見出し画像

FC2ライブチャットで小銭稼ぎしていた話②

はるか、18歳。
この春から大学生。


玉ねぎ畑が広がる長閑な町から、多くの人が行き交う都会へと引っ越した。


大学生活にもそれなりに慣れた。
新しく始めたバイトも一通り仕事を覚えた。
気の合う友人も多くはないがそれなりにできた。


朝起きて、講義を受けて、終わったらバイト。
バイトが無い日は気の合う友人と遊んだり、ゲームをしたり映画を観たり、課題に追われたり、至って普通のキャンパスライフを送っている。
そんな平々凡々な生活だったが、それなりに楽しかった。


季節が変わり梅雨も明けて、夏が来ようとしていた。


「やっべwww夏服がないでござるwwwwww」


周りを見渡すと・・・


みんなお洒落だった。
流石は都会っ子、美的感覚が洗練されている。身に付けるもの全てが素敵で、何だか高価そうだった。

(あー、あの子もってるカバン高そう)

(あの服高そう)

(持ち物ぜんぶブランド品かよ)

(ぐっ・・・大学生の分際で全部DCコスメだと?!)


同級生の持ち物の品定めをする。
やはり都会っ子。金持ちの街。生活水準が高い。


「くっ・・・!
私も毎日化粧してるし服もそれなりに気を使っている方なのに何か違う・・・ぐぬぬ」

「垢抜けてない!ダサい!カッぺ丸出しや!!!」

周囲のアッパークラスな子と比べて身なりに金かけないからか。そもそも学生の一人暮らしゆえ生活費と趣味にかかる金であっぷあっぷだった。


突然コンプレックスに苛まれた。
私はみすぼらしい!


財布を開ける。
残金5000円と小銭なり・・・


「あー、食費も考えなきゃだしやっぱり服は我慢だ我慢我慢」


「金が欲しい金が欲しい金が欲しい金金金金金金」


脳内はお金のことで支配されていた。


キャンパスを出ると雨が降っていた。


「クソッ!雨なんかじゃなくて金降ってこおおおおおい!」


そんな陳腐な台詞を吐き出し帰宅する。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?