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終わるとき

そろそろ終わるのかもしれないな。この恋は。

必死で求めた恋だったけど、それはもうすぐ静かに消える予感がする。

大切に壊れないようにがんばってきたけど、どうしても別れの予感が拭えない。

どちらがどうという形ではなさそうだけど、こんなふうに終わる恋もあるのかもしれない。

バランス。

恋にはバランスが必要だ。

はじまりはバランスが悪くても構わない。たいていどちらかの愛が勝るものだ。だから私は愛して愛して愛することで、あなたを手に入れた。あなたの笑顔が私はほしかった。

あなたの温かな笑顔が私だけに向いたとき、私は天にも昇る気持ちになった。

そうしてあなたは私を愛しはじめた。深く深く私を大切にしてくれた。あなたの愛があふれはじめた。

私の愛とあなたの愛。

とってもうまく釣り合ってたね。

あの頃の私たちは怖いものがないくらい幸せだった。私はあなたに出会うためにこの世に生を受けた。あなたは私に出会うために生まれてきた。そんなことも本気で信じあえるほどの愛で包まれていた。

溶け合うように抱き合った幸せな日々。


いつからか、二人の気持ちが穏やかに緩やかに下降しはじめた。でも私たちは運が良かったかもしれない。気持ちが落ちる速度が似ていたから。

たぶん、あなたも気づいてるよね。そろそろ終わりだな。この恋はって。


あなたからのラインが来る。

「明日、話したいことがあるんだけど、行っていい?」

きっと、別れ話。あなたのことは手に取るようにわかる。だって5年も一緒に過ごしてきたから。お互いに分からないことはもうないよね。

明日、私とあなたは私の部屋でたくさん泣くんだろうね。どっちも悪くないのに「ごめんね」って言い合うだろう。別れるのはやっぱり寂しいね。


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