専門学校最後の夏 to the next step!

東北から上京して、都内のとある専門学校に通っていた自分。なぜ東京に来たのかというと実家から離れたかったという強い一念によるものだった。学校の寮に入って、しばらくして自分自身の夢や目標について外部の声を遮断して考えてみた。遠く離れた地で数カ月の間考えた。

やはり進学しよう……。やりたいことはまだたくさんあるかもしれないし、その可能性を摘んでしまうのは自分を追い込むことになる。

初夏、自分は警備員のアルバイトを始めた。勿論内緒で。

鬱蒼とした図書館で勉強して、なまっている脳内筋肉を鍛え始めた。

2001年夏。夏の終わり。僕は20歳からまた一つ年をとろうとしていた。

この専門学校は今年で去ることになるだろう。

ここで出来た数少ない友人にはまだ何も言っていない。黙ってここを去ることにしよう。

その夏、花火大会で初めて友人たちとビールを飲んだ。

ほろ苦く、自分の人生のようなとっつきにくさ……

その味は今も覚えている。


福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》