見出し画像

裁判長 国に全資料提出を求める

不備ループ訴訟第一回公判


11月8日(木)東京地裁522号法廷にて #不備ループ訴訟 第一回公判口頭弁論が行われました。
不備ループを解消する会や新宿民商・東商連の仲間など10名が傍聴にかけつけ原告梶千恵子さんと弁護団の本間耕三弁護士が意見陳述しました。
不備ループでは、年末年始に3日後や当日中を提出期限に指定してきたり、一読しただけではわからない判読困難で改行もない長文の繰り返しと、審査部門からの正しい教示が無いことに加え、存在しない文書を求められました。
更に訂正するたびに消えてしまう訂正依頼が、事後的な確認を困難にし、訴訟を望む申請者を苦しめました。
弁護団長小部正治弁護士からの要請に応じ、裁判長が被告国側に対して保存されている文書を全て提出するよう指示しました。
国側代理人は「こんなに膨大になり困難だ」と回答、少ない金額の給付金に対し膨大な資料提出を求めていたことが浮き彫りになりました。弁護団と国側代理人とで整理するためのの打合せを行うことになり、いままで隠されてきた国側が保有する情報が出てくることになり真相解明への期待が高まります。

報告集会

その後弁護士会館にて報告集会を開催しました。
不備ループを解消する会共同代表の山中典夫さんは、「私も不備ループに苦しめられた当事者です。書類提出の重たさにあきらめてしまった一人です。今回はこうして公判が開かれ不備ループの闇に光が当たる展望が開け大変喜ばしいと思います。」とあいさつ。
原告梶千恵子さんは「国側代理人は『膨大な量になりますよ』と言っていましたが、私たち膨大な書類提出を求められたんです」と不備ループの過重負担が図らずも証明されたことを指摘しました。平井哲史弁護士から裁判内容について報告がありました。
意見陳述を申し入れ昨日、Sさんは登記上役員じゃないとの指摘を受けて急遽代理人で意見書出しました。
そのため冷たい裁判所を想像していましたが、篠田さんは意外に気さくな裁判長で驚きました。まずまず関心あることが伝わってきました。
別の義務違反をサジェストしてもらえました。
いつの給付金規定のことなのかは私たちにはわからないので被告で特定してほしい。
梶さんは給付要件ではない、「毎日複数回の取引」を要求された。被告はこの理由を説明していない。説明義務違反。なんで求めていたかわからない。
不支給理由と齟齬があり認否しようがない。教示の正しさを確認できません。
このことを裁判長も問題視しており合議の結果記録を出させることになりました。
釈明箇所を列挙した書面を出して12月19日13時30分602号法廷原告と被告で進行協議を行います。
年金訴訟などで使われている行政過程審査論という行政法上の手法に基づいて適正手続きに合致しているのかを判断することになりそうです。
 東京民報記者菅原さんから「画面上に残らない仕様でしたがそれが出てくるとなると記録は膨大になる。どこが要点になりますか。と質問がありました。
「全部です」と。平井哲史弁護士。

大変だけれども都合の良し悪しを判断するためにも資料を全部出させます。これから大変な作業が待っているので今のうちに休むことが大切です。正面から矢は当たっている。」と手ごたえを感じている様子でした。
新宿民商会長武田武さんは「先日倉敷民商事件の裁判傍聴に行ってきました。
こちらも検察からの証拠が提出されず差し戻しされました。本日の口頭弁論でも被告側代理人は膨大なものを出させておいて膨大と言っていました。国のでたらめさを世に問うていきたい」と締めくくりました。

次の公判は2月~3月ごろになります。コロナ給付金をめぐる国の姿勢を問う大事な裁判です。応援よろしくお願いいたします。(江島あゆみ)

不備ループ訴訟傍聴記

冒頭に原告の梶さんが堂々と意見陳述を行い、審議がスタートしました。
公判に至るまでのしょっぱい対応から気難しい印象を抱いていましたが、裁判長は意外に気さくな印象で的を射た質問を次々に重ねてきました。
しかし我々原告からは不可能な訂正要求の理由は知る由もありません。訂正をするたびに消えてしまう仕様のシステムやコールセンターの録音データなどは先方が全て持っているため、原告側弁護団から事実関係の釈明を被告側に求め、裁判所が全データの提出を求めてどの部分を使うか判断するという形で審議を進める事になりました。
この取り決めの過程で被告側代表は「データが膨大なため確認が大変」と言っており、一時支援金・月次支援金の事業者側が申請者に対して膨大なデータの提出を求めていた事実を裏付ける形となりました。にもかかわらず資料の添付箇所が最大15しかなかった事についても裁判長は確認していました。
審査部門から不備通知メールを受け取った申請者はまずコールセンターに問い合わせますが、両者は連携できていないため往々にして効果的な指導は得られず、事業全体を統括すべきデロイト・トーマツ・フィナンシャルアドバイザリー合同会社は陰に隠れ、監督すべき中小企業庁は実態を把握できていない有様でした。察するに、被告側代表団はこのような不備ループの情報が欠けているか、どのような情報をどのようなやり方で出すと自分たちにとって不利になるかという事を把握できていないようでした。
今後の公判では被告側が右往左往する場面が予測できます。
次回公判は2024年3月頃と思われます。是非皆様も傍聴に参加して原告を応援してください(土屋俊明)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?