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「わたし」に会いに行く

「わたしに会いたい」 西 加奈子

この本を読み始めた


そういえば、私はどこまでもが全て私なのだけれど

そもそも私って?

私は今年で50歳になる

20代はスノーボードに夢中で、私はスノーボードだった

結婚、出産、二人の男子の育児

その最中に、いや、その前からずっと

私は私に寄り添ったり、話を聞いたり、応援したり、味方でいただろうか

事あるごとに私を批判し、責めて落ち込ませたのではないだろうか

苦しさが爆発して、私自身や家族を傷つけた

私には必要な過程だったと今ならわかるが

結婚生活は私にとっては浄化のようなものだったのかも知れない

向き合うことの苦しさの奥に

宝物を発見したような喜びがあり

揺るがない芯のようなものが形成された気がする


私が「わたし」に近づくにつれ

夫との違和感が大きくなっていった

「わたし」ではない私の時代に出会っているのだからそうなるのも納得

さて、私はこれからの人生をどう生きよう

そう考えたときに、隣にいるのが夫ではないと感じた

かと言って、自分一人で好き勝手に生きるのも違う

やっぱり一緒に楽しく笑って色々な体験ができるパートナーが欲しい

ならば別の道をいこうじゃないか

離婚はとてもあっさりと決めて

子どもたちにも伝えずに

暮らしも変えずに春で2年になる

そろそろ、本当に卒婚しよう

一人暮らしをしよう

好きな服を着て

好きなモノだけを使って

好きな時間に好きなことをしよう

私は何が好きだったか

忘れかけていた「わたし」に会いに

一人の時間と空間に私を連れて行く

これはワクワクすることだ

まっさらなのだもの



作家・西加奈子さんロングインタビュー「自分を見つめ 踏み出す一歩を」  - クローズアップ現代 取材ノート - NHK みんなでプラス

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