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キタダヒロヒコ詩歌集 163 それは美しいことだが


この喪失感のおかげで
詩がいくつか書けた
それは美しいことだが
呼吸のしっぽがみじかくなって
淡い雲がいつも頭の中を充たし
すこし遠いその街のことを想う毎日
あてどなく漂っていた言葉が
やわらかな渦を巻いて
ほろ苦く甘く 私の知己の身辺を醸す
それは
嬉しいことではあるが



(2013.12.13)

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