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黄色はこどもの色と思っていたのに。

母曰く、幼い頃から私は黄色いものに対する執着心がもの凄かったらしく、黄色いものを見れば「まーちゃんのぉ、きいろ!」と謎のポーズを決めていたらしい(記憶にはない)。

これははっきり覚えているが、私がこどもの頃、女の子の子供服といえばピンク、あるいは水色だった。黄色い服や黄色い雑貨なんて滅多になかった。例えば、雑貨のカラーバリエーションが4色展開だったとして、その中に黄色が入っていることなんてまず殆どありえなかった。
事実、私の母親はきいろきいろとねだる私のために買い物に出かける時は常に黄色いものはないかとアンテナを張ってくれていたらしい。そうまでしないと見つけられなかったし、また見つからないことの方がずっと多かったそうだ。

みんなが好きなのはピンクかブルーで、黄色は欲しい人があんまりいないからないのよ、と母親が優しく慰めてくれたのを思い出す。
黄色は赤ちゃんのものにはあるけど、ちょっとこどもっぽい色なのかもしれないね、とも。
そうか、みんな黄色は好きじゃないのか、私がめずらしいだけなのかぁ、と思った。

そう思っていたのに、最近この時期に服を探しに行くと、毎年必ず淡い黄色のニットやスカートがおいてある。アイシャドウや、最近はカラーチェンジャとして薄づきのイエローリップやグロスなんかも出ている。雑貨のカラーバリエーションでピンクかブルーしかなかったところに、イエローが加わっているのも別段珍しくなくなった。ほんとうに、当たり前になりつつある。
なんだ、みんなも黄色のこと好きだったのね、とちょっと笑いたくなる。
私のような黄色執着症でないかぎり、この変化に気づいている人はそんなにいないだろうと思う。
気づいていないだけで、世の中がだんだん良くなってきていることは、全くないわけじゃないのだ、と信じたい。

ところで、世の中に黄色い洋服やコスメが増えてくれたのは嬉しい限りなのだが、悲しいことに私の顔色と顔立ちに、優しい黄色が絶望的に似合わない。
買っても肥やしになってしまうのに、展開される様々なきいろい商品たちに、懲りずに今年も惑わされている…。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!