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悲観することはない

1回目の検査入院は予定通り3泊4日で、母は平然と帰ってきた。全身麻酔をしての検査なので心配したが、本人はけろっとしている。ダメージは少なめなのか。

母の入院中に冷凍庫の整理をした。

父が家庭菜園で野菜を作っているので、親戚や近所の方にお配りして食べるのを助けてもらうのだが、それでも余る分は、母が刻みに刻んでビニール袋に入れて冷凍。ただそれが普通の量じゃない。冷凍室が閉まらなくなる寸前まで詰め込んでいる。

食品ストック(かつおぶしとかお好み焼き粉、高野豆腐など)も大量かつ開封済みのものばかり。目についた新しいのを開けてしまうようだ。
まあ私もやってしまうことがあるが。

昭和の主婦なので、冷蔵庫の中はいつもいっぱいにしておきたいほうだった母。それにしても賞味期限が切れて、もう使えそうにない食品が放置されている。

適量や在庫がわからなくなりながら生活してきたんだと思うと涙が出るが
考えちゃダメだと捨てに捨てた。
母の在宅中にここまではできない。

今回の入院ではがん細胞は発見されなかった。
でもまだ安心はできない。
来週もう一度入院して検査するそうだ。がんと診断されるまで5回6回と検査する人もいますと主治医の先生は言う。
がんではないとは言い切れないらしい。

私は自分の乳腺外科の診察もあったので一旦自宅に帰ることにした。
ちょうどひな祭りの頃で、退院3日目の母がちらし寿司を作ってくれた。
料理は昔から上手で今もできる。

が、薄焼き卵の細切りをビニール袋に入れてポイッと捨てるところを目撃してしまった。
砂糖と塩を間違えたみたい。
「まっちがっえまっしたー」
と言って苦笑いしていたが、
陽気な母よ。
よくぞ盛り付け前に気付いてくれました。
卵は焼き直して、母が漬けた紅しょうがも添えて、ちらし寿司は美味しそうに完成。
父の好物でもある。
嬉しそうにお寿司を頬張る父。
母を見守る父のサポートこそ大事という気もしてきた。

今日も母は陽気。
認知症が陽気にさせているとしか思えないが、そのおかげでがん疑いを気に病んではいない。
今のところはこれで上等じゃないか。


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