将棋の問題集3冊の難易度比較

こんにちは!将棋系Vtuberの香月です。
3ヶ月程前に購入した金子タカシ先生の「凌ぎの手筋200」を読み終えたのでこれをきっかけに、3冊ほど将棋本の比較をしたりします。

比較する本

  • 5手詰めハンドブック(赤)

  • 7手詰ハンドブック(橙)

  • 凌ぎの手筋200

比較的最近(1年以内)かつ解いたときの記録を残している本が比較対象です。
大前提として、私の棋力はウォーズ二段、81dojo三段くらいです。そのレベル帯の人の感想ということを念頭に入れて貰えると多くの人の参考になるかと思います。

難易度比較

問題を解いたときの大体の時間を分類して記録していたので、その各分類ごとの比較をします。

凡例の意味は下記の通りです。(厳密に時間測っていないので大体です)
◎:30秒以内に解けた
◯:1分以内に解けた
△:3分以内に解けた
✕:3分以上掛けて解けなかった

いずれも1週目、つまり初見の時の記録になります。5手詰めハンドブック(赤)については合計3週しており、3週目ではほとんどの問題が1分以内には解けるようになりました(反復練習大事)

5手詰めハンドブックは、7割くらいは1分以内に解けていて、それなりかなと。また、1分~3分の時間を考えて解けた問題は少ないことから、知ってる詰み筋知らない詰み筋がはっきりしているレベル帯であることが言えそうです。
このレベルなら私の棋力でも反復練習することで精度が上げられる範疇かもしれません。

7手詰ハンドブックは、1分以内に解けた問題が5割くらいと低め。また、1分~3分の時間を考えて解けた問題がそれなりにあります。
しかし、ネット将棋だとあっても秒読みは30秒or60秒なので、この私の棋力だとこのレベル帯の問題を実践で活かすには実力不足といったところでしょうか。

凌ぎの手筋は、そもそも半分は解けてすらいません。
前評判通りめちゃめちゃ難しくて私が手を出すには早かった感がありました。
将棋は受けが難しいとよく言われますが、それがよく分かる結果となりました。

以下各本の感想を書いてみたいと思います。

5手詰ハンドブック

5手ハンドシリーズは青、緑、赤と3種類あり、青と緑はすでに読んでいたのですが、それでも難しい問題はいくつかあって買って良かったなと思いました。
また反復練習で正答率がかなり上がった(9割くらいに上がった)のでトレーニングとしても良い感じでした。

しかし、最初に読んだ5手ハンドブック(私はが青が最初でしたが)は、かなり苦戦した記憶があります。3手ハンドブックは制覇したけど苦戦したので、「3手詰めが解ける」から「5手詰めが解ける」の間には1~2階級くらいの差がある気がしています。

体感の難易度は、3手詰=Lv.3、5手詰=Lv.7、7手詰=Lv.9くらいです。

7手詰ハンドブック

7手詰ハンドブックは、橙、紫と2種類あり、今回始めてトライしてみました。
前半100問は5手詰に毛が生えたくらいの難易度に感じていたのですが、後半100問はしっかりと苦戦しました。
7手詰の問題は、3手詰と5手詰の手筋を組み合わせた問題がほとんどであり、知らない筋はほぼありませんでした。しかし脳内将棋盤で解こうとすると解けなくなる問題が多くあった印象です。
3手~5手が脳内で解けることが前提になるので、5手を素早く確実に解く方が私には大事かなと思いました。

凌ぎの手筋200

なんとなく好奇心で買ってみた本。Amazonレビューや巷の前評判的にも私にはちょっと難しいのでは?と思っていましたが、予想通りゲキムズでした。
受けが好きな人は手に取ってみても良いと思います。

大まかな問題構成は「詰みを逃れる合駒」「反撃を考えた合駒」「必至を逃れる受け」「反撃を考えた受け」となっています。

反撃含みの受けの手筋問題もありますが、シンプルな受けの問題については、持ち駒の飛車や角を手放す受けも多く、実践では相手玉への詰めろも消えたりして勝ちに繋げられるかは局面によりそうです。
しかし、有名な必至の形かと思いきや実は持ち駒次第で受けがあるということを知っておくのは面白いと思います。

例えば有名な必至問題としてみんなやったことあるコレ
ある持ち駒を使えば受かります(下にスクロールすると答え載せちゃってますので解きたい方はスクロール非推奨

受けの手は?(持ち駒は残り全部)

え?これ必至と習ったんですが・・・?
答えを見るとなるほど!となるのですが、頭の中では解けず。

解き方はシンプルです。詰み筋をちゃんと整理してみると、
詰み筋A: △87銀成 ▲89玉 △78馬
詰み筋B: △79馬 ▲98玉 △89銀不成

ここで注意点として、▲98銀のような自玉の利きを減らしてしまう受けは、逃げ道がなくなり△79馬の一手詰になります。

じゃあ受けはもうナイヨ。と思いますが、▲23角とこのラインに角を打つと・・?
詰み筋Aの3手目△78馬と、詰み筋Bの3手目89銀不成の2種類をどちらも▲同角成と取れるようになっています。

この形って受かったんだね!(必至問題とかだと謎の場所に歩がいたりするけどこういうことなのね)
こういう必至だと思っていた形が実は必至ではなかったという形がいっぱい分かります。
でも角を手放すと終盤は手負けすることもありそうだからやっぱり実践は難しい。

結論

絶対に詰んでいると思っていても、実は詰んでいないこともある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?