サクサクと書ける文章テンプレート3選③ストーリー型
③ストーリー型
今回は、サクサク書ける文章テンプレートその③ということで、ストーリー型についてお伝えしたいと思います。
ストーリーって聞くと、あなたはどんなイメージを持ちますか?
例えば、ハリウッド映画のストーリーとか、小説のストーリーとか、漫画のストーリーとか、色々なストーリーを思い浮かべると思います。
そういったストーリーの原型となるテンプレートについて、今日は紹介したいと思います。
大まかな流れとしては、4つのパートに分かれます。
こういった4つのパートで流れていくのですが、言葉で書いているとちょっとわかりにくいので、別の見せ方をしたいと思います。
ストーリー型の流れというのは、左下から右上にかけて右肩上がりで上がっていくラインを作っていきます。
例えば、ドラマでもよくあるのが、主人公が最初に登場した時、少し困難な状況に置かれているケースが非常に多いです。
例えば、いじめられているとかリストラに遭ってしまったとか、離婚してしまったとか、大金を失ってしまったとか、そういった主人公が登場するわけなんですね。
ストーリーの型でこのマイナスをなぜ表現するかというと、人は失敗とか挫折とかコンプレックスとか弱さとか、そういったものに共感しやすいからなんです。
なので、私たちはそういったマイナスの状況に置かれた主人公を目にしたときに、そこに感情移入して「あ、この主人公、私みたいだな」とかね、そういう共感をしながら先を読み進めていくわけなんですね。
じゃあ、どうでしょう?
そのマイナスを抱えた主人公がずっとマイナスで、ずっとお金もなく、ずっとストレスばっかりで、ずっと仕事もない終わり、こういうストーリー、どうですか?
なんかちょっと嫌ですよね、くらいですよね、重たいですよね。
最初は共感したけど、それがずっと続くっていうのはさすがにちょっとこう、共感しにくいです。
途中で重すぎて離脱してしまうということが起きてくるわけですね。
じゃあ一方で、こういうストーリーどうでしょうか?
最初主人公が登場した時からもう高い位置にいたらどうでしょうか?
高い位置にすごく生まれ、家族にも恵まれて、すごくお金も持っている裕福な家族の元に生まれ、そして勉強も出来てスポーツも万能で女の子にもててみたいな主人公が、いい大学に出ていい会社に就職して出世して、すごく幸せです。
こんなストーリー、どうでしょうか?
まあ素敵だなぁと思うかもしれないけど、どこか感情移入しにくいですよね。
なんとなくちょっと自慢ぽく見えたりとか、少しイヤらしい感じを受ける人もいると思います。
というわけで、私たちはこのマイナスだけの主人公も嫌だし、逆にプラスだけの主人公も嫌なんですね。
じゃあ、どういう主人公に一番感情移入するかというと、マイナスの主人公が転機を迎えて進化して、最後はハッピーエンドに向かっていく、ってこういうラインを見たときに、すごく感情移入して応援したくなるような、そんな気持ちになるわけなんです。
マイナスの主人公は必ず転機が訪れます。
この転機っていうのは人それぞれで、まあ例えば1冊の本との出会いかもしれないし、誰か師匠との出会いかもしれないし、自分が移動した新しい部署かもしれない、転職した先かもしれない、引っ越した先など何か、自分にとっての大きな変化が起きたとき、それが転機です。
そして、この転機を経て、この主人公は大きく進化します。
進化し変化していくんですね。
この時にはかなり高エネルギーもプラスになっている感じです。
お金がなかった主人公が収入を稼げるようになった。
モテなかった主人公がモテるようになった。
勉強できなかったけど勉強できるようになった。
コミュニケーションが得意じゃなかったけど、今は自信満々に人前でプレゼンテーションまでしている。
そんなふうに変わっていくわけですね。
そして最後は素晴らしい明るい未来ですので、ハッピーエンドで終了するという形です。
この左下から右上にかけて上がるこのラインを描いた時に、私たちは応援したい気持ちとか、ちょっとテンションが上がったりとか、エネルギーが高まるような気持ちを感じる理由なんです。
テンプレートにはいろいろな種類があり、これまでも他のnoteで結論優先型とか列挙型という論理的に書くテンプレートをご紹介してきたのですが、それとの大きな違いは、より人の共感が生まれるということなんです。
列挙型とか結論優先型というのは頭で理解する方なんですけど、ストーリー方はどちらかというと、心で感じるような、そんなテンプレートになっています。
では、実例をご紹介したいと思います。
まずは、ストーリーのない文章からお読みいただこうと思います。
素晴らしい文章じゃないですか、書いてあることも素晴らしいですよね。
チームのストライカーとして大活躍して、チームを全国大会へと導いたというね、いいことが書いてあるんですが、ただ少しだけ共感しにくい文章でもあるんですね。
素晴らしいんだけど、共感しにくいところがある。
実は彼にはもっとストーリーがあったんですよ。
そこをこの作文では全く表現できていないんですね。
じゃあ、どんなストーリーがあったか見ていただこうと思います。
という文章が完成しました。
これで、先ほどの違いをよく感じていただきたいんです。
さきほど書いてあった部分というのは、変化した後だけが書かれていたんですけど、このテンプレートを使って書かれた文章では、特にマイナスのことがしっかり書かれていますよね。
背が低くスタミナもなく、パワーもない。しかも、万年ベンチですよ。
そんな彼だったんですね。
けれど、彼には転機がありました。
新任の石川コーチとの出会いがあったんです。
コーチは言いました。「お前の俊敏性が武器だ。ドリブルで勝負しろ」
この一言で彼は大きく変化しました。
物事ってのは常に相対的に私たちはイメージを受け取るんです。
ここの部分、確かに素晴らしいことなんだけど、先ほどの文章を読んだだけでは、ここの苦労があんまり伝わってこないんですよ。
心に感じてこない。
けど、このマイナスを描くこと、つまりギャップを出すことによって、ここの素晴らしさがより感じやすくなるということが起きています。
そしてね、このストーリーでギャップをつくっていくことによって、この最後の自分の武器を磨く大切さを伝えていきたいです。
というこのメッセージが光るんですね。
もともとサッカーが苦手だった子が自分の武器を磨く大切さを伝えていきたいですと言ったところで、「いやいや、それはあなたに才能があるからでしょ」というふうに思われてしまうところなんですけど、できなかった彼が頑張ってできるようになったことによって、この最後の自分の武器を磨く大切さというもの、そのメッセージが光るわけなんですね。
なので、私たちはただ文章を書けばいいのではなくて、そこにこのメッセージを光らせるための何かストーリーはないかなと考えていかなくてはいけないということなんです。
では、もう一つ実例をご紹介したいと思います。
というストーリーです、これも先ほどと全く同じですね。
私はもう今、英語ができている状態です。
この作文を書いたときは、彼(あるいは彼女)が英語ができる状態なんですが、ただ私は「英語が今話せます」ということを書いたところで、誰も感情移入してくれないし、共感もしてくれないんです。
ましてや、この「英語ドラマ繰り返し視聴方」がいいですよ、ということだけを言っていても、全く読む人にとっては実感を持って「何がいいんだか」よくわからないという風になってしまうんですが、ただこの型の場合はしっかりと自分のストーリーを書きました。
もともと全く英会話の教室で結果が出なかったし、上達しなかったんだけど、この英語ドラマ繰り返し視聴方法ですよね。
これがこの方にはぴったりと合っていて、それをすることによって自分はすごく上達したんだよ、ということ。
そして、だから皆さんにもお薦めしたいんだよ、っていうメッセージを最後に書いているわけなんです。
というわけで、このストーリーの魅力とパワーっていうものを少し感じていただけたのではないでしょうか。
ストーリーって言うと、なんかすごく壮大なドラマを音響効果を尽くして紬上げなきゃいけない、なんて脚本家として立派な文章を書かなきゃいけないと思っている方も多いと思うんです。
けど、たかだか数百文字だと思うんですね。
およそ300文字かな、そのぐらいの中でもしっかりとこの4つのパートを意識することによってストーリーができるということを皆さんにお伝えしました。
是非、あなたもこのマイナス→転機→進化・成長→そして明るい未来という4つのパートにあてはめてストーリーを紡いでみてください。
あなた自身のストーリーを紡ぐことによって、あなた共感する人も非常に増えると思います。
あるいは、何か自分の商品やサービスを売りたい方は、ただその商品やサービスの特長を説明するのではなくて、その開発に至ったストーリーを書いてみるとか、そういう工夫を凝らすことによって、人の気持ちが動きやすくなると思います。
文章を書くときには、相手に理解してもらえればいいというケースもあれば、このように感情を動かして人に行動移してもらいたい。
あるいは物やサービスを買ってもらいたいというシチュエーションもあると思います。
そういう時にはストーリー型がぴったり使えると思います。
というわけでストーリー型のテンプレートでした。
是非どなたでも使えるテンプレートですのでどんどんご活用いただければと思います。
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