ニカーブ

住宅街の中のショッピングセンターへ行ったときのこと。カートをゆっくりと押して商品を選んでいる年配風の女性がいましたが、その姿に自分はドキリとしました。

黒いニカーブで頭と顔全体を覆い、見えているのは目の部分だけ。
髪はもちろん、鼻も口も耳も隠していました。

自分はイスラム教の女性が髪の毛を隠すことは知っていたし、地域や宗派によって顔も隠すことも知識として知っています。だから、その女性がイスラム教の教義にのっとっていることはすぐに分かりました。
とはいえ、仏教徒の自分にとってイスラム教はいちばん遠い宗教で、知りうることはテレビやインターネットの中のことばかりで、詳しいことは知りません。知らない上に、イスラム教といったらテロが真っ先に思い浮かぶもの。そして目の前の女性は、全体を黒いニカーブで目だけ出す姿がISISのテロリストにも似ていて、彼女には悪いけど

「まさか、自爆しないよね?!」

と思ってしまいました。そのとき、自分の心臓の鼓動が若干早まって軽く緊張したのを、帰宅した今も覚えています。
その後、自分は買う物が別な通路にあるので移動し、女性と再度すれ違うことはありませんでした。また、背後から爆発音が聞こえることもありませんでした(当然か)。
というわけで、宗教に基づく格好をしているだけなのに、自分の中の無意識な“思い込みからくるイメージ”を図らずも知った気がしました。何かというと、

身元が分からないような姿をしていれば悪事をしでかす

というイメージを持っていること。
自分はチャドル姿の女性を東京や札幌市内の繁華街とか空港利用時に何度も見ており、イスラム教そのものに悪い印象はないです。でもそれは、チャドルは髪の毛を隠すだけで顔はわかるから、かもしれません。そして今日はチャドルではなく、ニカーブで顔は完全にわかりませんでした。なので、最初に「年配風」とは書いたけれど、実際の年齢はわかりませんでした。そもそも、体系のシルエットすらわからないようになっていたから、女性かどうかも不明です。
それだとやっぱり・・・

「悪事をしでかす、ではない」と理解していても、色眼鏡で見ちゃう。

先入観なしに、色眼鏡なしに、相手や物事に接したいとは思うけれど、完全な排除が難しいことを悟った自分なのでした。まあ、それを自覚できただけ良しとするし、先入観や色眼鏡は無理に排除しないまま上手くやるようにしますよ。
それにしても、札幌中心部ではなく郊外の住宅街で、チャドルよりも顔を隠す姿を見かけるとは驚いた。

(お読みいただきありがとうございました。内容に共感していただけたら心付もお願いします)

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