ハヤブサ使い 第七話 帰る場所

前回までのあらすじ

人馴れしていない猛獣のようなハヤブサは、紐付きでわたしの元へ飛んでくるようになった。狩りができるほど体力をつけるため、紐なしで自由に飛ばして運動させなければならないのだが、ハヤブサが飛び去ってしまうおそれもあるのだ。

きょうはいよいよ紐なしでハヤブサが飛ぶ日だ。いつもの休耕田に向かう車の運転も慎重になる。ハヤブサの体重は高すぎず、発信機の電池も新品に交換した。カラスに追われないか、見えなくなるまで遠くに飛び去ってしまわないか、不安は尽きない。

車を停めて、半分夢の中のような心持ちで発信機を取り出し、ハヤブサの背中に装着する。いつもなら紐をハヤブサのジェスにくくりつけるところだが、今日はその命綱はない。もう後戻りはできない。私は心を決めてハヤブサの足元にグローブを近づけ、「up」と声をかけた。フードで目隠しされているハヤブサはいつもの習慣どおり片足を持ち上げ、足の下に差し入れたグローブに乗った。この重さをもう一度感じることができますように。私は祈った。

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ハヤブサ使い 第七話 帰る場所

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ハヤブサ使い

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