「走るおレオミテイロ」 2019.03.03 J2第2節 ファジアーノ岡山×ツエーゲン金沢 マッチレビュー

 おれおみていろ。おレオミテイロ。レオミネイロ。

。。。 

プレビューはこちら。

 スタメンはこちら。岡山は前節から廣木、赤嶺に代えて、下口、レオミネイロをスタメンに起用。
金沢は前節、怪我で途中交代となった垣田、そしてこの日がJリーグ初出場となった後藤がスタメンとなりました。

【前半-シンプルイズベスト】

 立ち上がりからロングボールを使いながらセカンドを拾い自分たちのペースで試合を進めたのは岡山。このやり方で先に主導権を握ろうとする戦い方は前節も行っていて、かつ効果的でした。
 狙いどころはSBの裏です。岡山の保持時と金沢の守備時の配置はこうなります。

〇金沢の守備
 SBにボールが入った時にSHがプレスをかけることで守備のスイッチが入ります。そして、SBが前に押し上げてSHの選手にマークをつくことでインターセプトを狙う、CHは相手のCHをマークします。このようにゾーンではなく人に基準を置いた守備を行っています。

〇岡山の攻撃
 これに対して岡山は2トップのDFラインの裏を狙っていく動きを使い、金沢の選手を後ろ向きに走らせようとします。比較的左サイドでボールを持つことが多かった岡山。喜山がパスを受けると、仲間は下がりながらパスを受けようとします。これに対して金沢の毛利選手がついてきます。この時出来たスペースにヨンジェなりレオミネイロが走り込みます。
 金沢の中盤の選手たちは前からプレスに行こうとしますが、DFラインの選手は連動してついていききれなかったです。それは、岡山の2トップの裏を狙う動きに対応せざるを得ないからか、チームとして統一できなかったのでしょう。
 つまり岡山はMFとDFの間にもスペースを作ることに成功しました。これは今話題の『4レイヤー理論』を使えば、第3レイヤーを広げることに成功したと言えます。この効果からセカンドボールも拾いやすくなり主導権を握ることに成功しました。

 レイヤー理論に関しては上のブログで分かりやすく説明されています。

 そして、先制点が生まれます。相手のクリアミスからというのもあるのですが、ヨンジェのプレスからと言っても過言ではありません。2トップの2人がクリアに対しても最後まで足を出すことは相手DFからすれば嫌なことだと思います。ここ2試合のDAZNの解説の方曰く、ヨンジェは予期せぬ所からでも足を出してくるため厄介と言っていました。もちろん決めた仲間も素晴らしかったです!

【前半:金沢の攻撃】

 金沢の攻撃も岡山と同じようにトップの選手をサイドに走らせます。特に垣田選手(#10)がこの役割を担います。前節もこの形で主導権を握っていました。その他にはサイドからのクロス、コンビネーションを使います。
 それに対して岡山の守備ブロックは整理されて試合に入れたと思います。金沢のCBに対してはプレスをかけにいきません。金沢の攻撃にCBが効果的なパスを出すシーンは前節もありませんでした。さらに、CHも梅鉢(#33)はあまり攻撃に絡む場面はありませんでした。有馬監督は事前にここは無理に行かなくても良いという判断だったのでしょう。さらに先制したことでこの戦い方が岡山の選手全員が統一してできるようになりました。
 岡山は4-4-2のブロックを組みます。CBからCHに入ることはほとんどありませんでしたが、仮にCHに入った場合は岡山のCHとトップがプレスバックすることで挟みます。しかし、ほとんどはSBに出し、そこからロングボールを蹴らざるを得ない形に持ち込みました。垣田選手に対してはCB、SBでカバーしながら抑えることに成功しました。
 崩された場面はそれ程なかった前半でした。ただ19分の喜山がクリアしたシーン、終了間際のFKを何とか抑えられたことも大きかったと思います。

 下の図は金沢のサイドからのコンビネーションを使った攻撃です。この試合では数回しか無かったのですが、前節から似たような形だったので金沢の狙いだと思います。(図ではわかりにくいと思うので、DAZNで確認してください。30' ,  49' の2つの場面でありました。)
図は49' のシーンです。

【後半-噂のクルーニー】

 後半に入ってからもトップを使いながら金沢を押し込もうとする岡山。それに対して金沢は、後半垣田が真ん中よりもサイドに流れる形が増えていきます。そして、クルーニーを投入してクロスという形を明確に出し始めます。
 岡山は守備に回る時間帯も増えてきました。しかし、ここで素晴らしい役割を果たしたのがレオミネイロでした。守備時に4-5-1のような形になり、金沢の中盤に対してプレスに行きます。
 前半からプレスバック含めてかなり献身的な働きをしたレオミネイロ。得点こそありませんでしたが、こういう選手に早くゴールを取ってもらいたいです。

【後半②-試合の締め方】

 岡山は左からのクロスを警戒するために久保田に代えて関戸を投入します。特に左SBの沼田選手(#45)は精度の高いクロスがあるため、しっかりとプレスに行けるようにという交代だと思いました。
 そして、終始ハードワークし続けたレオミネイロに代わって齊藤を入れます。
 この齊藤から追加点が生まれました。サイドを使ったカウンターから最後は合わせるだけというボールをイヨンジェが決め切ります。このゴールシーン、ヨンジェがしっかりと齋藤に落としたことも良かったのですが、何と言っても斎藤が2人の間を抜いてからのクロスが完璧だったでしょう。まさに斉藤和樹さんに3000点というシーンでした。

 今年のファジのFWの選手はそれぞれが似たようなプレーが遜色なく出来ることは大きいと思います。特にサイドをえぐらせてクロスというプレーは齊藤の巧さが光るプレーだと思います。
 ヨンジェが早い時期にゴールできたことも良かったですね。去年は怪我に泣いた1年間だと思うので、今年こそ2桁ゴールに期待したいです。

 終了間際にクリアミスから失点しましたが何とかゲームを締め今季初勝利を挙げることができました。時間帯が終了間際ということで少し嫌な感じもあったと思うのですが何とか勝ち切ったというより、やってやったという印象の方が大きかったです。失点シーンには田中が絡んでしまいましたが、前節とこの試合の頑張りからすれば何てことありません。

まとめ

 早い時期にホームで勝ちが観れたことはサポーターにとってもうれしい事でしょう。そして、新チームを作っていくうえで一つ勝ったことでまた選手や監督も自信が持てると思います。
 特に攻撃ではやりたいことが浸透しているのではという印象です。ヨンジェとレオミネイロ(赤嶺)の2トップはJ2ではかなり武器だと思います。

 そして、レオミネイロがここまで頑張る選手だとは正直思っていませんでした。人は見た目が100パーセントって言いますしね。本当にごめんなさい。
 真面目な外国籍の選手をしっかりと獲ってくるあたり流石ファジだなと思いました。途中にも書きましたが、こういう選手が点を取って気持ちよくプレーするところを見たいです。

 有馬監督の金沢対策が上手くハマった試合だと思います。特に選手の距離感を重視して1週間練習を行ったそうです。今日は守備面で良い距離感だったので大きく崩された場面もほとんどありませんでした。

 前節はSHが頑張って(無理をしてでも)前へプレスをかけていたのですが、この試合は無理行くシーンも減っていました。むしろ、二度追いを頑張ることでボールホルダーへプレッシャーをかけることが効果的だったと思います。攻撃では良い形が何度も作れていると思うので、今後さらに守備が良くなっていければとも思います。

 そんなことより有馬監督のインタビューみなさん気になることありませんでしたか?そうです!有馬監督、声カラしちゃう問題です!
Kabayaさんよろしくお願いします。遠足のお菓子と言えばジューCとさくさくぱんだです。

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