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デートをすっぽかして、いっぱい謝った話。

通りがかりに深刻そうな高校生のカップルを見かけたりすることがあって、私はそういうカップルがとっても気になる。

もしや別れ話なのかな? どっちが切り出してるの? 女の子が泣いてるとなんとなくハラハラするよね。

こういう揉めてるようなカップルを見ると、自分の若かりし頃の恋を思い出す。

高校時代の彼。

だいたい学校帰りは電車で彼が乗ってくるのを探して一緒に帰り、週末にはデートをした。

夏休みとかの長期休みは週に何度か会っていたけど、学校がある日と違ってデートの日はランダムになる。

あるとき、私は彼とのデートをすっかり忘れていてね。

自宅に電話がかかってきて、のんきに「どうしたん?」と言ったら「今日約束してたよな?」と彼は言う。一瞬で約束を思い出し、これはマズイとサーっと血の気が引いた。

言い訳もできず「ごめん、忘れてた」と小さな声で答える。私はうっかりしていて忘れっぽいんだけど、彼との約束を忘れるのはマズイのだ。

「もういい」とガチャンと電話を切られ、焦る私。慌てて身だしなみを整えて家を出る。向かうは彼の自宅。連絡をとるも怒る彼に無視をされ、彼のお母さんと電話で話す。

「ケンカしたん? 電話、出てあげたら?」と彼に声をかけてくれたけど、怒り心頭の彼は電話に出てくれない。

なんとか彼の機嫌をなおす必要がある。ここで諦めて帰ると余計に許してくれないと分かっている。だから誠意を見せるのだ。

彼の家と最寄駅を行ったり来たりすることおよそ1時間。彼は私が帰らずに待っていると分かっていて、やっと家から出てきてくれた。

とりあえず謝る。謝る。そして謝る。

彼が怒って言うには「俺が椿との約束をどれだけ楽しみにしてるか分かるか? 忘れるとかありえない」と。

はい、すみません。愛が足りません。

徹底的に謝り倒してようやく許しを得たのです。泣きながら謝りました。そのときは必死でした。許してもらうことに。

遠い記憶ですが、なんか若いときの恋愛って情熱的でドラマみたいでしたね。いまだったらスマホとかあるので、こんなケンカは少ないかもしれません。

来ない相手をジーっと待ち続けて怒りを増幅させることもないだろうし、私はきっと彼とのデートはスマホのスケジュールに入れてお知らせしてもらうだろうしね。

彼が怒りをなんとかしずめて家を出て私のところに来てくれたのは彼のお母さんのとりなしがあったようです。

スマホじゃなくて自宅の電話でのやりとりだったんでね。そういうのも時代を感じます。


#エッセイ #高校生 #デート #約束 #恋



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