手巻きのオルゴールをあなたが静かにくるくると巻いた。

あなたが手を離した瞬間に「ポロンポロン」と流れてくるオルゴールの音が好き。

目をつむると優しい音が心に響いてくる。

オルゴールが奏でる音楽は、音と音の間にとても小さな静寂が流れる。

何度も音と静寂が繰り返され、次第にその間隔は広くなり、ゆっくりスピードを落としながら弱まっていく。

止まりそうになったと思ったら、また小さく「ポロン」と思い出したように音が響く。

まだかな、まだかな、あれ、もう止まっちゃうかな？　

そのちょっとだけハラハラした時間も好き。

また鳴りだした時にあなたと見つめあって「ふふ」って笑う瞬間も大好き。

あなたのベッドに一緒に座りながら、私の大好きなオルゴールのねじを私の大好きなあなたが巻いてくれる。

曲が終わるたびに何度も何度も巻いてくれる。

私たちの時間をオルゴールの音色が包みこむ。

触れ合う肩からあなたの温もりを感じる。

しあわせ。

いつもありがとう。

ねぇ、神様。

とても大切なこの時間を私から奪わないでください。

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