名称未設定のデザインのコピー2

うなぎなぎなた

12m四方、白線で囲まれたフィールドの中、男と女が向かい合っている。

「はじめ!」

審判の声とともに、二人は真ん中の水槽の中に手を突っ込んだ。
中にはうなぎがたくさん。
見るからに運動神経の良い男は、軽妙なハンドワークでうなぎを追いかけ回す。
だがぬるぬるボディに手こずり、掴めそうで掴めない。

一方、女は一匹に狙いを絞りゆっくり近づく。
「やっ」
瞬間、いとも簡単に掴み上げた。
和食、もしくは川釣り出身者だろう。
経験値が違う。

そして男の元に向かい、防具のついた頭をうなぎで突いた

「イッポン!!」

お見事!
鮮やかな一撃だった。
会場の拍手は鳴り止まない。
団体戦の一試合目からいい試合が見えて満足だ。

ん?
審判団が何やらもめている。
物言いがついたか?
VTRの確認後、うなぎ判定に入った。

結果は・・・

アナゴ!!

何という凡ミス。
水槽にはうなぎと同数のアナゴが入れられているのだ。
試合は仕切り直しとなった。

しかしあの水槽は海水・淡水どっちなんだろう。
そんな疑問を浮かべながら、観客席で蒲焼きを楽しんでいる。
うなぎなたがオリンピック種目に選ばれて本当に良かった。


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ファビアン@1分小説

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