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キタダヒロヒコ詩歌集 160



このあひだ櫛のやうだつた月が
今夜は雲の幕のうへにゐる、
冬の闇に円くひらいた窓、あるひは鏡、
またあるひは一顆の果實のやうにも
一顆の心臓のやうでもあり
どれほど雲にかくれてゐようが
わたしたち

その光りを心に浴むことができる
(月が綺麗だ。)



2023.11.27

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