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うれしはずかし朝帰り。

結婚してはじめての朝帰りをしちゃいました。

うれしはずかし朝帰りですね。

ご存知ですか? ドリカムの『うれしはずかし朝帰り』という歌を。私は若いときにカラオケでよく歌っていました。こんな歌詞です。

うれしはずかし朝帰り ママに会うまで考えなくっちゃ
うれしはずかし朝帰り うまい言い訳

私の場合は「ママ」→「夫」となるんでしょうね。

朝帰りになっちゃったというより、帰宅は翌日の昼を過ぎてしまいましたが、ようは夜に自宅に帰らなかったという話です。

でも色っぽい話ならここには残念ながら書けません。

ただの不可抗力の話です。

飲み会だったんですが、途中から体調が悪くなって、先に会を失礼しました。このまま終電近くまで飲んでいたら終電に乗れる気がしなかったからです。ともかく帰る方向に向かって、少し先の駅まで移動しました。

そこからは長い長い戦いとなりました。

体調不良が解消されることなく1時間半。終電の時間を逆算して、余裕を持って早めにお店を出たにもかかわらず、終電に乗れる気配が薄れていきます。

終電の時間が近づきます。あと20分。

もし乗れなければどうしたらいいんだろう。

私は主婦です。でも翌日は休日。夫は家におります。私が帰れなくても家は回る。

ラインで夫と息子に連絡します。反応があったのは息子。夫はラインに気づきません。

「帰れないかもしれない」

「どうすんの?」

「どうもできん」

「タクシー?」

「それは無理。タクシーに乗って長時間移動できるくらいなら電車に乗れる」

「あー、そやな。薬持っていきたいけど、さすがに遠いし無理やな」

「うん。無理やね。ホテルに泊まろうかと思ってる」

「え? そんなんとれるん?」

「調べる」

そんなやりとりの末、スマホでホテルを調べて電話をかけ、部屋が空いているかを確認しました。

まさかこんなことになるなんて。

結局、そこからタクシーで駅近くのホテルに夜の12時頃に移動しました。

ホテルで薬はないかと確認したら、あいにく今の私の体調を軽減する薬はなく、時間的にも薬局はあいてないし、そもそもどこにも行く余裕はなく、あきらめてそのまま部屋に入りました。

そこから体調不良がつづくこと、およそ7時間。お店を出たのが10時頃なので合計すると9時間、ずっと不調との戦いでした。もちろん何度か吐きました。

死ぬかもとかもチラッと思ったので、救急車は119だったよなぁとか頭の中で確認します。最近は死にたくないんでね。ちゃんとスマホをそばに置きましたよ。あ、でもちょっとだけ内緒ですが、チラリとね「死んでもいいかな」って思った瞬間もありました。ごめん。

もうどこがどう痛いのかよく分からない感じで、たった一人でホテルの一室で一晩を過ごしました。心配してくれた友人(男性)が「行こうか?」とメッセージをくれたけど、いや、あの、無理です。その優しいお気持ちにはとても心が救われましたが、まさか来てもらったら落ち着けるはずはなく。感謝とともにお断りしました。

結婚後およそ20年、はじめての「うれしはずかし朝帰り」はこんな感じ。

朝8時頃からは体調が復活してきたので、11時のチェックアウトまでの時間を満喫しました。やっとシャワーを浴びて、白いスーッとしたシーツにまたコロンと寝転がって、リラックス。スマホを触ったりしながら「こんなに一人でゆっくり(ゆっくりじゃなかったけど)夜を過ごしたのは結婚以来はじめてかも」って、なんか新鮮でした。

こういう時間っていいですね。

帰宅したのは昼の12時半くらい。

さすがにやっぱり疲れていました。だってほとんど寝てないしね。

夕方、誰が夕食を作るのかというと、私です。はい。

買い出しに出て夕食を作って、日常生活です。いつも通りです。

痛くて苦しくて死ぬかもなぁって思ったけど、ある意味、至福の時間でもありました。一人っきりの夜。何もしなくていい夜。自分だけの時間。静かな部屋。

またこんな時間がほしいなぁ。

だけど次は体調がいいときにね。

最後にちょっと椿っぽい想像もしちゃおうかな。

ホテルで過ごすなんて絶好のシチュエーションだもんね。

あなたの腕の中に包まれるゆっくりした時間。
いつもの私を忘れてあなたに抱きしめられる。
とっても幸せだよ。
来てくれてありがとう。
ねぇ、そっと目を閉じて。
二人だけの時間にキスしよう。

甘いひとときもほしいな。


#エッセイ #朝帰り #ホテル #一人 #時間 #至福 #痛み



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