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のぞき読書

電車。 隣の女はスマホを握って寝ていた。 揺れたタイミングで画面が光る。 そこには会社を舞台にした暗い文章が綴られていた。 小説家か? 文体が美し...

告白

『お前がやったんだろ、山田ぁ!』 「……」 『50過ぎて犯罪なんて恥ずかしくねえのか?』 「……」 『しかもお前の半分しか生きてない俺にこんな口聞か...

ある夏のこと。私は人生で初めて飛び込み営業に成功し、浮かれていた。新しく取引先となったKフーズの課長の名刺は、永遠に持っておこうと心に誓った。...

おかずを持って会社に行き、弁当屋で日の丸弁当を買うのが常だった。 その店の唯一のメニューなのだ。 しかし店は都市開発区域に指定され、立ち退くこと...

天の川Δ

「お父さん見て。星が綺麗だよ」 『ほんとだな!天の川も見えるぞ』 「すごーい。あそこで彦星と織姫が会うんだよね?」 『1年に一度、七夕の夜にな』 ...

ふじみ

「不死身にしてくれ」 あるボクサーにそう言われ、研究者の私は試行錯誤を重ねた。 そして完成した薬を、彼に手渡した。 「これで本当に、不死身に?」...

抽選

地球爆発が決定し、人類は子孫を残すため宇宙船を用意した。 これで何光年も離れた星に行き、再び文明を始めるらしい。 なんと僕は、乗組員の抽選に選...

ひなまつり

本当にこれでいいのだろうか……。 そう思いながら、夕方から作業する。 ええい! もうどうにでもなれ! 試行錯誤を重ねた結果なのだ、迷いは無用。 俺...

鬼とチョコレート

2月14日だというのに、家の前にはまだ節分の鬼がウロウロしている。 時折、ベランダから豆を投げつけるが当たらない。 投げる瞬間は一瞬ひるんだ表情...

走馬灯

赤信号を無視して横断歩道を渡り、車に跳ねられた。 見覚えのある車だった。 宙に舞った瞬間、声が聞こえてきた。 これが走馬灯なのだろうか…… お待...