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めぐる結婚式

従兄弟のAくんから結婚式の招待状が届いた。

LINEで。

招待されることは叔母から聞いて知っていた。
昭和脳なので、郵便で招待状が届くと思っていた。

最後に結婚式に出席したのはいつだったか。

2014年の従姉妹の結婚式だ。
郵便でカードが届いて返信ハガキを出した記憶がある。
Aくんはその従姉妹の弟だ。

LINEで届いた招待状はアンケート方式で、
新郎側か新婦側か、
出席か欠席か、を選び
アレルギーの有無に答え
コメントを添えて返信すればオッケー。
なんて簡単なんだ!
入力したのを消してしまい2回やったけど。
登録したアドレスに受け付けましたのメールが届いた。

本人からもすぐさまありがとうとLINEがきた。
私の弟に招待状を転送してほしいそう。
喜んで承知した。

LINEで送られてきた招待状には、前撮りした結婚式の写真が添えられていた。
式までのカウントダウンもついていて
秒単位で動いている。
ウェディングフォトはふたりのキャラが伝わるようなアイデア満載。
インスタ世代ならではの幸せあふれる招待状だ。

さっそく弟に招待状を転送したら、めずらしくその場で既読がついた。
いつも連絡が入れ違いになって話すまでに苦労する弟なので、電話をかけた。
すぐ出た。
今話す時間はあると言う。

Aくんの招待状、LINE見た?
LINEで届くとは思わなかったわー
Aってパリピ?
花嫁さんはすごくきれいな人〜

ペラペラ喋ったら、

①LINE送信してからの電話が早すぎる
②今どき紙の招待状が郵便で届くわけないやろ
③パリピは死語
④だからぁ、①のおかげで招待状はまだ見てないねん

ことごとく文句を言ってきたが、弟も出席すると言う。
式服がパツパツで着られないので新調するそうだ。
でしょうねー!あははー!

⑤そんな笑わんでもええやろ

私が初めて結婚式に参列したのは小1のとき、
Aくんの両親である叔父と叔母の結婚式だった。
着物を着せてもらい、美しく愛らしく華やかな花嫁さんと写真を撮った。
そのときの老舗ホテルでの結婚式に憧れ、約20年後に私もそこで結婚式を挙げた。
叔父と叔母、3人の子供たちには一家で出席してもらった。
末っ子のAくんはまだ小学生だった。
そのホテルの洋館も和館も
淡路島が見えて眺めが良かった庭園もそこにはもうない。


久しぶりの結婚式である。
何を着ようか。
親族なので色留袖でもいいのだが着物はひとりで準備する自信がない。
セレモニースーツは着る気になれず、ドレスもピンとこない。
もう買うしかないな。
日々是口実。
私も新調しよう。

イメージは、見た目陽キャ、好きな服を着てるだけのおばちゃん。
もちろん場はわきまえる。
気のおけない親族枠の末席に静かに参列して、
新郎新婦を祝福したい。

招待状の返信コメントには
「二人三脚で素晴らしい人生を」と書いた。
来月の結婚式当日、私ら夫婦と弟夫婦、東京駅に二人三脚で集合!
一緒の新幹線で行かない?

また弟に怒られそうである。

⑥絶対やな。絶対二人三脚で来いよ。
好い日になりそうだ。

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