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【読書日記】 「サイボーグ時代」を読む

分身ロボットOrihimeを開発し、DAWNという分身ロボットカフェを実験的に運用しているオリィ研究所の吉藤オリィさんの著書。彼のスタイルに惹かれています。

初版:2019年2月
発行元:きずな出版
著者:吉藤オリィ
内容:いま、メディアでもっとも注目される「ロボット界の若き鬼才」が初めて語る人間とメカが高度に融合し、リアルとネットの境界線が消える、来るべき未来の全容とは?
ガラケーからスマートフォン、そしてウェアラブル端末へ……加速し続けるテクノロジーの発展と、従来の価値観が逆転する社会では、<体が資本>の時代が終焉し、<心が資本>の時代が到来する!(Amazonより)


「サイボーグ時代」というタイトルから予想した中身とは随分異なる内容でした。ロボット、遠隔操作、高度なテクノロジー・・・このようなことがいろいろと紹介されているのかな、と思っていました。
しかし、読んでみると、これは「どのように生きるか」「どのように仕事をするか」「未来をどう考えるか」といった人生のヒントになることが散りばめられていました。

本のエピローグの一節が非常に頭に残っています。

彼はなにもしない長生きより、後悔しない人生を選択することを希望し、あきらめなかった。私はそういう選択肢があってもよいと思っている。命をながらえさせるためにチューブや呼吸器を身体につけまくって生かされるサンボーグがいるのだ。そのうえでさらに自分の人生を選択し、人から必要とされるためのツールを取り入れて”生きる”サイボーグ化があってもいいじゃないか。
人は、働けるならば働きたい。
働くということは、我慢することではない。
人から必要とされる、社会の役に立つということだ。

P195

私は分身ロボットカフェDAWNに二度行ったことがあります。

この本を読みながら、また、エピローグのこの一節で、働いておられるパイロットさんとの会話を思い出しました。彼女たちは「働きたい」という強い意志を持ち、遠隔操作で注文をとったり運んだりしていました。それだけではなく、「働くということはどういうことか」を私に改めて考える機会を与えてくれました。そういった仕事ができる彼女たちは、十分に社会の役に立っています。この本にある”生き方”を彼女たちは体現しているのですね。

この本は、いろいろな人に読んでもらいたいです。
若い人から年配の方。
障害のある方もそうでない方も。
いろいろな職業の方。

今回、読んだのですが、またしばらくしてから読みたいと思いました。そのときには、今と異なる、より深い感想を抱くような気がします。

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