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声が聞きたくなって電話をかけた。初めて押す電話番号。あなたが私に渡したもの。なかなか押せ…
こんなに気持ちが落ち着かない日は初めてだったかもしれない。中山さんの奥さんが入院した。容…
昨日まで私は中山さんと一緒に岐阜のホテルで過ごしていた。 はじめて中山さんの夜をひとり占…
日曜の夜は9時頃に家に着いた。 中山さんとは岐阜から東京までずっと一緒にいられたし、いつ…
熱が何度出ているのか、体温計はすぐそばにあるのに確かめる気力もありません。 夫の中山が帰…
内緒のお手紙を書きます。 実はあなたの文章がとても魅力的で、私はあなたの文章のファンです…
こんなとこだと今日はくっつけないねって笑って言ったら、くっつけるよって背中から抱きしめられた。 心が一瞬、揺れた。 絶対にもうないと思ってた二人の時計がまた動きはじめる。 自分からは誘ってこないくせに、気まぐれな私からの誘いは断らない。だから私はあなたに会いたくなると声をかける。なんとなく男の人と二人になりたいときにあなたを誘う。この距離感が既婚者の私にはちょうどいい。 恋じゃない。 あなたは友達。 あのメールが届いたのは二人で会うようになってから何度目だっただろ
「はい、プレゼント」 君がにっこり笑って僕の手に、ドングリ2つをコロンと転がした。勢いあ…
好きかも・・と思った瞬間、君との距離が気になった。 一緒に並んで座っている椅子の距離がね…
「もう冬だね」 手を繋ぎながらあなたにそう言うと、あなたは笑ってこう答える。 「まだ秋だ…
来るかな・・・来ないよね。 分かってるけど、あなたがいつも乗っていた電車が来るのをホーム…
「ねむい」って君は言う。 いつもそうなんだ。君はすぐに眠っちゃう。僕の腕の中で幸せそうな…
「ねぇ、私のどこが好き?」 ベッドで二人でくっつきながらあなたに聞いた。 「んー」 少し…
頬にかかる雨にきづいて「あ、雨だね」とつぶやいた。 並んで歩いていたあなたは雨にまだ気づいていない。私は雨に気づくのが誰もよりも早い。 「ん? 降ってる?」 「うん。降ってるよ」 短い会話を交わし、二人で空を見上げる。 きつねの嫁入りだろうか。 空は青い。 だけどおでこに、まぶたに、ほんのわずかな感触。静かで細かい雨つぶを感じる。 「あぁ、降ってるね」 としばらくしてあなたが言った。 「いつも気づくの早いね」 とあなたは笑う。 何度同じ会話をしたんだろ