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恋心 1限目

”恋なんかしなきゃ良かった”

そう思うことが度々ある

自分が生きていく世の中で最も大事な感情の『恋』

俺はそれが何かを知ろうと思った

けど、俺には早かった

中学時代、俺は好きだった女の子に告白したことがあった。

けど、振られた。

”ごめん、タイプじゃないから”

分かってはいた、けど……その言葉1つで俺は恋を諦めた

別の恋をしようとしても………

”気持ちは嬉しいけど、他に好きな人いるの”

振られ3回、失恋5回。

俺はもう…………”全ての感情が分からなくなった”

○○)はぁ………またあの夢っか。

有坂○○、高校2年 趣味:ゲーム・写真・ファッション

意味の無い趣味だけど、父親が写真家・母親がモデル事務所の社長をしていて、両親の影響もあってそういうものに気を使うことが多くなった

家には俺1人、いつもの日常である

○○)………行ってきます。(つっても誰もいないけど)

俺は重い足を上げ、疲れきった片腕を取手へと掴み扉を開けた

私立 櫻坂ノ宮学園
文武両道、上も下もない
誰もが憧れる学園

だが、この学園には少し変わったとある制度がある

”男女交友制度”

単純に言うと、最低1人や2人友人を作れってことらしい

作った場合、人数によって学費が安くなったりその分で学食での優遇もあるとかないとか

俺には関係ない制度だけど

いつもの日常、いつもの教室、そしていつも通りの1人ぼっち

俺はゆっくりと教室に入り、席に座った

友達?そんなもの居ない、この学園ではいつも俺は1人

男子1)なぁおい、話しかけてみろよ((ボソッ…

男子2)ムリムリ‼️アイツなんか怖ぇじゃん((ボソッ…

女子1)彼だけでしょ?学費200万払ってここにいるのって((ボソッ…

女子2)じゃあお金持ちってこと?((ボソッ…

○○)……………(全部聞こえてるっつーの)

いつもと変わらないこの腐った日常に俺は飽き飽きしていた

担任)はい、みんな席に座って‼️転校生がいるから紹介するぞ〜

男子3)先生〜、それって可愛い子っすか?

担任)めちゃくちゃ可愛いぞ〜って言わせんなよ〜

○○)……………(なんの会話だよ、つまんないな)

しかし、この日から俺の日常は大きく変わった。

担任)よし、じゃあ入れ〜

転校生はその扉を引き、1歩ずつ教壇へ歩いていた

??)皆さんはじめまして‼️

天)山崎天です‼️よろしくお願いします‼️

クラス)(めちゃくちゃ可愛い子来たああ‼️)

○○)(一軍キャラ………この子も関わるの辞めとこ)

担任)よし、じゃあ山崎は有坂の隣な

天)はい‼️

そして山崎はゆっくりと俺の隣の席に座った

天)よろしくね?

○○)………(挨拶、返さないと人じゃねぇか)(。_。`)コク

昼休み

女子1)ねぇねぇ‼️山崎さんってどこから来たの!?

女子2)髪サラサラだけど美容には気を使ってるの!?

男子1)彼氏いんの!?

男子2)どんな人がタイプ!?

天)あ〜えっと……(あれ、彼がいない?)

女子3)ねね、一緒に学食行かない!

天)学食あるんだね、知らなくてお弁当持ってきちゃった笑

男子3)だったら学堂で一緒に食おうぜ‼️

天)いいけど、彼は?

男子1)あ〜えっと誰だっけ?

女子2)忍者君は……ね

天)忍者君?

男子2)何考えてるかわかんないし、感情1つ表に出さないから忍者君ってこの学園ではみんな知ってる有名人だよ。そんなことより……

天)ふ〜ん、私はいいや‼️その、忍者君って人と食べてみたいし‼️

女子3)え、いやでも………

天)1人にさせておくの、可哀想だしね‼️



屋上

○○)はぁ………疲れた、いただきます。

俺は脱力感を味わいながら弁当を広げお昼ご飯を食べ始めた

○○)……………(今日も普通だな、いい加減レパートリー増やさないと)

??)あ!見つけた‼️

○○)?

俺はそっと出入口を見ると、そこには転校生が居た。

天)ここ、いい景色なんだね‼️

○○)………(めんどくさい奴に絡まれた)

天)お昼、一緒に食べていい?

○○)………なんで来た

天)あ、喋った‼️

○○)…………いいから答えろ、なんで来た

天)なんでって、私は君と食べたいからだけど?

○○)………俺の噂、知ってんだろ。

天)あ〜忍者君ってやつでしょ?でもなに?

○○)………普通考えてみろ、噂のある人に普通近づくか?

天)近付かないね、でも君は悪い人じゃないでしょ?

○○)…………はぁ、好きにしろ。

俺はそう言って少しベンチを空けた

天)ここに座っていいんだ、ありがとう忍者君‼️

○○)……………(変なやつ)

天)ねね、えっと………有坂君だっけ?いつもここに居るの?

○○)…………覚えてんだ俺の苗字

天)先生が呼んでたの思い出したの

○○)……………質問の答え、俺はいつもここに居る

天)そうなんだね‼️いいね、な〜んか特等席って感じがしていいじゃん!

○○)特等席………考えたことなかったな

天)私のこと分かる?

○○)………山崎天だろ?

天)おぉ〜覚えてくれてるんだね‼️

○○)……………(なんなんだコイツ……)

天)そのお弁当、自分で作ってるの?

○○)…………だったらなんだ

天)いや、お料理上手だなぁーって関心してたの

○○)……………そうか。

天)卵焼き貰うね‼️

○○)いや…………おい‼️

天)…………美味しい‼️めちゃくちゃ美味しいじゃん‼️

○○)普通だろ………こんなの

天)ううん、めちゃくちゃ美味しいよ‼️

○○)……………そうか。(美味いって初めて言われたな)

天)ねね、ひとつお願い聴いて欲しいんだけどさ‼️

○○)…………なんだ?

天)”私と、友達にならない?”

○○)は?何言って………

天)だから、私とお友達になろうって話だよ?

○○)な、何言ってんだ?ど、どこからその言葉が出る‼️

天)だって、これも何かの縁だし………それに、私が有坂君と仲良くなりたいからだけど?

○○)い、意味分かんねぇよ‼️

天)ふふっ、驚いた顔なんて出来るんだね笑

○○)なっ………(俺が、驚いている?感情が分からなくなったこの俺が!?)

天)忍者君なんて真っ赤な嘘じゃん

天)それで、友達になってくれるの?

○○)…………(コイツと居れば……失ったもん、取り返せるのか?いや、なに期待してんだよ俺は‼️)

○○)ひ、ひとつ聞かせろ‼️

天)うん、何?

○○)お、お前は………その、誰かの為に努力出来るか?

天)誰かの為?う〜ん………その人が望むことなら全然協力するよ?

○○)(嘘は言ってない………けど、俺は………)

○○)(いや、俺はなに考えてんだ………俺は知りたかったんだろ”感情”ってやつを)

○○)山崎天、条件がある。

天)条件?なにそれ

○○)お、俺に…………俺に感情ってやつを教えろ‼️

天)感情?

○○)そ、そしたら友達ってやつにも………なってやる

天)うん分かった‼️約束だね‼️



こうして、俺と山崎は友達になり俺は

”感情”ってやつを取り戻すことにした



しかし、これが俺にとっての大事なものになるとはこの時点ではまだ分からなかった。



to be continued……

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