スクリーンショット_2018-07-02_13

「見やすく、わかりやすく、伝わりやすい」デザインとは に参加してきた

先日、ユニバーサルコミュニケーションデザイン(UCD)の基本についてのセミナーに参加してきましたので、簡単にご紹介です。

目次:
1. UCDについて
2. UCDAについて
3. まとめ

1.UCDについて


講師は一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会の方がしてくださいました。

まず、身近なわかりにくさの事例ということで、とあるコーヒーサーバーのお話がありました。
「L」「R」だけを見ると、Left、Right、Large、Regularと人によって異なる意味に取れてしまう。
伝えたい情報がきちんと伝わらないデザインになっていますねということでした。
(後に「L」「R」の下にLarge、Regularと印刷が追加されたそうです)

人によってというところが肝ですね。
ターゲットユーザーのメンタルモデルをきちんと理解していないとデザインを間違えます。

ところで、なぜユニバーサル”コミュニケーション”デザインなのか?ですが、
デザインを通じできちんとコミュニケーションできないと、情報に価値がないという意味で、あえて、ユニバーサルデザイン の間に「コミュニケーション」を入れているそうです。

そして、たたみかけるように、

「情報品質」に格差があるため、わかりにくいのだと。
送り手(企業・行政)と受け手(生活者)の間に「情報の壁」があるのだと。
その壁(要因)を取り除くためのデザインが必要なのだと。

続きました。

スタイリッシュなデザインでも伝わらなければ価値がないものになってしまいます。

様々な理由/事情が考えられれますが、世の中にはコミュニケーションすることが難しいデザインが色々と存在します。
例えとしてよく言われますが、テプラなどで補足されている券売機などもそうですね。元のデザインで伝わらないからテプラで補足されます。
そして、テプラだらけに。デザイナーもそうなることを望んでいた訳ではないはずなのに。

情報の伝達ミスという視点では、数年前の保険金未払い問題のように、社会問題化してしまうことさえあります。

帳票系の事例としては、
・定額給付金申請書の記入不備:7割
・国勢調査用紙の記入不備:8割
というデータもあるようです。
その対応コストを考えると恐ろしいです。

きちんとデザイン(情報設計)できていれば回避できたことも多いと考えられます。

2.UCDAについて


ユニバーサルデザインコミュニケーションデザインアソシエーション。
行なっていることは下記とのこと。

・評価/分析
 ・情報量が多すぎると読みにくい、わかりにくいということで、「情報量」を数値化するアプリがあるそうです
 ・デザインと文書についてのヒューリスティック評価(評価基準は人間中心設計のISO9241-210になっています)
 ・色彩設計

・第三者機関としての認証
 ・2段階で認証している
  事例:認証の取得が東京都の防災ブックの競争入札条件に指定されたそうです。

・社会活動
 ・UCDAアワードを開催
 ・セミナー、展示会、ワークショップなど

・開発
 ・UDフォントの開発
  ・特性は
 ・劣化状態での視認性が高い
 ・数字の判読性が高い
 ・文字が密集しても可読性が高い
   事例:年金定期便、百貨店、バスのデジタルサイネージなど

・資格認定
 ・UCDの概念を広め、ビジネスで推進できる人材を育成
  ・1級:約100名
  ・2級:約1300名

3.まとめ

ユニバーサルデザインは、障害の有無、年齢、性別、人種などにかかわらず、多様な人々が利用しやすいようにすることですが、今回の内容としては特にそれらの差異に対してどのようにデザインすべきかという内容ではなく(一部色弱者の話がありましたが)、普通(何が普通かという議論もあるかと思いますが)に見やすく、伝わるデザインにして行くことが重要ですという内容でした。
事例としては、紙媒体が多かったですが、アプリやWebなどでも同様の考え方が必要です。

余談

はじめにUCDと見た瞬間、User Centered Designを想起しましたが、Universal Communication Designということでした。
省略文字は前提知識によって、異なった情報が伝わってしまうので気をつけたいです。
スペルアウト。大事です。
ただ、セミナー中に何度も”人間中心設計”というワードが出てきたのは救いでしょうかね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?