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ビリージョエルと女ひとり正月

その昔、年末やお正月に忙しく働いた女同士で、のんびりと過ごす時間を作って骨休めをする風習があった。それが女正月。
私自身は女正月をするほど年末年始頑張ってない。
が、女正月をしましょうというだけで、控えめで優しげな、そこはかとない上品さを感じるじゃないか。

2024年1月24日水曜日
私は女ひとり正月を決めこんだ。
夜は東京ドームでビリージョエルのコンサートだ。
隣りの席には会社帰りの夫が来る。それまでひとりで女正月をしよう。
そして16年ぶりビリージョエルのワンナイトオンリーに没頭だ。
ライブは我を忘れるためにある。
この時点で控えめで優しげなお上品さとは無縁である。

女正月、午前中はエステ。
エステのオーナーは次男の小学校時代のママ友で、
ゴッドハンドの大ベテラン。
リンパを流して、わるーいなにかも流して消してくれる。

彼女もライブ好きで、お互いに参戦したライブの報連相および確連報は欠かさない。
彼女が参戦したライブ
「JO1 @Kアリーナ」のかくれんぼうが完了。Kアリーナはまだ行ったことがないが、アリーナの標高がすっごく高いという理解は深まった。

洋楽はわかんなくて、という彼女が

「びりーじょいる?
ああビリージョエルね、名前は聞いたことある」
と言う。
ママ友で大ベテランだけど私より10歳年下だし。

有名な曲は何?
と聞かれたので、ピアノマンを歌ってみる。

シンガッサソーング 
ユアピアノマーン
シンガッサソーング トゥナイト

私の歌じゃわからないだろう。
ホンモノを聞いたらわかってほしいと願いながら、今日の予定を嬉々として話し、
春の新色でメイクしてもらった。

次はビリージョエルのポップアップショップの展示を見にタワレコ新宿店へ。

手書きのセットリストにグッとくる。

「素顔のままで」を作曲した電子ピアノのフェンダーローズ。
見学者は多く、思い思いに写真を撮ったりミュージックビデオに見入ったり。
いいものを見た。

お昼もとっくに過ぎている。
ランチに行ってみたいお目当てがひとつある。
開場まで時間はたっぷり。

そこに夫からメッセージ。

半休取った。
お昼もう食べた?

まだ。
新宿のタワレコにいると返信。

オレも行くわー!

半休?
めずらしいこともあるもんだ。

程なくして夫がやってきた。
ああ、
私の女ひとり正月は終わった。

再びタワレコで、
夫とビリーザショップを見て、
タカシマヤで天ぷらを食べた。
女子に人気のお店はスーツのおじさんにはハードルが高すぎる。
物販も気になるので早々ドームに向かう。

待ちに待ったビリージョエルのコンサートは素晴らしかった。
私の女正月なんてもうどうでもいい。
エンターテイメントの嵐。
音に身を委ねて、どこを切り取っても至福の2時間20分だった。

なんと夫が号泣してるじゃないか!
チケットが取れてよかったよ。

そして「誰も寝てはならぬ」まで聴けるなんて。
懐が深すぎるビリージョエルのバンド。

ピアノマンの大合唱が耳に残る。
あの一体感。胸がいっぱいになる。

日本公演は最後と言われているけれど、そんなことはないと心ひそかに期待している。
新曲もグラミー賞パフォーマンスも楽しみだ。

おみやげのチケットの裏には、このライブのセットリストが聴けるQRコードがついていた。
小粋なプレゼントだわ。
女正月のお年玉。
ライブの余韻はしばらく続く。

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