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小説・フィクション

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小説や詩、フィクションのお話をまとめています。かなり短い作品ばかりですが、一部前編・後編ものや連載しているシリーズも入っています。書き始めたときは誰かに読んでもらうのがあまりにも… もっと読む
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#中山さん

#49 絶望

家に帰ったらもうかなり遅い時間だったのですぐにシャワーを浴びた。酔った体が熱くて、いつも…

椿 -TSUBAKI-
3か月前
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#48 月の輝き

テーブルに戻ると高梨さんがスマホを触っていた。私が戻ってきたことに気づいたら、なんだか楽…

椿 -TSUBAKI-
2年前
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#47 新たな時間

高梨さんはとてもよく話す人だった。 学生時代には私にも仲の良い男友達が何人かいたけど就職…

椿 -TSUBAKI-
2年前
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中山さんと電卓と梨の話

連載小説『中山さん』についてのお話です。 『中山さん』シリーズは約3年前のnoteデビュー当…

椿 -TSUBAKI-
2年前
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#46 誘い

「結城さん、いつもこのくらいの時間にお帰りですか?」 会社の帰りの電車で偶然同じ車両に乗…

椿 -TSUBAKI-
2年前
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#45 窓に映る姿

奥さんの入院で中山さんが会社を休み、中山さんに会えない昨日は不安でしかたなかったけど、欠…

椿 -TSUBAKI-
2年前
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#44 そこにいるだけで

中山さんが欠勤した昨日の朝は、慌ててオフィスに飛び込んだ。少しでも早く中山さんの状況を知りたかったから。でも今日は慌てずに出勤しようと思っていつも通りに家を出たはずだけど、いつの間にか小走りになっている私がいた。 傘を閉じながら改札を通りホームに上がったときには電車が閉まる瞬間で、吸い込まれるように電車に飛び込んだ。雨のせいで電車が少し遅れていたのかもしれない。いつもより1本早い電車のなかで息が上がっている自分に気付く。やっぱり私、少しでも早く中山さんに会いたいんだ。 駅

連載小説を更新したら。

連載小説『中山さん』を4ヶ月ぶりくらいに更新したんですが、いつもね、更新したらダッシュボ…

椿 -TSUBAKI-
2年前
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#43 霞む愛

ずっと誰にも言えずに一人で抱えていた。奥さんのいる人を好きになってしまってお付き合いをし…

椿 -TSUBAKI-
2年前
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#42 友達

「・・・好きな人がいるの」 涙と一緒にその言葉がこぼれた。でもそれを言うだけで精一杯で続…

椿 -TSUBAKI-
3年前
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#41 つけない嘘

「さやか、ごめんね、突然来ちゃって」 春菜がコンビニの袋を手で持ち上げながら笑った。春菜…

椿 -TSUBAKI-
3年前
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#40 心の声

月曜日の今日はオフィスに飛び込むように出社して、帰りは逃げ出すように退社した。つらくて今…

椿 -TSUBAKI-
3年前
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#39 電話の向こう側

終業時間が過ぎてすぐに私が取った電話は、中山さんの奥さんからだった。 戸惑いが伝わってく…

椿 -TSUBAKI-
3年前
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#38 震える声

こんなに気持ちが落ち着かない日は初めてだったかもしれない。中山さんの奥さんが入院した。容態はどうなのか、入院した原因は何なのかが気がかかりなまま今日の仕事が終わろうとしている。 週末に、私たちが一晩一緒に過ごしたことを奥さんに気づかれたんじゃないかという心配がずっと頭から離れなかった。 奥さんの入院と私たちのことは関係ないはずだと打ち消しても、もしかしてという不安がまたすぐに湧き上がる。もし奥さんがそれを知って倒れたんだとしたら・・・私のせいだ・・・そう思うと罪悪感が心に