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爪を噛んでしまう癖からみる世界

私は爪を噛む癖がある。
小学生のころ、母が仕事で帰りが遅く
いつもとにかくおなかがすいていた。
あとは、寂しさとかもあったのだと思う。

噛むのは指の爪、周り皮膚、体が柔らかかったので
足の指の爪まで噛む、食べる。
とにかく膿むまで血が出るまで自分を痛めつける癖がある。
自分の体はどこか借り物のように感じている。
自分を大事にとか自分を好きになってとか、無理なのだ。
ただだだ死ぬ日が来るのを心待ちにしている

そして爪が伸びてる人をみるとなんで噛まないの?食べないの?
とさえ思っていた。

私の指は太くて短い、爪も不格好、ドラえもんみたいな手
AV男優みたいな手をしている。

学生時代に流行った指ゲーム。親指2本だすやつ。
親指がマムシみたいで恥ずかしかったし、
高校生のころ、友達にグミを上げたら、とわ子の手よだれついてそうで
汚いからいらないといわれた。
深爪=噛んでる爪=よだれだらけと思うのだろう。

それでも女性らしい手への憧れや執着はものすごくある。
縦爪の子、手の美しいひとへの執着は半端ない、、

くさいものには蓋をする、世間体がまず整っていれば安心する性分のため、
人に会う日はボロボロに噛みまくった爪にネイルチップを張る。
ネイルの美しさは一切妥協しないので、形を整え、自爪のようにみせるようなほれぼれする指先になる。
外でチップが途中で外れるなどそんな不測の事態にも対応。
深爪なので、チップは外れやすいから。
だけどいろいろ試して外れない方法を身に着けているし、リカバリーする術も計算済だ。

幸せそう、楽しそう、苦労してなさそう、友達多そう、お金に苦労してなさそう、家きれいそうとみえればそれで良し。
頭の先から爪の先、マナーや振る舞い、姿勢、言葉使い、育ちが良さそうに見せるする術は子供のころから身についているので、完璧に演じ切ることができるのだ。
我ながらすごい。。!

実際は全部真逆なのだが、むなしくもない。
生い立ちは変えられないから、このハリボテみたいな人生しかいきれないのだ。。むしろハリボテが心地よい。

とはいえ、先日スーパーのレジの高校生くらいの女の子が
たいそう深爪なことに気づいた。
心の中で、わかるわかるよ!バイト終わったら噛みな!と思うのだ。

一方で、その子のコンプレックスを見た気がした。
きっときれいな爪に憧れてる、でも噛んでしまうという葛藤が
その一瞬でわかってしまう。

わかるよ、わかるよと思いながら、
その日はハリボテ日ではなかったので、
AV男優のような短い爪でレシートを受け取った。

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