担いますよ!」という話.

 文明の進化により,各々の職業の働き方も日々進化していきます.日本の理学療法士も日本で誕生し,約60年が経ちました.少しずつ職域が拡大していく中で,我々の働き方は,昔の理学療法士と同様な働き方で良いのだろうか?

 今回は【人工知能×理学療法士】という話ではなく,理学療法士の進化【世界の中で(または日本の中で)理学療法士はどのように進化をしていくのか?】時間の流れに伴って,理学療法士はどのような働き方に進みつつあるか?というお話.

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【日本の理学療法士の流れ】

 理学療法士の養成校が日本にできたのは今からおよそ55年前。東京都に日本ではじめての理学療法士の養成校が誕生しました.そして,理学療法士法が制定され理学療法士のルールと言うものが生まれました.

 我々は,50年前にできた理学療法士のルールに従い,働いています.

 そして,50年前に現在の理学療法士協会が設立し,110名の理学療法士が誕生しました.

その後,1979年に短大教育が始まり,1992年に大学教育が開始されました.

1992年に大学教育が始まり,2000年になると専門学校が乱立し,2010年頃になると私立大学が乱立するようになりました.


理学療法士がはじめて誕生した1966年から,私が卒業した2009年までの43年間の間に誕生した理学療法士は【約6万人】です.

単純計算すると日本人の人口の2113人に1人が理学療法士でした.

しかしながら,平成31年現在では1年間の理学療法士の合格人数が1万1千人ととてつもない人数が理学療法士となっています.

現状では17万2千人の理学療法士が存在します
(理学療法士協会会員数は12万人)

43年間かけて6万人増えている理学療法士が,ここ数年で6万人増える世の中になりました.

日本中で溢れかえった理学療法士。
世界で一番理学療法士人口が多いのも,アメリカでもヨーロッパの諸国でもなく,日本が世界で一番なのです.

日本に17万人の理学療法士が働く環境が準備できているのでしょうか?


1.理学療法士 ver1.0

 1979年に短大教育が始まり,1982年3月に卒業した理学療法士は,現役合格者であれば,37年目の理学療法士は現在では58歳となっているくらいでしょうか,現在定年間近の理学療法士は日本で短大教育が始まり,各都道府県にも何人も理学療法士がいない時代に勤めたことでしょう.

 現在の理学療法士協会員としては56歳〜60歳の理学療法士は現在では2000人しかいません.

 とても希少価値があった彼らは,現在では各都道府県の理事や職場の課長になっている方も多いことでしょう.

理学療法士ver1.0とは簡単に言うと,サラリーマン理学療法士 である. 

 現代の5,60代の理学療法士の環境は日本にもまだ導入されていない手技や機器が多く,それを海外から導入したり,はじめたりした方々は簡単に,その団体のトップになったり、手技団体の会長になったりと希少価値が全面に使えることができていました.何かをしていても,なにもしていなくとも希少価値の恩恵を受ける事ができる世代です.簡単に言えば,「開拓使」。未来の発展を予想して,行動に起こすことが成功の鍵となったバージョンです。

 特にこの時代は,鍼灸師や柔道整復師,マッサージ師に対する敵対視も強く,理学療法士の誇りを強く描いている世代であるために,【技術優先:いわゆるArt】の世代であるために講習会に対してお金を使うことに厭わなかった世代です.先程も述べたように,希少価値があり,名声も受けやすく身分保障もされているため,お金に不自由することもなかった時代です
 

 この世代のポイントとしては【希少価値】があったということ.
 参加人数よりも空席のイスのほうが多いイス取りゲームをしていました.

 希少価値がある状態であれば,サラリーマン理学療法士として年功序列の中で通常に臨床業務をこなしていく事で,富や名声を得ることができ,将来性もあった理学療法士は生き抜くことは可能であった.しかしながら,現代では理学療法士も増え,サラリーマン理学療法士として年功序列の中で生き抜ことが困難となってきました.

 そう。現代の中では,ただただサラリーマン理学療法士をやっていても,役職などの順番が回ってこなくなってきたのです.
 理学療法士が17万人の大企業と考えると,地域のコミュニティは部署となり,病院は一つのチームとなります.現在では,その一つのチームにも数十人もしくは100人近い理学療法士が在籍することも珍しい話では無くなってきました.


 【理学療法士ver1.0】は.希少価値は病院や治療手技といった,学歴は比較的関係なく早者勝ちで偉い立場に立てるものには有効的に活用できたが,近年では彼らは定年間近となり,職域が狭くなりつつあります.


 大学教授と言ったポストは今後出現する【理学療法士ver2.0】へのバージョンアップする者により(日本の経済的にも立場的にも安定を求める世代が将来の安定性と年功序列を打ち破ろうと大学院教育に進学する人々),理学療法士1.0は大卒や短大卒が多いために,大学の教員や教授職はことごとく【理学療法士2.0世代】に奪われるようになりました.

 職場の上司の中でも,課長に付く人たちはこのような理学療法士1.0が多いのではないでしょうか?あくまでもこの働き方は理学療法士の希少価値がある時代の人達の働き方であり,現代の理学療法士が数十万人と増える世の中ではサラリーマン理学療法士をしているだけでは安定とは言えなくなってきました.

【理学療法士1.0】
 ・職場で働くサラリーマン理学療法士
 ・短大卒,大学卒,専門学校卒
 ・働きながら,立場を上げていく(年功序列)
 ・理学療法士としてのスキルの向上のために技術を学ぶ


2.理学療法士Ver2.0

 希少価値時代から,少しづつ理学療法士人口が増加し,理学療法士の変化が生まれた.

理学療法士2.0 『学歴×理学療法士』

 理学療法士の養成校が乱立し,理学療法士の希少価値が薄れてきた.そのために,理学療法士は学歴により希少価値を見い出し,世間からその立場を認められるような働きかけを行うようになった.1995〜2005年代の社会も同様に,学歴重視の社会へと変容をしていった.それに伴い,【理学療法士2.0】は大学院教育に進学をする者,海外に留学をする者などが出現することとなった.学歴により社会的地位を確立することが可能となった【理学療法士2.0】は臨床現場のみならず,大学教員,ジャーナルへの投稿,書籍の出版,翻訳,メディアへの登場等の仕事を行うようになり理学療法士の職域が拡大していくきっかけを造った.

.【理学療法士2.0】
 ・複業として,翻訳や書籍の出版,メディアでの露出
 ・大学院卒(修士・博士),留学経験者,バイリンガル
 ・学歴と業績により立場を上げていく
 


3.理学療法士Ver3.0

理学療法士3.0 『個人としての希少価値×理学療法士の知識の掛け合わせ』


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