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戦略的モラトリアム【大学生活編】

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不登校・高校中退からの大逆転?「ライ麦畑でつかまえて」に象徴されるいつまでも大人になりたくない主人公が、モラトリアムを謳歌し、大学でどう生きて、成長したかを描く。
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記事一覧

戦略的モラトリアム【大学生活編】(43)

「ごめん、行けそうにないわ……」 弱々しい声、それは電話口の向こう側から。 指導教官の声…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(42)

深夜まで実家の自分の部屋に閉じこもり4畳半のスペースいっぱいに熱情を滾らせる。教育実習中…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(41)

朝8時。田園のど真ん中をチャリンコでどんどん進む。 職員室を挨拶して回り、教室に入る。自…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(40)

5月末 肌にまとわりつく湿気。眼前に広がる水田と田んぼ道。懐かしい土の匂いだ。もう思い出し…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(39)

「君は弊社に入社して、何ができると思う?」 「……生徒に対して真摯に向き合い、青年期の心…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(38)

「大学4年でこんなに詰め込んじゃって大丈夫?」 学生課のスタッフから履修登録で心配の声が…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(37)

大学4年を控えた3月。ボクは大学に呼び出された。突然学内の掲示板に数十名の学籍番号が貼り出され何事かと思えば……。どうやら教育実習での注意事項を伝達するらしい。あくまで実習先の学校に迷惑をかけないことを言われ、あくまで学生として教わる立場であることを念押しされた。 そんなに迷惑なら、自分はヴァーチャルでも構わないのだが……ここまで口から出そうになったが、ここではおとなしくしておこう。 母校で実習をするといっても、2年近く不登校だった中学校に思い入れなどないし、田舎くささが3

戦略的モラトリアム【大学生活編】(36)

大学生活が妙にこなれたものになってから、ボクの毎日はドンドンすり減っていった。物事には必…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(35)

知的障碍者授産施設の実習も今日が最終日。 作業所で話慣れた仲間と慣れた手つきで業務をこな…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(34)

大学3年の晩秋 ボクは大学のある駅から30分の見知らぬ街にいた。 朝から空っ風が頬を撫でる。 …

戦略的モラトリアム【大学生活編】(33)

「どうしたんだい?」 白髪頭の教授がおもむろにコーヒーを出した。 「いただきます」 なか…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(32)

3学年が始まった。慣れた履修計画。そしてオリエンテーション・・・・・・初々しい一年生が眩しく見…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(31)

大学3年の春がやって来た。いよいよ大学生活も折り返し地点を過ぎた。このままだとあと2年足ら…

戦略的モラトリアム【大学生活編】(30)

大学2年 春休みに突入した3月末 ボクは東京都の国分寺にいた。入試も大方が終了し、頻発する列車事故にも「あぁ、またか」程度の恒例になりつつある季節。並木道を歩いて別の大学へ向かう。東京でも都心から離れると、こうも違うものかいう郊外の景色が眼前に広がる。まるで「あすなろ白書」の冒頭シーンを見るようなテレビを切り取ったような風景はまるで自分がドラマの一部に組み込まれたような錯覚を覚える。4月には浮き足だった学生たちで騒々しくなる前に拿他の大学の様子を見てみるのも一興だ。2月の寒