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鉄道150年特集バックステージ⑧・番外・「鉄道と人」がテーマ、ふたつの鉄道写真展

 鉄道150年。鉄道は私たちの生活の一部。だから、鉄道を舞台にした文学作品や歌がたくさん作られてきました。鉄道写真という趣味のジャンルもまた、鉄道にどんな魅力があるのかを新しい角度から知り、その人の鉄道の「見かた」を知ることもできます。きょうは、「鉄道と人」にフォーカスを当てた写真展を見てきました。

池袋駅東口、ジュンク堂書店池袋店の2軒隣りにある藤久ビル。本物の京浜急行800形と西武2000形の「顔」が飾ってある、たいへんインパクトのある外観です。現在、1Fフロアは閉鎖されていますが、奥には東急7000形もいるのです。

最上階14階には「ギャラリー路草」。芝山喜久男さんの「むかし鉄・いま鉄の日々 PENTAXで撮った鉄道写真50年」は、昭和40年代の京都の鉄道風景に始まり、東京の大学に進学されて接した都電、お召し列車牽引機に指定されていた電気機関車EF5861号を追った日々、世界各国の鉄道を訪ねて、そして現代の通勤電車や動態保存蒸気機関車まで、およそ半世紀の間に撮られた作品の中から、人との関わりの写真をよりすぐったものです。

芝山さんは出版社で雑誌づくりを長く手がけられた方ですが、カメラを初めて握られた少年時代から、芝山さんのカメラアイがジャーナリスティックであるのに驚かされます。過去から現在の写真を見ていくことで、鉄道と人とのかかわり、その未来を考える展示になっていますが、人生を重ねるにつれ、芝山さんの鉄道と人に注がれるまなざしが円熟していくかのように見えるのが印象的です。

隣のギャラリーでは竹内義尊さんの「出会い、そして、、、竹内義尊 鉄道旅の記憶」が行われています。こちらは「まったく想像だにしていなかった素晴らしい風景、人、動物などに偶然出逢う……それに味を占めて、またすぐに次の撮影の旅に出る」とご自身が言われているように、肩の力を抜いて撮られたように見える、鉄道と人、そして猫や意外な動物との組み合わせが描かれ、人と鉄道の関わりを胸に温かく感じます。しかし、中には、よくこんな写真撮れるな、というシャープなものが突然出てくるので油断できません。

両展覧会とも会期は18日(火)まで。時間は11時〜19時(最終日は16時まで)。16日(日)14時から、両写真展でのギャラリートークが行われます。会場ではもう一つ、「鉄路逍遥 如水鉄路クラブ・一橋大学鉄道研究会 第1回写真展」も行われています。

ギャラリー路草

豊島区南池袋2-25-5藤久ビル東五号館14階

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