見出し画像

売れる同人と、売れない同人の違い

人によって同人誌や同人活動の在り方って違うと思います。
私にとっての同人って、同士との同好の会だし、自分の作品が好きな人とだけ、その面白さを共有できればいいなって思っていました。
その気持ちは変わらないけれど、今はこうも思います。
自分が面白いと思ったものを追求することが出来る。
それも同人の面白さの在り方だと思っています。

そもそも私の同人の始まりは、「これが好き!」というのは勿論あったのですが、「この作品、こういうifの物語もつながるんじゃないかな?」とか「自分の好きになるキャラ・カプの出番が少ないからもっと見たい」「自分なりの解釈のキャラがもっと見たい」「不幸な生い立ちのキャラを幸せにしてあげたい」などという渇望や不満という感情が原点でした。

途中から、もっといろいろな人に読んでもらいたい、という気持ちが大きくなってしまったけど、その考えはそれで良いと思っています。
ただ、「売れる作品」というのは、「読む人が面白い」と思う作品を描く(書く)ものだから、私の「自分の面白いと思う作品が売れてほしい」と思う場合は、自分の欲望取り入れただけでは買ってもらえるわけもないわけで。
それは宣伝以前の問題なのかもしれないです。

まずは、「読む人が面白いと感じる作品」を作りたいのか、「自分が最高に面白いと思う作品」を作りたいのか考えるのが大切です。
その軸がぶれると、「自分はこんなに面白いと思うのに、誰も買ってくれない、いいねをしてくれない!」という状況になるのです。
自分の面白いがイコール売れる、という図式は絶対ではないのです。
もちろん、自分が面白いと感じる作品が人気を出すこともあります。それは私も経験をしたことがあります。有難いですね。

でも、「面白い」というのは人によって違うのです。
だから、「みんな」とか「読む(見る)人全員に面白いと思ってもらう」って言葉はありえないのです。
100人いて100人が同じものを面白いと思うことは、絶対にありえないです。

だからまず、売れてほしいのなら、誰に売れてほしいのか。どの層に売れそうなのか考えることが大事だし、自分が面白いと思うものを作りたいのなら、まったく売れないことも当然考えないといけないのです。
だから本当、作る部数は毎回悩みますね。
沢山の人に読んでもらいたくて多く刷ったら一冊も売れないこともあるし、数部で足りると思って少なく刷ったらすぐ完売してしまい買えない人が出てしまったこともあったし。
二次創作の場合は作品バブルもありますから、尚更分からないですね。

売れる、ためにはそういうリサーチできることも強いですね。
どういう層にアピールをすれば、自分が最高と思って作った本が売れるか、どういうジャンルで攻めれば売れるか、そのジャンルや層なら自分の実力で何部くらい作れば良いか。
それを見極めることが出来たら強いですね。


あとは信念と執着ですかね。
最近結構あるんですが、十年以上前に打ちきりなり円満終了した作品が、公式が何かしたわけではないのに同人で盛り上がりを見せるという現象。
作品最盛期の頃、マイナーカプで活動していた私の本ってあまり売れなかったですね。あまり、で、一冊も売れないということはないですが。
当時小説はサイトで、漫画は同人誌で出すっていうスタンスだったんです(スキャナーがなくてアナログの漫画をネット上にアップする方法がわからなかった。スマホもなかったし)。
で、私の漫画は絵が拙いのにシリアスな話描きたがるので(というよりシリアスな話が良く浮かんだ)、お話と絵の相性がちぐはぐ合わず、なんかなーって言われたことあります。
当時自分なりに絵の練習をしたのですが、まぁ、結局今になってもどうしたら絵に納得できるのか解ってないです。
でも、何故か最近絵の上達を褒められることが多くなりました。
アナログからデジタルに変わったのが要因ですかね? 解らないです。

転機は、3年前に、10年くらい前に打ち切りになった漫画のオンリーが開催されるという、面白現象でした。
打ち切りになって連載終了になって、オンリーも終わってしまったし、同人活動も下火になったと思ったので、ユーさんでオンリーが行われるというのが今も不思議です。そして今も継続してオンリーはちょこちょこ開催されるので、ほんとすごいです。

その頃他の作品で活動していた私ですが、大好きだった作品のオンリーということもあり、参加するために当時のツイッターで新しくアカウント作って、ちょこちょこイラストや漫画を載せていきました。
そしたらオンリーで作品が完売する(部数はかなり少ないですが)という有難い結果に恵まれました。

なんだかんだ描き続けていたことが、少しの部数とはいえ完売するという結果につながったのかなと思っています。やはり理由はさっぱり分からない。なんでだろう。

でもやっぱりそこでもリサーチって大事だと思いました。
先に、私は漫画より小説のほうが……とか言う話をしましたが、最盛期の頃はそうだったのですが、今回の即売会では、小説より漫画のほうが手に取ってもらうことが多かったです。
とはいえ、それはギャグ四コマだったから、かもしれないです。真面目なストーリーは今なら面白いって思ってもらえるのか、微妙です。
他の作品でもシリアスな漫画を懸命に描きましたが、見てさえもらえなかったです。
または、マイナーな作品だから在るだけ有難い、漫画でも小説でも買います!って言ってくれた人もいました(神だと思っている)。

どのジャンルや分野やカプで活動するかによって、対策はだいぶ変わってくると思います。

同人は自由に描けることも利点だけど、自分の好きなままに好きなように書(描)いても、読んでもらえるかはまったく別の話。
いかにその作品やカプが好きでも、それが伝わらなければ意味がないから。
でも最近はSNSの普及で、その努力が伝わりやすいので、そこで活動すると「この人から愛を感じる」って認められて買ってもらえることが多くなってくることもありますね。
SNSでは愚痴より愛を語るほうが、売れてほしいのなら大事というのは、そういうことかもしれないですね。

同人作品って、欲望とか愛を売るようなものですから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?